2017.03.03(最終更新日: 2017.06.02) 883 views

VR動画の制作過程の個人的な分析 - スティッチング

ロサンゼルスと日本を拠点に映像制作を承っております。映画、TVCM、ミュージックビデオからVR動画ま...

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前フリ

VRのコンテンツが徐々に増えてきている中で、まだVRや360度動画を見たことが無いという人に結構会います。実際の映像業界の仕事に携わっている方の中では、まだVR動画の編集をしたことが無いという方に会う機会が多いです。

これからVRをお仕事としてされる方のために、僕のVR制作の体験談を共有して、今までの制作と違うと感じる作業工程について個人的な分析をしてみました。これは制作予算やスケジュールの管理、データのフォルダ整理などにも案外応用出来る情報だと思います。

スティッチング

自分もVR経験が多いわけでは無いんですが、仕事としてVR制作をする中で学んだことで一番大切なこと。それは「動画のスティッチング」という工程の理解です。スティッチというのは英語ですが、日本語では縫い合わせる、ということです。

僕が今回使ったカメラは6つのGoPro、それを地上ではGoPro OMNIを使い、海中ではFreedom360を使って撮影しました。そして6つのアングルで撮影した動画素材をまとめて、2:1アスペクト比の1つの4K動画(または8K)にしなければ編集が出来ません。この作業がスティッチです。

そして今回の記事の最も大事なこと。

それは「スティッチ」が、これまでの映像制作工程には無かった、大きな追加工程だということを理解することです。

スティッチのために予算を取り、正しくスケジュールを設け、出来る限り効率的にデータを整理することが肝心です。

撮影>スティッチ>編集

という感覚で、編集とは分けて考えてください。

海外ではすでにステッチャーという職業が存在します。つまり動画を縫い合わせるのが仕事になっているということです。ある意味特殊技術で、新しいソフトウェアを理解する必要があります。ソフトの使い方はまた今後書くつもりです。

予算感を理解するために

スティッチ作業には膨大な時間がかかります。
今回の自分の作業工程は以下の通り。
* データの整理
* 6つの動画のをシンクロ
* スティッチ
* レンダリング
* Photoshopで三脚を消すためのプレートを作成
* AEで三脚を消して書き出し
* 編集用動画素材のファイル整理

この作業を全てのショットに対して行わなければなりません。
(備考:三脚を消さない、消せない場合は後半3つの作業はなくなります)

注意事項1:レンダリングの間、グラボをフル活用するのでパソコンは多分確実に使えません。僕は撮影と並行でスティッチもしていたので、持ち運び出来るMacBook Proでスティッチしていましたが、プレイバックはもちろん、パソコンが落ちるのでは無いかとハラハラしながらレンダリングしていました。

注意事項2:Kolorの出しているAutoPano Videoはバッチレンダリングも出来るので、夜寝る前にレンダリング開始すれば、それなりのボリュームは朝までにレンダリング出来ます。ただ、スティッチの繋ぎ目を人や車などが通り過ぎる際に、出来る限り気付かれないように出来ているかは、レンダリング後プレビューで初めて知ることが出来ます。うまくいかなかった場合はスティッチ作業のやり直しです。

これだけの作業が編集を開始する前に追加されるわけです。

スケジュール管理

スケジュールをクライアントの方と話す前にスティッチの作業が追加されることを加味した上で考えるべきです。今回の撮影は5日間だったんですが、スティッチには5-7日ほどはかかったと思います。

ファイル整理

まず撮影した素材はショット番号ごとにフォルダを作ります。スティッチする6つの動画素材を1つのフォルダにいれてしまいます。そしてショット番号フォルダの中に
1. 素材フォルダ
2. レンダリングフォルダ
3. プレートフォルダ
4. 編集用動画素材フォルダ
5. After Effectプロジェクトフォルダ

を作ります。そして1-5のフォルダの中は日割のフォルダを作っておきます。特に編集用の動画フォルダは、常に最新の動画ファイルが一目瞭然で分かるように保存してください。以下、図解しました。

以上、複数のGoProなどのカメラを使ってVRの動画編集作業をする場合の心構え的なものを自分の頭の整理も兼ねて書きました。参考にしてみてください!

H

気になる制作ノートは、
クリップしておくと
あとからいつでも見返したりできます。

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