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2017.01.28(最終更新日: 2017.06.02 ) 10270 views

DaVinci Resolve 12は何がすごいのか?15の項目で検証する

ロサンゼルスと日本を拠点に映像制作を承っております。映画、TVCM、ミュージックビデオからVR動画ま...

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DaVinci Resolve 12は編集ソフトになり得るか?

White-Screenさんのサイトで「編集ソフト難民に捧ぐ!編集機能が強化されたDaVinci Resolve 12はもうひとつのノンリニアソフト選択肢になれるか!?千葉孝、中村賢哉、田巻源太による座談会!」というタイトルでインタビューの書き起こしが掲載されています。

引用: White Screen JP)

メディアのオプティマイズ機能について記事を書く前に、余談として今回は、上記リンクの書き起こしインタビューについて僕なりの感想を考えてみようと思います。
小見出しで一つ一つインタビューで話されている内容を考えていきます。
(注)「囲い」はインタビュー本文からの引用です。

検証項目 - 15コ総まとめ

1) ほとんど全てのファイル形式が読み込める、書き出せる魅力

これは今までの編集ソフトの概念からするとものすごく大きいですが、Premiereも普段必要なコーデックは大抵ネイティブで読み込んで編集出来るので、DaVinciが抜け駆けて凄いわけではありません。
コチラはPiremiereの読み込み可能コーデック。
DaVinci Resolve 12はサイト上で以下のように書いています。
これからの素材はR3D, DNxHD, MOV (Prores422HQ, 4444, 4444XQ)のいづれかが最も主流となると思います。SONYのXAVCもありますが、DaVinciはもちろん対応しています。

引用: Blackmagic Design DaVinci Resolve 12 Edit

2) オフラインのワークフローを1本化

DaVinci Resolveのグレーディングの機能と、そこから現像することなく、デコードすることなく、そのままファイナルまで持っていけるっていうのが物凄い魅力(千葉)

Davinci Resolveより

グレーディングから最後のマスター書き出しはもちろんですが、撮済み素材をそのままDaVinci Resolve12に読み込んで、トランスコード、編集、カラコレ(キーイング、スタビライジングも無料版で可能)、そしてマスタリングまで可能というところが最大の魅力です。
FCP,Premiere,MCはXMLやEDLなどでソフトウェア間での移動がありますが、DaVinci Resolve 12上で編集することが出来れば、編集の時に使ったエフェクトも全て自分のイメージ通りのまま最終的な納品まで持っていけるので最適です。

3) GPUのチップを有効活用して物凄く高速なトランスコードが出来る魅力

無料版では単一のGPUしか使えませんが、有料版を使うことが出来れば複数のGPUやオンボードのGPUを全て使用して作業をすることが出来ます。
カラコレのソフトウェアなので、画像処理は全てGPUとGPU RAMにお任せ。
もちろんCPUとSystem RAMも使うのでパソコンの全てのスペックを使い切るような形で編集のスピードを高めることが出来ます。ちなみにCPUは動画ファイルの圧縮・解凍(De/compression)に使われ、System RAMはソフトウェア自体を動かすために使われます。

4) DaVinci Resolveだけはタイムラインのコーデックが無い

FCP X もPrも、タイムラインのコーデック設定と違うファイルに対しては、レンダリングが必要(田巻)
これもコーデック間の差異に対してレンダリングが必要なくなったことはすごく大きいです。Premiereはパソコンのスペックが高ければ要レンダリングのサインが出ている素材もリアルタイムでプレイバック出来ますが、DaVinci Resolveはそのコーデック設定という概念をとってしまった。
これは多分ソフトウェアの解析能力が高いのか、CPUとGPUに仕事を分けることが出来た結果なのかは分かりませんが、ソフトウェアを選ぶ際のプラスになりました。

5) フレーム内圧縮とフレーム間圧縮の違い

DaVinci Resolveは出自がグレーディングソフトなので、全てのコマを、常に非圧縮のRGBでタイムラインのサイズで必ずデコードする(田巻)
これは勉強不足で、少し調べたんですが、フレーム内圧縮は「空間圧縮」、フレーム間圧縮は「時間圧縮」と呼ばれるそうです。
Adobeが出している圧縮についてのPDFを見つけました。
勉強になりますので、お時間ある方は読んでみてください。
以下引用から。


引用: Adobe

つまりDaVinci Resolve 12の習性から、フレーム内圧縮されているファイルを1コマずつデコードする様にデザインされているので、フレーム間圧縮されたDroneの素材などはDaVinci上でのプレイバックに大変な負荷がかかる、ということ。
確かにDroneの素材はトランスコードしないと毎回ものすごくプレイバックが遅いです。

6) 無償版にもエフェクトは何か欲しい

エフェクトで足りないものはOpenFXのプラグインを2、3個入れるという手がアリ(田巻)
これは大賛成です。
DaVinciはOpenFXが使えるので、必要に応じてFilm Impact, Neat Video, そしてMagic Bulletなどを取り入れることが可能です。
上記で挙げたOpenFXは全てDaVinci Resolveに対応しています。
まだNLEとしての歴史が浅いので、OpenFXはそれほど多く無いですが今後増えてくると思います。

7) キーイングやブラーは無料版で使える

キーイングやブラーは全てカラコレのページでの作業ですので、編集が終わりピクチャーロックした時点で、カラコレ作業と同時に行います。
キーイングはまだ試していないですが、無料版にもついてきて好評です。
After Effectのキーイングと比べてどちらが良いのか、今後実験してみます。

ブラーはNode(ノード)を追加していくことでいくらでもボケ具合を調整出来ます。PremiereのGaussian Blurと比べ、かなり融通が利いてくれます。
しかもノードを選択してブラーがかけられるので、ブラーをかけたい人物をトラッキングすることも簡単に出来ちゃいます。
ドキュメンタリーなどの編集で映像に写ってはいけない人物や広告などをボカすのはDaVinciが1番だと思います。

この2点は大きなプラスです。

インタビューでは全く触れられていないですが、DaVinci Resolveはスタビライザーの機能も無料で入っていて、しかもこれがPremiereのワープスタビライザー(Warp Stabilizer)に負けじと劣らない。
これはPremiereからDaVinciに編集ソフトを変更しようか悩んでいる人にとっては、大きなプラスになると思います。

8) DaVinci Resolveの日本語マニュアルが無いっていうのが一番難点

これは本当に痛いところ。
ちなみに英語版のマニュアルはコチラ。誰か翻訳してくれないかなぁ〜。

カスタマーサービスも日本語で相談しても、Google Translatorを使用してアメリカに住んでいるアメリカ人スタッフが対応してくれるのですが、翻訳レベルがまだまだでエラーがあった時や咄嗟の対応をしたい時には、まだまだAdobeの方が信頼性が高いです。
さらにNLEの歴史の浅いDaVinciならではですが、日本語サイトでの情報がまだまだ乏しく正直手を出しづらいのかもしれません。
この問題点はBlackMagicに早く日本の市場へもっと積極的に参入してもらわないと解決が遅れると思います。
ただ英語のコンテンツの場合、DaVinci Resolveのチュートリアルやヘルプは山の方にインターネット上で見つけることが出来ます。
少し気合いを入れて英語のサイトから勉強したい方は以下の二つのYouTubeチャンネルがとてもオススメです。

引用: Casey Faris

引用: Goat's Eye View

9) FCP7やPremiere Proと違い、仕事先にてモニターへビデオ信号を出力する変換用コンバータが必要

編集者視点では、理想はノートだけでお得意先に行って、お得意先のテレビにHDMIを繋いでモニター上でフルスクリーンで見せる。
FCPやPrだと、ビデオ信号ではないのでちゃんとした色ではないけれど、繋ぎはこうなりますっていうプレビューは出来るんですね。
だけど、DaVinci Resolveは出来ないのが痛いところ。(中村)

そこがやっぱりBlackmagic Designの戦略というか。
ちゃんとした信号を出そうっていう設計思想があるからUltraStudioやDeckLinkがあるんですね。
電源も別途で要らなくて、楽に持ち運べるサイズで、最安で税込みで約1万9千円。
中村: PrやFCP Ⅹを買うよりも、ミニモニター1個分を買っても価格面での競争力はあるということですね。(田巻)

しかも、DaVinci Resolveだけじゃなくて、Adobe After EffectsもBlackmagic Design Fusionも、Adobe Photoshopですら映像の出力ができるようになるから使い道も多いですし。(田巻)

これは今後の課題です。
パソコンのスペックアップの際に予算に組み込みましょう。

10) Resolve12で大画面でやるには、SDI・HDMIのアウトに頼るしかないけど、そこにはディレイが発生する

デュアルモニターを持っていないために実験不可能でした。すみません。

11) 素材の検索性の悪さ

映画やドキュメンタリーとか、ある程度の素材量があるものにおける編集作業って膨大な素材から“選ぶ”作業なんですよね
これはドキュメンタリーを制作する上で、かなり大事な内容ですが、検索機能を助けるメタデータ検索やスマートビン機能がDaVinci Resolveには付いているので、まずはそちらを体験してからでも遅くないと思います。

12) 1つのプロジェクトの中にコマ数の違うシーケンスが置けない点がデメリット

僕は、Blackmagic DesignのハードウェアTeranex 2D Processorを使って回避しています。
DaVinci Resolveから再生をTeranexに突っ込んで、アウトをMacintoshに突っ込む。再生してRECするとあっという間にクオリティの劣化もなく終わります。(田巻)

この問題の注意すべきは、撮影時点でフレームレートが正しく設定されていることを確認すること。
REDなどでハイフレームレート撮影をした時は、自動でプレイバックフレームレートに変換した状態で記録されますが、Canonなどのカメラで60fps撮影した時などには、60fpsのままで再生されるように作られています。
素材のフレームレートを統一した上で、DaVinci Resolve 12へ取り込みましょう。

13) 画面上でソースのタイムを見たり、打ち込んだ秒数に頭出ししたり出来る機能

これはテストしてから追加で書きます。

14) DaVinci Resolve 12のバージョンアップ

DaVinci Resolve 12のバージョンアップでかなりパラダイムシフトを起こす可能性があると感じています。今実際若い子たちは" DaVinci Resolveが初めてのソフトウェア!"って人たちも増えてきてるので、もう1つの選択肢という考え方もありだと思います(田巻)

これから映像を学ぶ人がまず考えるのは、どの編集ソフトが安く購入出来るか、実際にプロの現場で使われているか、だと思います。DaVinciは、ハリウッドや日本の業界のプロが多く使うカラコレソフト。
それが新しいNLEソフトとして、無料で提供されていることは、これからの若い世代にBlackmagicの商品に慣れてもらう一番の方法だと思います。
僕の周りでDaVinci Resolveを使って編集している人はまだいませんが、これからの学生映画で使われること間違い無しだと勝手に期待しています。

15) ワークフローが後ろに行くほど、シワ寄せが来る

オフライン編集をして、それをオンラインに渡して、ということをやっているうちに、ある危機感を感じはじめました。
それぞれがそれぞれのことやって、"ハイ、じゃあよろしくね"ってやり方だと、ワークフローの後ろに行くほどしわ寄せが来る(中村)
DIT、エディター、カラリスト各々が自分の編集工程を持っていて、全員が同じ会社で働いていない限り、データマネジメントやワークフロー環境は人によって本当に様々です。
どこからどこまでが自分の仕事で、その前後の仕事を自分がどれだけ難しくしたり簡単にしたりしているかを気にしない人たちもいます。
ただDITからエディター、カラリストそして最後にエディターが納品用のマスターを作るまで全員が同じソフトを使用してXMLなどのメタデータでのやり取り無く出来るのであれば、一番プロジェクトを綺麗に扱える方法だと思います。

まとめ

結局ものすごく長い記事になってしまいましたが、DaVinci Resolve 12の信頼が今後の業界の仕事をどれだけ効率的にしてくれるかを、頑張って伝えたつもりです。
今後も自主制作からプロの現場までDaVinci Resolve 12がますます使われることを僕は個人的に期待しています。

気になる制作ノートは、
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