tdcg bold box camera clip comment director drone edit effect h1 h2 img lighting link list makeup music ol pc place producer search software tag ul video videographer view voice vook_note vook_port vook animation music2 notice user color
2017.07.24(最終更新日: 2017.08.05 ) 453 views

DJI OSMO RAWで撮ったRAWデータを何で開いて処理するか

映像に手を出し始めたウェブ屋さん。

  • 0

DJI OSMO RAWについて

DJI社が製造、販売するハンドヘルドスタビライザー「OSMO」の、高性能版である。
詳しくは下記を参照。
DJI Osmo RAWの組み立て方・セッティング方法 by Yuhei Iida |Vook note(ヴックノート)

撮影データについて

DJI OSMO RAWは専用の映像センサーを用いて撮影するため、撮影されたデータもOSMOのオプション内に記録される。
形式としては通常はMOV/MP4だが、OSMO RAWはその名の通り、RAWデータも記録することができる。形式はDNGファイルだ。

DNGファイルがいっぱい!

**

DNGファイル

DNGファイルは、主にスチルカメラのRAWデータを保存するための記録形式である。共通規格として提案されているものであるため、メーカー独自の情報を含められない代わりに、多くの環境で使用できることが特徴だ。ただし上記のスクリーンショットを見ても分かる通り、Windowsでは対応していない。
映像の分野では、現在RAW記録をするためのエンコード規格がないため(AVIやMOVは入れ物(コンポーネント)なのでちょっと違う)、各フレームをそれぞれ1つずつのDNGファイルとして記録する形をとっている。シーケンシャルファイル(連番ファイル)にすることで、多くの映像編集ソフト(Adobe Premiere Pro等)では、1つのファイルを読み込ませるだけで、自動的に結合し、1つの映像クリップとして操作できるようになっている。
Digital Negative(DNG)、Adobe DNG Converter | Adobe Photoshop CC

DJI公式アプリケーションで開く

DJIは、「DJI CineLight」というアプリケーションを公開している。このアプリケーションでは、簡単なカラーコレクションやProRes等への変換・書き出しが行える。今回は「DJI CineLight 0.9.26」を用いて検証した。

メリット

シンプルな画面構成

RAWデータをいじって書き出す、を機能の主軸としてちゃんと定義されているようで、プレビュー画面が中央に大きく置かれており、色補正のためのツール群以外の場所ではタブ切り替えすら設置しないくらいにスッキリとした画面構成になっている。特にかっこいいとか、直感的だとかの良さはないが、プレビュー画面の大きさとやること、やれることが1画面でわかるというのはとても良いと思う。

このアプリケーションで何ができるかが一目瞭然。

デメリット

Mac版しかない

近年、オフィスワーカー以外はだいたいMacを使ってクリエイティブワークを行なっているようなので、特段問題がないのかもしれないが、それでもやはりWindowsでやりたい、という人もいるだろう。かくいう俺も今手元にあるマシンのうち、Windows機が一番パフォーマンスが高く、できれば映像系の作業はWindowsで行いたい、という思いがある。しかし、DJIのサイトを見る限り、「CineLight」はMac版しか提供されておらず、Windows向けの代替アプリケーションも特にないようだ。

Windows版について

DJIのサイトを見ると、「CineLight」がダウンロードできるところに、Windows版として「DJI Camera Exporter」というのが並んでいる。
類似した機能を持つツールなのかと思ったのだが、実際にダウンロードして使ってみると、ローカルのHDDにコピー済みのファイルを読み込むことができなかった。
マニュアルを確認してみたところ、専用のSSDからローカルのHDDへコピー(Export)する方法しか書かれておらず、DNGシーケンシャルファイルをあとから処理することはできなさそう…?

2017/08/05 追記

ドラッグ&ドロップでファイルが開けない

俺は、Finderなどで編集ファイルのあるディレクトリを開いた状態で作業することが多い。そして必要なファイルはそのFinderからアプリケーションにドラッグ&ドロップして読み込ませることが多いのだ。複数のアプリケーションを用いて作業している場合「それぞれのアプリケーションでファイルの場所に移動して読み込ませる」という作業を繰り返すのは効率が悪いだろう。
しかしこのアプリケーションは、ドラッグ&ドロップによるファイル(ディレクトリ)読み込みに対応していない。画面左下の「+」ボタンを押して、別途開くダイアログから該当ファイルを探していく必要がある。

露出補正機能おかしくね?

CineLightのカラコレのためのツール群にある、Exposure(露出)部分をいじってみたのだが、なんか色がおかしい。明度をいじったときのように、明部まで落ち込んでるようにみえる。どちらかと言うと明度(Brightness)をいじったほうがそれっぽくみえる。逆に露出を上げてみたが、今度はやたらとコントラストが高くなるようだ。
幸か不幸か、このファイルはDNGであるため、試しにAdobe Camera Rawで開いて同様に露出補正を試してみたが、こちらは確かに露出を落として撮影したかのような色味になってくれた。

今回のサンプル画像
**

Exposure を -1.5 にしてみたところ。ヒストグラムを見てみても、全体がそのまま圧縮された感じがする
**

Photoshop (Camera Raw)での動作。露出を -1.5 にしてみたところ。
太陽など、特に明るい部分は多少露出を下げても白飛びしたままで、明らかにこっちのほうが「露出下げたな」という感じがする。
バンディングが起きて見えるのは、おそらくPNGとして保存したせい。
**

ちなみに、Camera Rawのトーンカーブで明度を下げた場合の図。
やはりCineLightのExposureは露出補正ではなかった。

Undoができない

「いろいろパラメーターをいじったが、ちょっと今やった変更だけは1つ前に戻したい」なんてことはよくあるだろう。大抵の人はここでおもむろに「Ctrl+z」キーを押すと思う。しかしCineLightはこのキーを押しても何も変化が起きない。連打してもダメだ。
ツールバーの「Edit」には「Undo ⌘z」」という表記が見受けられるがグレー文字のままで、これが黒文字になることはなかった。

Resetボタンの挙動に謎が残る

本来RAW記録は特にガンマなどを気にする必要はないのだが、DJI OSMO RAWは面白いことに、RAWでありながらLogプロファイルで記録することができる。RAWやLogの仕組みがわかっている人なら、これが一体何を意味してるのかわからなくなると思うのだが、おそらくは「プレビュー時点での標準の色づくり」を設定する項目なのかな、と思っている。実際、このLogプロファイルなRAWで記録したものをCineLightで開くと、すこし淡い感じの色味になっており「悪くないんだけどそれ逆にカラーコレクションでミスるんじゃね?」という心配しかおきない。
ところで、このLogプロファイルなRAWをCineLightで開いた状態で、カラコレのためのツール群にある「Reset」ボタンを押してみよう。なんとLogっぽい見た目から、ビデオガンマっぽい見た目に戻るではないか。しかし各種設定項目を確認してみても、値は何も変わっていない。値が変わっていないのに、見た目が全く変わってしまうのだ。

読み込み直後の色味。緑や赤が少し淡い感じがするのでLogっぽい。
**

Resetボタンを押しただけの色味。色は変わっているが、パラメーターに変化はない。

結論

露出補正機能に不安があるものの、簡単な補正であればここで済ませてしまうことはできる。しかし、変更できるパラメータはあまり多くなく、他の編集ソフトにあるような「ハイライト」や「シャドウ」「黒レベル」などのパラメータを用いた編集ができないのは痛い。トーンカーブをうまく用いることができる人ならいいが、そうではないのであれば、あえてこのアプリケーションで処理する必要はないだろう。

Adobe Premiere Pro(Windows版)で開く

映像編集ソフトのデファクト・スタンダードといえば、Adobe Premiere Pro。RAWに限らず3DCG等、様々な分野でシーケンシャルファイル(連番ファイル)をもとに映像ファイルを生成することもあるため、このアプリケーションでも特別な作業を行うことなく、連番DNGを1本の映像クリップとして扱ってくれる。

昔からあまり大きくは変わらない画面。慣れれば問題ないが、パッと見のわかりやすさは低い

メリット

いつもの使用感

Premiereのメリットってわけじゃないけど、いつも使ってるアプリケーションで普通に扱えるというのは結構嬉しいものである。逆に、CineLightを普段使いしている人にはそっちのほうがメリットかも知れないが、カット編集等を目的としたアプリケーションではないので、その限りではないだろう。

読み込みは先頭の1ファイルのみでいい

あまり重要ではないのだが、その他のアプリケーションとの違いの1つとして挙げられるものに「連番ファイルを自動的にシーケンシャルファイルとして認識する機能」がある。ディレクトリを読み込ませてしまえばなんの問題もないのだが、例えば既にFinderでDNGシーケンシャルファイルが入っているフォルダが開いてるとき、一つ上の階層に戻ってディレクトリをD&Dするのか、今いる場所ですべてのDNGファイルを選択してからすべてをD&Dするのか、という作業が生じるところを、1番最初のファイルをD&Dするだけで目的が果たせるのは、時として便利だろう。特に、そのディレクトリ内に無関係なファイルが多数含まれているような場合に有効であるはずだ。…いや、もっとディレクトリ内を整理しておけよ。

デメリット

露出補正機能おかしくね?

CineLightでもDisった露出補正機能ではあるが、実はPremiereでもCameraRawのそれとは異なる処理を行う。むしろCineLightのほうが挙動としては近い。何故か白い部分が維持されることなく、全体として暗くなっていくのだ。

CameraRawと同じAdobeが作っているPremiereでもこのザマである

シークがとにかく重い

とにかくシークが重い。タイムラインのカーソルを移動してから、プレビュー画面に反映されるまでに10秒以上の時間を要する。結構高性能なマシンでこれなので、一般的なマシンやノートPCなどだったら、もっとかかるかもしれない。

結論

使い慣れたツールで作業ができるのは非常に便利である。また、プラグインなどの既存資源も使うことができるので、だいたいの場合で困ることはない。ただ、やはりシーク時の重さは致命的である。プロキシファイルを作って作業し、書き出し時に元に戻すという作業フローは必須だろう。もし、プロキシファイルを配置する時間や容量がないとかなら、Premiereを使用することは現実的ではない。

DaVinci Resolve Studio(Windows版)で開く

カラーコレクション / カラーグレーディング向けツールとして名を挙げ、現在ではフィニッシュまでこれ1本で済ませられるようになったDaVinci Resolve。カラーグレーディング好きだけでなく、これからは多くのユーザー、特にこれから映像編集を始めたい層に広まっていくのではないだろうか(無料の機能制限版がある)。
DNGシーケンシャルファイルの読み込みには、そのファイルが含まれているディレクトリを読み込む必要がある。

全機能を使いこなすのは大変だけど、きれいに整理されておりわかりやすい

メリット

いつもの使用感

主にDaVinci Resolveを普段使いしている人向けではあるが、使い勝手はそのままにカラーコレクション / カラーグレーディングを行えるのは大きなメリットだ。また、普段はPremiereを使っている人でも、カラーコレクション / カラーグレーディングだけはDaVinci Resolveを用いている人も多くいるので、そういう意味でも「いつもの使用感」と感じる人は多いハズ。

シークが速い

RAWデータの表示をしようとすると、CineLightやPremiereでは、シークするだけでも表示に時間がかかった。これはフレームごとにRAWからsRGBへプロファイル変換をしているからだと思うのだが、DaVinci Resolveはその辺うまくやっているようで、表示が非常に速いのだ。もちろん、ノンタイムとかストレスフリーとかいうレベルではないが、それでも確認したいときに確認はできるレベルである。

デメリット

特にないかな

RAWシーケンスを弄る話で言えば、特にデメリットはなさそう。俺がまだDaVinci Resolveを使いこなしていないので、もっと知識があればデメリットを指摘できるのかもしれないが、現状では特に思いつかない。

結論

これでやろう。

(おまけ)OSMO のRAWデータの特徴

メリット

極端な色補正をしてもバンディングが起きない

RAWデータとして記録させているくらいなので、ある意味当たり前なのだが、明部を極端に落としてみても特にバンディングが見られなかった。暗部は次のデメリット項にある理由であまり良くわからなかったのだが、それでもバンディングが起きてるようには感じなかった。

デメリット

再生が重い

OSMO RAWの問題ではなく、RAWそのものの問題なのだが、やはり再生するには重いです。

暗部ノイズがヒドい

バンディングチェックをしようと、暗部をトーンカーブで持ち上げてみたものの、カラーノイズがあまりにひどくて確認ができなかった。それくらい暗部ノイズがヒドい。RAWを使いたい理由は様々あるが、特に必要なのは暗所のコントロールだろう。しかしこんなにノイズが乗ってしまっていては、コントロールのしようがない。

ローリングシャッター現象がヒドい

ヒドい、とは書いたが、おそらく一般的なデジタルカメラではそんなものなのかもしれない。ただ、トリガーをトリプルタップすることで自撮りモードへの切り替えが簡単にできる仕組みを考えると、ローリングシャッター現象による歪みが頻繁に映ってしまう可能性はある。

トリプルタップの首振りで生じるローリングシャッター現象。ここまで傾いておきながらブレがほぼ無いのはちょっと面白い。

RAWモードでも使えるLogプロファイルの意味がよくわからない

Logプロファイルというのは、センサーが受けた輝度・色情報から、暗部を主として情報を残しピックアップする記録方式である。一般のビデオガンマと同じ情報量でありながら、確保される輝度情報が異なるという特徴を活かして、カラーコレクションなどでのメリットがある、と言うものだ。
しかし、RAWはそもそも「センサーが受けた輝度・色情報をすべて記録する」ものであるため、一部をピックアップして記録するLogは不要、というか無関係のはずなのである。しかしプロファイルとして選択でき、実際に色味としてLogっぽくなっている必要性があるのだろうか…

RAWモードでLogプロファイルが使える意味

DJIさんよりコメントをいただきました。
この機能がある意味は、主に「カラーコレクション / カラーグレーディングする際に、Logの色調からスタートしたほうがやりやすい人もおり(普段Logからスタートしてる人など)、選択肢として用意している」だからだそうです。

確かに、色関係はただでさえ難しいので、普段からやっているやり方を基本(スタートポイント)にしないといつもの調子で加工できない、というのはありそう。
そう考えると、撮影時設定でのみこのスタートポイントを設定できるようにするのではなく、たとえばDJI CineLightで後からスタートポイントを変えられるようにもなっていると、すごく便利だな、と感じた。元のデータはRAWなので、たぶん可能なのではないかなー

2017/08/05 追記


関連サイト

気になる制作ノートは、
クリップしておくと
あとからいつでも見返したりできます。

ログインするとコメントできるようになります。
ログイン  新規登録

Vook最新情報をお届けします

@VookJp Vook Twitterアカウント

Vookで開催しているイベント情報