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2017.04.25(最終更新日: 2017.05.17 ) 1890 views

デジタルカメラのノイズを理解する

ロサンゼルスと日本を拠点に映像制作を承っております。映画、TVCM、ミュージックビデオからVR動画ま...

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はじめに

SONY a7s IIが登場した後でも、夜や室内での撮影には必ずと言っても良いほど課題として取り上げられるデジタルノイズですが、実際にどういう原理で生まれていて、どういったパターンのものがあるのかをイギリスのサイト「Cambridge in COLOUR」が今回も分かりやすくまとめてくれていました。


参照:Cambridge in COLOUR

ISOとノイズ

デジタルカメラにはISO設定があります。ISOの数値を変えることで、カメラの感度を変化させることが出来ます。基本的に、ISO50, 100, 200, 400という風に、2の倍数表示が基本ですが、最近のカメラはさらに細かくISOを設定出来るようになっています。

ISOが高くなると、感度が上がりますが、ISOの数値の増加の割合が基本的には感度と比例する様に出来ています。つまりISO100で露光するのと、ISO200で半分の時間露光するのでは露出が同じになるという考えです。固定されたASA数値(フィルムのISO)を持つフィルムと違い、デジタルカメラはISOを撮影時に変えられますが、ISOを上げることで画素アンプで電荷を増幅させてデジタル信号に変換するため、ある意味無理やり感度を高めた結果、ノイズが生じる様になります。

SNR(S/Nとも書かれる)

予備知識ですが、SNRというのはSignal to Noise Ratio(シグナル・トゥ・ノイズ・レイシオ)と言います。この場合のシグナルと言うのは、センサーに届く光のことです。アナログ信号と言うことですね。そのシグナルがAD変換され出力される際、発生するノイズ量で割った数値をSNRと言うそうです。S/Nと書くのは数値の出し方を表したものです。

分母がノイズ量なので、ノイズの量が減れば減るほどSNRの数値は高くなります。

デジタル・ノイズの違い

フィックス・パターン・ノイズ

フィックス・パターン・ノイズ(Fixed Pattern Noise)は、”ホット ピクセル”と呼ばれる欠陥ピクセルの症状に似たノイズの種類のことです。画素アンプのバラつきが原因で、特定のピクセルが不自然に明るかったり暗かったりすることが原因で現れるノイズ パターンです。アンプのバラつきは同じピクセル箇所に連続的に現れるため、フィックス(固定の)ノイズと呼ばれます。

フィックス・パターン・ノイズはランダム・ノイズよりも明らかに色も輝度も明るく目立ったノイズに見えるのが特徴です。長時間露光(天体写真など)などで見られ、センサー温度が上がった際に悪化して見えるため、多分熱ノイズも固定ノイズ的な扱いで除去出来るのでは無いかと思います。(REDのシェーディング補正)

固定ノイズ除去

キャノンCMOSセンサーは、センサー内でこのフィックス・パターン・ノイズを除去するための、オンチップノイズ除去技術を使っています。REDのシェーディング補正も同じアイデアです。撮影現場に到着した際、センサーのコンディションを毎回カメラに確認させ、補正(キャリブレーション)することをREDは推奨しています。


参照:キャノンCMOSセンサーテクノロジー

REDカメラのブラックシェーディング補正は、このフィックス・パターン・ノイズ(固定ノイズ)のノイズ除去を行います。方法については、こちらの記事からご覧ください。

[RED基礎] ブラック シェイディング キャリブレーションの方法


参照:RED JAPAN

ランダム・ノイズ

ランダム・ノイズ(Random Noise)は、センサーに光が当たっていないのに勝手に電流が流れ(暗電流)電荷として蓄積されるために過剰な電荷がノイズとなって現れたり、光子がとても小さく計測に揺らぎ成分が生じる(ちゃんと計測出来ない)ことなどから現れます。

これはISOの高さと比例し増え、ランダム・ノイズとして更に顕著に現れます。これは同じ場所で、同じ露出で撮影しても違った位置に出る(不規則な揺らぎ成分)ノイズなので、ランダム・ノイズと呼ばれます。これは技術上完全に発生させないのは難しいそうです。

センサー感度は様々な理由で決まりますが、基本的にセンサーのサイズに比例して良くなります。これはセンサーが大きくなるほど同じ露光時間でセンサーに当たる光子の量が増えるため、電荷をアンプで増幅させる割合が減り、結果的にランダム・ノイズは減ることに繋がります。

余談:センサーの感度に影響するものは、量子効率(光子と電子の変換効率)、開口率(画素のサイズ)、マイクロレンズのデザイン、電荷と電圧の変換効率などがあります。

ランダム・ノイズの除去

東北大学の研究員の方がリサーチをまとめてくれています。この図を見ても、最初僕には理解出来ませんでした。


参照:埋め込みフォトダイオード P30

同じ内容を少しわかりやすく図解してくれたサイトがありました。以下の連続した写真はCMOSセンサー1つ1つの画素内部で画素アンプに送られる前に、電荷を電圧として読み出す部分でノイズを除去する方法です。画素内完全電荷転送技術、と言います。

要するに、暗電流や揺らぎ成分の性質から生じるノイズや、固定ノイズを含む電荷量を、露光した際に入ってくるシグナルと上手に分けることで、読み出す際にオンチップでノイズを除去してから出力出来る方法、と言うことだと思います。


【CMOSにおけるノイズ除去の工夫】
1.暗電流ノイズや固定パターンノイズが発生
2.敷居をオープンし、電荷をすべて完全に転送
3.ノイズ信号レベル「N1」を読み出し
4.撮影を行い、電荷「S」を蓄積
5.再び敷居をオープンし、電荷をすべて完全に転送
6.読み出した信号から「N1」を引き算すれば,「S」を正確に読み出すことが出来る。
参照:『体系的に学ぶ デジタルカメラのしくみ』

バンディング・ノイズ

バンディング・ノイズ(Banding Noise)は使っているカメラに大きく左右されます。センサーからデータを読み込む際に生じるノイズだそうです。見た目は固定ノイズの中に少しランダム・ノイズが混ざった様に見えるそうです。

固定ノイズは画素アンプの個体差、ランダムノイズはセンサーの構造上生まれる電荷の読み込みミスから生じます。バンディング・ノイズは、シャドウ・ノイズとも言い、イメージのシャドウの部分を明るくした際にルミナンスを上げる過程で、クロミナンスの標準偏差値が変化して、ノイズとして現れます。

そのためシャドウ部分に良く見られるノイズで、高いISOでの撮影中にもっとも顕著に現れます。特定のホワイトバランスでもノイズが増えることがあるそうです。

標準偏差値

ノイズのタイプにはルミナンスノイズ(白黒ノイズ)とクロミナンスノイズ(カラーノイズ)があります。デジタルカメラでは、このカラーノイズの方が画質の悪さとなって現れます。そのカラーノイズの中でも標準偏差値(Standard Deviation = STD)が大きいほどカラーノイズは目立ちます。STDは

以下の二つがその例です。

!](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/vookbucket.dep/uploads/image/notesimage/990/ScreenShot2017-04-25at_20.28.10.jpg)!)
参照:DIGITAL CAMERA IMAGE NOISE, PART 2

ちょっと書いてたら、なんか自分も色々気になってきて、気付いたらマニアックな内容になっちゃったかもしれません!最後まで読んで面白かったと思う人は、多分僕と気が合うと思います。

気になる制作ノートは、
クリップしておくと
あとからいつでも見返したりできます。

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