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2017.04.19(最終更新日: 2017.05.17 ) 2591 views

映画で最も使われる色の配色 - トップ5

ロサンゼルスと日本を拠点に映像制作を承っております。映画、TVCM、ミュージックビデオからVR動画ま...

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シネマ5D

こんにちは、鎌田です。今回はオーストリアの有名なサイトCinema5Dのお気に入りライターの一人、Richard Lackey(リチャード・ラッキー)の記事でとても分かり易く有用な記事を読んだので、翻訳しました。本題は色の特性をうまく使った絵作りについて、です。

原文(英語)はコチラから読むことが出来ます。(2015年3月の記事)
5 Common Film Color Schemes – Learning Cinematic Color Design

色のまえおき

以下の本文はリチャードの書いた文章を翻訳したものです。
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色は心理的にも物理的にも私たちに影響を与えます。その多くは私たちの気付かないところで起っていて、そんな色の力はストーリーを伝えるための素晴らしい方法です。知識は私たちにコントロールする力を与えてくれます。コントロール出来るということは、つまり色の力を駆使出来るということ。あなたの作品に力強さと美しさを与えてくれる、それが色という存在です。

色を使って調和や緊張感を生み出すことや、映像のテーマに注目を向けさせることが出来ることは、素晴らしい能力です。赤い色は私たちの血圧を上げ、青い色はリラックスさせてくれます。他の色は場所や時代を表すことも可能です。世界トップクラスの撮影監督が生み出す映像は、偶然が生んだ産物では決して無いということです。

カラーホイール

まず最初に、映像の美術にもポスプロのカラーマネジメントにも共通して使われている、カラーホイールの基礎について考えてみます。3ウェイカラーコレクターを使っている人なら誰もが見たことがあるものでしょう。


Color Wheel - カラーホイール / 参照:CINEMA5D

カラコレツールとしては広く普及しています。そしてカラー理論を勉強する際、一般的に”好まれる色”を学ぶための標準的な指標として頻繁に使われます。12色のベースカラーに簡略化したカラーホイールを使って今回はお話をしようと思います。これはRYBモデルと呼ばれます。

RYBモデルでは、プライマリーカラーは赤(RED)黄(YELLOW)青(BLUE)になります。緑、オレンジ、紫はセカンダリーカラーと呼ばれるもので、2つのプライマリーカラーを混ぜることで作ることが出来ます。残りの6色はプライマリーとセカンダリーのコンビネーションで生まれた色です。

プライマリーの赤を真上に置いてみると、右側が暖かい色、左側が冷たい色になっています。
* 暖かい色は明るく、エネルギッシュな印象です。
* 反対に、冷たい色は心地よく、落ち着きがある印象です。

ここまでを理解した上で、業界で最も良く使われている調和の取れた色のバランスの分析に進みます。説明をより具体的に見せるため、グラフィックデザイナーのRoxy Radulescuさんが、有名な映画のスクショを元に作った色配列を参考に話を進めます。

映画で最も使われる色の調律5つ

補色同士のペアを使う


Complimentary Color / 参照:CINEMA5D

カラーホイールで向かい合っている二つの色はそれぞれ補色と呼ばれます。この2色の組み合わせが映像の中のパレットでは最も使われます。有名どころはオレンジと青や緑がかった青のペアです。この組み合わせは、暖かい色と冷たい色のペアになるため色のコントラストが強く鮮やかに見えます。全体的な色の彩度は調整する必要がありますが、補色同士の組み合わせは、自然と好まれる色の組み合わせになっています。例をとって見てみましょう。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

映画「アメリ」のシーンは赤とその補色である緑のコンビネーションでデザインされた絵作りになっています。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

同じく映画「ファイト クラブ」ではオレンジと緑に近い青のコンビネーションが上の写真から見ても明らかに出ています。青緑は画面の中のシャドウに際立って現れ、オレンジはハイライト部分で強調されています。下の写真は映画「ドライブ」の場面です。ここでも同じ補色ペアが使われています。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

類似した色だけを使う


参照:CINEMA5D

カラーホイールの並んだ3つの色(類似色)だけを使ってデザインする方法が2つ目。この並んだ3色は画面全体の調和が取れやすいです。暖かい類似色か冷たい類似色だけを使い、色のコントラストが出来るだけ小さくなるように作るのがコツです。補色が持つ色の緊張感を作らないことが大事です。

類似色で色を作る場合は、自然の中の風景をうまく使うことが出来ます。1つの色を基調として画面全体の色を決め、類似色や白、黒、グレイを使ってバランスをとります。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

赤、オレンジ、ブラウンと黄色を使った色作りは暖かく、緊張感がほとんど無い映像になります。映画「アメリカン ハッスル」の1シーンはこの色の並びを使っているのが分かります。

3つの最も離れた色を使う


参照:CINEMA5D

カラーホイール上で、正三角形の位置関係になる3色を使った配色をする場合、その中の1色を基調として、残りの2色はアクセントの様に使います。この3色を使った場合、彩度があまり高くなくても鮮やかな感じが出る画を作ることが出来ます。この組み合わせは、ここで紹介する5つのパターンの中では一番映画で使われにくい配色なので、とても鮮烈なイメージを与えて記憶に残したいシーンなどに使うと効果的です。下の写真はゴダールの映画「気狂いピエロ」から。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

補色ペアに近い3色を組み合わせて使う


参照:CINEMA5D

この配色は、補色同士のペアの配色にとても似ていますが、ちょうどカラーホイールの反対色を使うのでは無く、反対色の両隣にある2色を使った3色の配色になります。これは補色同士のペアの配色と同じ具合に色のコントラストを出すことが出来ますが、補色のペアほどはテンションが出ていない様子を作ることが出来ます。コーエン兄弟の映画「バーンアフターリーディング」のシーンに使われています。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

2つの補色同士のペアを使う


参照:CINEMA5D

カラーホイール上で、二つの補色同士のペアで構成される4色を使った絵作りが最後の5つ目です。このパレットはたくさんのバリエーションを考えることが出来ます。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

まとめ

オレンジと青緑は鉄板

どんなシーンでも、どんな色が使われていても、一般的にルックを作る上で必ずと言っても使えるのはオレンジと青緑の補色ペアです。ハイライトと肌色の明るい部分の色作りをオレンジ、シャドウは青緑の組み合わせは、とてもコントラストがあり、尚且つ人物が映っているシーンには多様されます。


参照:CINEMA5D - Roxy Radulescu

映像の色作りを考える上で役に立ちそうな5つのチップをご紹介しました。もちろんカラコレで色の補正やグレーディングをすることは出来ますが、映像のコンテンツは変えることは出来ません。撮影する以前から、配色のバランスを考える上で今後この記事のことを思い返そうと思います。今回この記事をCINEMA5Dで執筆してくださったリチャード・ラッキーさん、どうもありがとうございます!

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