SNS社会の今、心を動かす動画コンテンツはどのようにして作られるのか?会社初・TikTokを用いた施策のプロジェクトメンバーが明かす舞台裏。

YouTube・TikTok・Twitterなど、スマートフォンでの視聴に最適化した動画の企画・制作・配信を一気通貫で担うコンテンツスタジオ。――それが、動画プロデューサー・明石ガクト氏が率いるワンメディア株式会社です。コンテンツの累計制作本数は約1,500本を超え、企業やブランドが伝えたいメッセージを、各SNSプラットフォームの特性に合ったクリエイティブで表現し、感情を揺さぶるコンテンツを提供しています。

今回は同社でプロデューサー、クリエイティブディレクター、プロダクションマネージャーを務める3名にインタビューを実施。ダイキン工業株式会社のプロモーションとしてプロデュースしたMV『ぜんぶ、湿度のせい。』の制作秘話からインフルエンサーやTikTokを活用したメディア戦略、さらにはワンメディアならではのカルチャー、働く環境に至るまで幅広くお伺いします。


▲【画像中央】プロデューサー・近藤望美氏、【画像右】クリエイティブディレクター・古谷祐司氏、【画像左】プロダクションマネージャー・門口真子氏

歴史ある大手メーカーと若年層を繋ぐ、これまでにない施策。

――お三方が担当されたダイキン工業様のプロジェクトについてお聞かせください。まずはどういった課題が寄せられたのでしょうか?

近藤氏:もともとダイキン工業様とは2019年からご一緒してきました。ご存知の通り、ダイキン工業様は誰もがその名を知る歴史のある大手の空調メーカー。一方で、若年層と触れ合う機会は非常に少なく、現在の10代や20代の方が大人になった時、いかにダイキンというメーカーを好きになってもらえるか・選んでもらえるかを課題としていました。弊社は各種SNSを用いた動画の企画〜配信までを得意としているため、「若年層とコミュニケーションを取れる場を作ってもらえないか?」とご相談をいただいたのがきっかけです。

今回TikTokを活用した企画をご提案した背景には複数理由がありますが、一つはダイキン工業様から「ユーザーが自らアクションを起こすコンテンツを生み出したい」というオーダーを事前に頂戴していたこと。次に、2021年に入ったタイミングでこれまで動画系SNSの首位を走り続けてきたYouTubeから一転、今後はTIkTokの時代が来るということが囁かれ始めました。そこで、我々としてもTikTokの制作実績はなかったものの、今回新たにチャレンジしよう!ということでご提案に至りました。


古谷氏:過去2年間は、若年層に人気のインフルエンサーをキャスティングし、クイズ形式の動画を作成してきました。これらは、どちらかと言うと視聴者に対して一方通行なコミュニケーションで、クイズを通して湿度に関する知識を深めていただくようなある種ハウツー動画だったのに対し、今回は若年層からリアクション得るために、UGC(※)も絡めた双方向でのコミュニケーションを意識しました。
※「User Generated Content」の略で、一般ユーザーによって作れられたコンテンツを意味する。

――TikTokの制作は、ワンメディアでも初めての試みだったとのことで、工夫された点や苦労したことなどありましたら、お聞かせください。

近藤氏:TikTokにチャレンジするにあたり、従来制作してきたYouTubeやTwitter向けのコンテンツとは音楽から画角に至るまで何から何まで異なります。今までの正解がそのまま当てはまらないので、試行錯誤の連続でした。特に苦労したのは、キャストの選定です。

私や古谷はともに30歳前後の世代で、TikTokの最新トレンドをキャッチするのが難しかったのです。その点、TikTokメインユーザーと最も年齢が近く、本人がインフルエンサーに詳しいということもあり、門口の意見はとても参考になりました。

プロデューサーという立場上、これまで自分がフロントに立って物事を進めていくことが非常に多かったのですが、本プロジェクトは若手の意見に耳を傾け、それを信じて実行に移していくことの重要性を学びましたね。

門口氏:今回は、恋愛をテーマにしたMVだったので、まずリストアップしたのはカップル系のクリエイターでした。当初、本物のカップルを選定していたのですが、いつもカップルで動画を出している2人が出演するとなると、どうしても既視感があり、新鮮味に欠けるのではないかと考えました。

そこで、普段は別々に活動している男女だけど、2人で活動すると“匂わせ感”が出るような人気のある動画クリエイターを選定。今回出演いただいたゆなさん・せりしゅんさんは、そうした意味でも非常に注目度が高かったため、この2人をキャスティングしたいと提案しました。


古谷氏:近藤の話にもあった通り、TikTokは会社としても初めての試み。それだけでなく、実は MVやダンス・楽曲制作含めて、全てが初のチャレンジだったのです。今回はUGCの投稿からその一部をMVのサビに入れ込むという仕掛だったのですが、それぞれの仕掛けが相互的につながっていないといけません。歌詞の意味から、振り付けに至るまで、近藤や門口はもちろんのこと、制作会社さんとも連日MTGをしました。

何しろ僕らも初めてのことで、全体像が把握できていない状態。リファレンスを集めたりはしたものの、言語化が難しい場面も多々あったのですが、制作会社の方々がいろいろなアイデアをくださり、とてもいいアウトプットができたと実感しています。

近藤氏:今回はTikTokとYouTubeを行き来する企画だったのですが、どうしたらYouTubeで再生してもらえるかを事前に考え、しっかり準備できた点も大きかったと思います。ただMVを撮るだけではなく、実は舞台裏も撮影していて、それを出演いただいた動画クリエイターのYouTubeアカウントで公開したりもしました。我々としては再生回数が1万をいけば御の字だと考えていましたが、結果は予想を遥かに上回る20万再生(取材時)。それもきっかけとなり、まさに個人の拡散力を有効に使うことができたと思っています。

注力した点は他にもたくさんあり、例えば今回の施策はUGCが鍵を握る部分も大きかったので、いかにしてダンス投稿のハードルを下げるかという点は考えました。古谷や門口と話を重ね、難しすぎない振り付けや、キャッチーな歌詞を検討。さらに、既に多くの投稿があれば投稿ハードルが下がると考え、事前に105名の方にPR投稿をしていただきました。これによりUGCはかなり伸びました。


▲ダイキン工業【公式】YouTube URL:https://youtu.be/QW_agZxZDvY

■会社初の試みを無事に達成。手応えもこれまで以上に大きなものへ。

――皆さんが感じた手応えは三者三様にあると思いますが、それぞれの手応えをお聞かせいただけますか?

古谷氏:クリエティブの観点で言うと、従来だとコンテンツを作って、配信して終わりということが非常に多かったのですが、今回はTik Tokというプラットフォームの特性を活かし、ユーザーと繋がるようなコミュニケーションができた点が良かったです。さらに、ダンスや音楽なども制作していてとても楽しかったですね。作る側としては、手応えがありました。作詞・作曲・振付など各ジャンルのプロフェッショナルと仕事ができた点も刺激になりましたし、それぞれがプロとしてこだわってくれた点も嬉しかったです。

門口氏:私の場合、今回の動画に対して、ユーザーから頂戴したコメントに一つひとつ返信する作業をしていました。通常、TikTokはメインユーザーの年齢層が若い分、コメント欄にネガティブコメントが付きやすいのが特徴ですが、視聴者から来たコメントにスピーディーに返信していたことにより、「本人から返ってきた!」といったコメントも増え、コメント欄が盛り上がっていたのが嬉しかったです。

近藤氏:結果、TikTokの広告動画の視聴完了率が予想していた20倍近くという数値の成果が出せたので、クライアントにも喜んでいただくことができました。数字で結果を出せたことが何よりも嬉しいですが、それ以外にも実は嬉しいご報告をいただきました。実は同時期に、ダイキン工業様が採用活動を行っておられ、説明会の来た学生さんから「TikTokを見ました!」と想定外の反響をいただくことも。それ以外にもダイキン工業の社員様のお子さんが偶然見てくださったりと、思わぬところでの反響が非常に大きく、そうした意味でも手応えを感じましたね。

■個人の“得意”を伸ばすカルチャーのもと、スキルアップできる環境

――では最後に、お三方それぞれの目線で、ワンメディア様ならではの魅力や社風について教えていただけますか?

近藤氏:どの施策でも共通して、ユーザーが何かしら参加できる余白を提示できることがワンメディアの仕事の面白さだと思います。今回の例だと、「みんながUGCあげてくれることでMVが完成します!」というスタイルだったので、ユーザーを意識したものづくりができる点も弊社ならではかもしれません。


古谷氏:企画から制作、広がる仕掛け、PRまでワンストップでチームの皆とやり切ることができる点がワンメディアの魅力です。たとえば、今回のように“匂わせっぽい”インフルエンサーを起用し、それらしい演出ができるかどうかという点を意識して作るとなると、他のプロダクションだとなかなかできません。

かと言って、代理店の場合も企画は出せるが、ここまでの制作力に追いつくことは難しいでしょう。チームプレーで仕事を前に進めていける点は魅力ですよね。

門口氏:私はこの中で一番社歴が浅いのですが、入社するまでは映像業界=体育会系というイメージを持っていました。先輩の言うことは絶対で逆らえない……といったような。

しかし、弊社の仕事自体が若年層をターゲットにした施策が多いこともあり、今回同様自分の意見を尊重してもらえる機会が非常に多いです。後輩の意見にもしっかり耳を傾けてくれる先輩や上司が沢山いて、とても仕事がしやすいですし、楽しいです。


近藤氏:門口からもあった通り、年功序列のカルチャーは一切存在しません。私自身、前職では広告会社で制作進行業務をしていましたが、企画をしたいという想いで当社に転職してきました。入社して割と早いタイミングでそれが実現できたのもワンメディアだからこそ。通常プランニングを任せてもらえるのは、アシスタントからスタートして早くて2、3年かかります。社歴や年次にかかわらず、やりたいことにチャレンジできる環境は私に合っていました。

古谷氏:ワンメディアには“カルチャー手当”という福利厚生があります。企画やクリエイティブなど仕事に役立つセミナーや展示会などの費用に関しては月3,000円まで会社が負担してくれるというもの。実際、書籍購入費や映画鑑賞費に充てている社員も多くいます。社員の趣味はアニメや映画、音楽、YouTubeとさまざまですが、「この人に聞いたら、話がわかる!」という何か尖った趣味を持っている社員が多いのは確かですね。


門口氏:社長(明石ガクト氏)との距離も非常に近く、インナーのブレストMTGに参加いただくことも多いです。いつも離れた席にいて、会話しにくい…なんてことは一切なく、むしろかなり距離が近いです。社長がいるからと言って遠慮する文化もなく、立場関係なく皆で意見をぶつけ合うことが多いですね。なので、風通しが良く年齢や経歴を気にせず仕事ができる職場だと思います。

■取材後記

“共感経済の時代をつくる”というミッションを掲げ、動画を軸にしたコンテンツビジネスのリーディングカンパニーであるワンメディア。
ソーシャルプラットフォームや5Gの普及により、物語の形が大きく変化する現代。映画やテレビのような長距離走でもなく、CMのような短距離走でもない。“動画”という中距離走のストーリーテリングを得意とするワンメディアには、日々新たなことに挑戦し続ける社員の姿がありました。

今回はTikTokやインフルエンサーを活用した施策についてのお話を伺いましたが、同社ではYouTubeをはじめ、各SNSを通じた動画の企画・制作・配信までをワンストップで手掛けてきた実績が豊富にあります。「制作に留まらず、幅広い領域のプランニングをしたい」「トレンドを敏感にキャッチし、全く新しい企画にチャレンジしたい」そんな方には最適な職場になるのではないかと感じました。

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