2017.05.14(最終更新日: 2017.05.17) 258 views

DCP(デジタルシネマパッケージ)覚え書き(2)

中編ドキュメンタリー映画「自然と兆候/4つの詩から」が山形国際ドキュメンタリー映画祭2015 Cin...

  • 0

あれ、(DCP)つくった…かな?

「デジタルシネマ時代における小規模上映形式の研究」最終報告書付録の「ハンドメイドDCPのつくり方」の冊子をめくり、はたと気づきました。「本当にわたしは自分でDCPをつくったのだろうか…」(笑)。冊子にはマニュアルが掲載されています。ですが…「あれ、つくった...かな?」という感じで、記憶が曖昧です(グレーディングはちょっと大変でした)。素材の入ったHDDはペリカンケースではなく、ホームセンターで購入したアルミケースの中に眠っています(当時は小型のペリカンでもちょっと高価だと思ったので、アルミケースとなりました)。上映される予定のベルギーのシネマノヴァにはFedExで送りました。FedExではせっかく買ったアルミケースを受け付けてもらえなくて、結局ダンボールに梱包材をつめて送られたようです(危ないので今度はペリカンにしようと思いました)。もはやDCPをつくって1、2年たちますが、忘れっぽいので覚え書きを書きます。おそらくですが、チェックに立ち会わなかったり、人任せにしてしまうと、上映したという手応えが感じられない。と個人的には感じています(上映には、なるたけ立ち会いたいですね)。
DCPを自分で制作する一番のメリットは、「つくりなおしがきく」ことでしょうか。業者だといちいちコストがかかりますので。とはいえ、自分でDCPをつくるには、時間も労力もかかりますので、最適解は何かを見定めてからとりかかるのがよいのではないでしょうか。わたしの場合は「いまの映画はどのような構造になっているのか」に興味がありましたので自分でつくりました…。先に労力と書きましたが、実はDCPをつくるのは難しくありません。問題は、アクシデントに対処できるだけの知識があるかどうか。また、これからも進化しつづけるであろうDCPという規格に自分で対処できるかどうかだと思います。自分でつくるからには、これからも対処しつづけなければならない。と自戒をこめて書きます。あまり覚えてない、と言ってはいられなくなりました。すいません。この文章がみなさまの最適解は何かを見定められる一助となれば幸いです。

DCP制作にあたって

DCP制作は簡単にいうと、以下の工程に分けられます。
フレームレートを変換する→映像を連番ファイルにする→映像を変換する→映像と音をならべる→DCPになる→インジェスト、試写
これだけです。「なんだ、簡単ではないか」。そう、簡単なのです。難しくないです。つくってしまうと構造がわかって便利です。見る前に跳べ。マニュアル読むよりも、触って覚えた方がはやいです(読んでいただいているみなさまに言うまでもないことですね)。問題はこの単純な制作過程に、けっこう時間がかかることです。変換に時間がかかるということではありません。変換は、短いものだと数時間(十数時間)、一日二日かかるものもあります(映像の長さで変換の時間は決まります)。これだけだと一日二日、三日四日でできるDCP。となるのですが、それは本当にうまくいった場合です(業者はノウハウがあるので、最短でできるようですね)。しかし、自分でつくるDCPの最大の問題は、一言でいえばDCPにする前(グレーディング、2ch、5.1ch化)と、後(試写でチェック)の工程です。

ポスプロの工程

まず、グレーディングでDCPに最適化された映像の色をつくります(とはいえ、これは専門のカラリストに頼むのが一番だと思います)。カラリストがいない場合は、自分でやらないといけません。その場合、マスモニが必要となってきます。マスモニは高いです。40〜60万円(…それ以上)が相場ではないでしょうか。2017年5月現在、値段は下がってきているかもしれませんね。それがない場合は…i Mac Retina 4Kディスプレイモデルでしょうか。DCI-P3対応で、デジタルシネマに最適化された色を見れます。わたしの場合はi Mac Retina 4Kディスプレイモデルでグレーディング、DCP化しました。グレーディングは、追い込んでください。そうでないと、DCP化してもぶっちゃけあんまり色は変わらないでしょう。「DCPにしたのに、あまり美しくない」と、がっかりしてしまうかもしれません。なので、がんばってください。DCPに最適化された色とは? というのは、素材によって色々なので一概にいえません。すいません。それぞれ追い込んでグレーディングをしていただければ…と思うのですが…。勘所をおさえれば、段違いによくなります。もうブルーレイに戻れません。上映がブルーレイだとがっかりです。ちなみにブルーレイ用のグレーディングもあります。こちらは比較的簡単かもしれません。DCP用のプロジェクターが必要ないので。ちなみにPCでDCPをちょっと確認することはできます。ドレミのCinePlayerです。とはいえ、残念ながら再生時間は数秒〜十数秒です。しかも映写の色とちょっと違います。これまたがっかりです。映写でチェックが一番ですね。
音ですが、ステレオの場合はヘッドフォンやスピーカーで(L-R)で確認できます。が、5.1chにする場合は、5.1chで聞けるMAルームを借りる必要があります。わたしはステレオだったので、5.1chのMAルームを借りる必要はありませんでした。5.1chにする場合は借りてください。ポスプロのスタジオがありますので、検索してみてください。音もやはり全然違うのでがんばって追い込んでみてください。

試写

試写はやはり一番感動する瞬間ではないでしょうか。グレーディングや音を追い込んでよかった…と思う瞬間です。DCPをつくると、映画をちょっとわかった気になれます。お得ですね。わたしの場合は一発でOKでつくりなおしはありませんでした。「(映画が)生まれ変わった…!!」と思った瞬間でした。これからもDCPは進化していきそうなので、なんども生まれ変わりに立ち会うことになりそうです。それはそれで楽しみが増えるのですが…。大変な作業であることに、変わりはないのでは。

気になる制作ノートは、
クリップしておくと
あとからいつでも見返したりできます。

Vook最新情報をお届けします

@VookJp 映像制作者のためのプラットフォーム「Vook」公式アカウントです。

Vookで開催しているイベント情報