2017.02.01(最終更新日: 2017.03.23) 906 views 作曲2 映画5 映像1 映画音楽4

映像制作においての作曲のワークフロー

フリーランスで映画音楽等のコンポーザーをしています。ロサンゼルス在住です。

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複数のスタッフがそれぞれの役割を持ち一つの場所に集まって行われる映画の撮影などと異なり、作曲というのは基本的に一人作業です。
特に僕は作業のほとんどが打ち込みですので、仕事内容を共有する機会はあまりありません。
そこで、僕の音楽制作のプロセスをご紹介し、今までそういったことに触れる機会のなかった方々の参考にしていただければと思います。

制作準備

例えば「ooというプロジェクトがあり、xx日までに編集(もしくは仮編集)が出来上がる予定なので、xx日までに音楽をできないか」といったお話をいただいたとします。
まず予算やスケジュール、おおまかな曲の内容を決めた後、より具体的な音楽のタイミングの流れの話し合いをはじめます。

特に一つの映像に対して複数の曲がある場合、それぞれの曲がどこから始まりどこで終わるのか、どういった曲が必要なのか、また一つの曲の中でも途中で流れが変わる場合はどのタイミングで変わり、どう変わらなければいけないかなど、細かく決めていきます。
特に映画などの場合は、キャラクターの動きや特定のカットに合わせて曲に変化をつけないといけないこともありますので、フレーム単位の細かい作業となります。
下の参考映像では、30秒以降カットに合わせて音楽がせわしなく変化しているのがご覧いただけると思います。

制作

どのような曲が良いか話し合う際、既存の曲を参考として映像に充てている場合もありますし、言葉の説明のみであとはこちらに任せる、という場合の2パターンにだいたい分けられます。

求めているものを提示するまでに全く違うタイプの音楽を数種類制作する場合もあります。
既存の楽曲を参考として送っていただいていても、実際制作してみると意図していた通りでなかったり、参考曲が無い場合はトライ&エラーを繰り返しながら完成に持っていくこともあります。
下の二曲は同じシーンに対して作られ、使っている楽器もほぼ同じなのですが、雰囲気は全く異なるものになっています。

[audio mp3="http://vooook.com/wp/wp-content/uploads/2016/02/M8-Demo-A.mp3"][/audio]
[audio mp3="http://vooook.com/wp/wp-content/uploads/2016/02/M8-Demo-B.mp3"][/audio]

コミュニケーション

一度お話をいただいてからは、制作の進行状況や、音楽の修正内容まですべてメールでのやりとりになります。
スケジュールに余裕がない場合などは、ここで手違いがあるとトラブルになったり、お互い納得のいかない結果になってしまったりする可能性が出てきます。
実際、僕が確認作業を怠ったために楽曲に不必要な変更を加えてしまい、締め切りもギリギリだったためにそのまま提出しなければならず、クライアントさんにもあまり満足していただけず非常に後味が悪くなってしまったことがありました。
ただでさえ毎回違う方々とお仕事をするフリーランスという職業柄、そういったことの無いように、例えば「今回この楽曲に関してこういう修正をして、その他の楽曲の進行状況はこうなっているが、その後なにかアップデートはあるか」といった確認のメールを入れることも必要に応じてするようにしています。

またクライアントさんがどういった音楽を本当に求めているのか、というのを理解するのも非常に重要ですので、その点にも特に気をつけています。
既存の曲が充てられている場合には、要望を実際の「音」として聞くことができるので比較的わかりやすいのですが、そうでない場合、言葉での説明のみとなります。
言葉は人によって捉え方が違いますので、一つの説明を受けても、クライアントさんや監督がどういう意図でそれを言っているのか、というのをよく考えるようにしています。

複数の人が手分けして一つのプロジェクトにかかわる場合、Google Docsなどを使って全員が進行状況をいつでも確認・アップデートできるようにする場合もあります。

完成

このように、何度か修正を重ねたのちミックスをし提出し完成となります。
もし生楽器のレコーディングがある場合には、その後スタジオのブッキング・ミュージシャン集め・楽譜の準備・録音をし、録音したものと打ち込みと組み合わせミックスして完成となります。

以上が普段制作する上でのおおまかな流れとなります。
もちろん、プロジェクトによって過程も異なりますし、コンポーザーさんによってもやり方は色々と異なると思いますので、あくまで一つの例として捉えていただければと思います。

気になる制作ノートは、
クリップしておくと
あとからいつでも見返したりできます。

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