012_After Effectsのカメラワーク講座 Part.2 〜覚えてるとトクする応用テク〜

2020.11.02 (最終更新日: 2021.11.16)

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この動画で学べること

今回は「カメラワーク講座_Part02」をご紹介します。

・カメラの手ブレをエクスプレッションでつけれるようになる
・カメラの被写界深度をが学べる
トランスフォームの自動方向機能について学べる

さらに踏み込んだカメラの使い方の理解が深まると
映像のクオリティがグッと上がるのでとても便利です!

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※チュートリアルでは有料の静止画や動画素材を使っている場合があります。
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▼作り方のステップはこちら▼

①カメラの手ブレをエクスプレッションでつけ
エクスプレッションキーフレームに変換
③カメラの被写界深度をエクスプレッションでコントロール
④カメラのミリ数による見え方の違い

これらを勉強していきたいと思います。
よろしくお願いします!!

【図.01】

01. カメラの手ブレをエクスプレッションでつけよう

【GIF.01】

まずはヌルで制御できるカメラを作成します。
①カメラとカメラコントロール用のヌルを作成します。
(カメラは2ノードカメラ、50mmで作っています)
②ヌルを3Dレイヤー化します。
③カメラの位置の値をコピーし、ヌルの位置にペーストします。
④カメラからヌルへ紐づけします。

手持ちカメラの手ぶれ感を付けていきたいので、
ヌルの回転にエクスプレッションを付けていきます。
Altを押しながらヌルの【方向】をクリックし、エクスプレッションを記述できるようにし、
次のように記述します。
wiggle(1,1)
この意味は、

wiggle(一秒間に動く速さ,動く量)
です。

これだけで手持ちカメラで撮ってるような臨場感を付ける事ができます。
さらに、ヌルの【位置】にもwiggleのエクスプレッションを追加します。
wiggle(1,100)
カメラの位置が上下、左右にブレるようになりました。

エクスプレッションが付いた状態でもアニメーションを付けることができます。
一秒でカメラの決まり位置にキーを打ち、0フレーム目でカメラを引きます。
F9でイージーイーズをかけます。
さらに速度グラフでカーブをこのように調整すると、いい感じです。

【図.02】

ただ、wiggleでコントロールすると一つ問題があります。
レイヤーの個数によってwiggleの値が変わってしまうため、
この手ぶれ感最高!
と思ってもレイヤーを増やしてしまうとアニメーションの結果が変わってしまうのが切ない。
そうならないために、エクスプレッションを焼き付けてしまいましょう。

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02. エクスプレッションキーフレーム化しよう

①ヌルの位置を選択した状態で、
②アニメーション→③エクスプレッション補助→④エクスプレッションキーフレームに変換
を押すと、エクスプレッションキーフレームとして焼き付けることができます。

【図.03】

するとレイヤーの数が変わってもカメラの動きが変わることはありません。
【図.04】

さらにヌルの【方向】にもエクスプレッションキーフレームに変換をしました。

【ポイント】wiggleなどのエクスプレッションを使った際は、キーフレームに変換しとこう!

03. カメラの被写界深度を使おう!

【図.05】

【ヌルで制御できるカメラ】を作成します。
カメラのレンズブラーを使って被写界深度を作っていきたいと思います。
カメラオプションの中にある被写界深度をオンにします。

【図.06】

すると、一眼レフカメラで撮ったように背景や、手前にあるものがボケてくれるようになります。
これによって見せたいものがより際立つようになります。
ボケ加減も嫌らしくない程度に抑えることがコツです。

フォーカス距離を変えることで見せたいものにフォーカスをあわせることができます。
【図.07】

しかし、このオブジェクトにフォーカスをあて続けたい場面があるときがあります。
ここでエクスプレッションを使って常に指定したレイヤーにフォーカスをあわせるようにしてみましょう。

カメラの【フォーカス距離】に以下のエクスプレッションを記述します。
target = thisComp.layer("target");
V1 = target.toWorld(target.anchorPoint) - toWorld([0,0,0]);
V2 = toWorldVec([0,0,1]);
dot(V1,V2);

一行目のtargetと書いてある所にはフォーカスをあて続けたいレイヤーをコピペします。
するとカメラがどこの位置にあっても、指定したレイヤーにフォーカスが当たり続けるようになります。

04. レイヤーを常にカメラに正対し続ける方法

周りにある円、ぼくのイメージでは玉なので、カメラが動きすぎるとペラペラなのがばれてしまいます。
ここで、レイヤーを常にカメラの方向へ向ける、という方法があります。

【図.08】

正対させたいシェイプレイヤーを全て選択し、右クリック→トランスフォーム→自動方向、カメラに向かって方向を設定を選択すると、レイヤーが常にカメラの方に向いてくれるようになりました。
万能ではないですが、パッと見これでいけたりもします。

【GIF.02】

常にカメラを追いかけ続けてくれる。なんだか健気な設定ですね。

05. カメラのミリ数による見え方の違いを学ぼう

最後にカメラのミリ数による違いを勉強していきましょう。

同じ大きさですが、奥行が違う3つの文字があります。

【図.09】

AEで最初にカメラを作った場合、おそらくプリセットが50mmになっていると思います。
カメラのミリ数は数字が低くなるほどレンズが広くなります。広角レンズというやつです。
逆に80~200mmになると遠くを撮るためのレンズになります。望遠レンズです。

今回は比較のために15mmと80mmのレンズで見え方を比較してみたいと思います。

まずは15mm
【図.10】

次に80mm
【図.11】

これだけで大分違うことが分かります。
広角レンズは、一般的にモノの立体感が凄く出ます。
奥行き感を表現したい、誇張したい時は広角レンズを使うと良いです。

アニメーションの違いも見てみましょう。
まずは15mm

【GIF.03】

次に80mm
【GIF.04】

80mmは同じアニメーションでもあまり立体感がありません。
どちらがいいという訳ではありません。
そういう特性があるということだけ覚えてもらえればいいと思います。

06. おわりに

奥の2つの文字や、背景のドットも同じ位置になるのにレンズによって
全く違って見えます。
レンズによってこれだけ見え方が違いがでてきてしまいます。
なので、映像を作るときは

【ポイント】カメラのミリ数は始めに決める!!

最後にミリ数を変えると辻褄合わせが大変になってしまいます。
ビギナーの方はこのあたり忘れがちになるので注意が必要です。
ありがとうございました!!

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最後までお読みいただきありがとうございます。

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