2017.01.28(最終更新日: 2017.05.17) 16282 views

知って得する44,100 Hz(音楽業界)と48,000 Hz(映像業界)の違い

ロサンゼルスと日本を拠点に映像制作を承っております。映画、TVCM、ミュージックビデオからVR動画ま...

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はじめに

映像制作において、撮影ではフレームレートを、録音ではサンプルレートを統一して記録すること。これを撮影・録音する際の基本中の基本だと覚えてください。

まずサンプルレートの違いについて。一般的に言うと、

44,100Hz (44,1kHz) は、音楽業界の標準

48,000Hz (48kHz)は、映像業界の音の標準

二つのサンプルレートの違いは、簡単に言えば、そういうことです。
サンプルレートは、映像で言うところのフレームレート、ということは別の記事「音質とは?サンプルレートとビット深度について」で、話しました。
つまり、Hzで表されるサンプルレートは数値が高ければ高いほど音が滑らかになります。

44,100Hzが基準になった歴史的背景は諸説あります。
その中でも一番論理的なものを一つご紹介します。

まず音をサンプリングする時に、録音している中でも最も高い周波数の少なくとも2倍のサンプルレートが必要になります。これは波の形を最低限把握するのに必要なサンプルレートです。サンプルを取る場所が一点だけでは、波としての性格を持つ音を記録出来ないからです。大抵の人は50Hzから16,000Hzが可聴範囲と言われます。これの2倍は32kHzなのですが、ただし、正しく声を録音しようとすると音色を構築している倍音成分を録音する必要があるようです。これを考慮した時に初めて、44,100Hzまで必要になるそうです。さらに詳しい内容についてはコチラから。

音処理「声をハッキリ聞かせたい」(Vookサイト外リンク)

サンプルレートが低いと何が起こるか?
アナログ情報をデジタル化する際に、サンプルレートが高速で無ければ、高周波数の情報が低周波数の中に埋もれてしまいます。
そうすると高い周波数の音は低周波数の音として録音されてしまうのです。具体的に下記のイラストをごらんください。
これをエイリアシング(Aliasing)と呼びます。

参照:Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Aliasing#/media/File:AliasingSines.svg

いずれにせよ、定義的には、48,000Hzの方が44,100Hzと比べて、音質は高いです。映像業界は、48,000Hzを導入しました。

なぜサンプルレートを理解する必要があるのか?

本題はココからです。

サンプルレートが違う音声ファイルを、同じタイムライン上で使用すると、どうなるか?
ミュージックビデオに置き換えて話します。

参照元:https://pixabay.com/en/mp5-player-moview-music-sound-mp3-1015963/

ミュージックビデオを撮影した時に2台で撮影したとします。
ところがワイドショットは24fpsで撮影して、クローズアップは30fpsで撮影すると問題が起こるのが分かりますか?

編集を行う時に、タイムラインのフレームレートを設定します。
つまり、撮影した素材が、完全にタイムライン上で再生出来るように、カメラと同じ設定を、タイムライン上で再現するわけです。
Bカメが30fpsで撮影した場合、24fpsのタイムラインに対応出来ません。
そして毎秒ごとに6フレームずつ映像が余ってしまいます。
するとワイドショットからクローズアップにカットが変わった瞬間に、口パクが音楽のCD音源と合わなくなるのです。
こうなるとマジで大変です。動画の速度を変えることで応急処置は出来ますが、問題を根本から解決することは不可能です。
24fpsと23.976fpsや30fpsと29.97fpsの間でも同じ現象が起こります。

音楽でも、同じことが言えるのが分かりますか?

カメラ、もしくはレコーダーで録音した音源が48,000Hzで、ミュージックビデオの編集で使う、CDマスタリングWAVが44,100Hzだった場合、編集ソフトの音のタイムライン上で、同じことが起こります。
映像の音源を、タイムラインの設定にしてしまうと、音がずれていくんです。
音声ファイルの速度を変えることで、応急処置は出来ますが、ベストではありません。
Adobeのオーディションやロジックで、リサンプリング(サンプリング変換)をすることは出来ますが、音の速度を変えること自体は出来ないので、効果はありません。

だから何を撮影するにしてもフレームレートとサンプルレートは統一しておかないといけないんですね。

映像を制作する上で、音声は映像と同じだけ大切です。小さなミスが大きな欠陥に繋がることがあるので、必ず確認してください。

気になる制作ノートは、
クリップしておくと
あとからいつでも見返したりできます。

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