この記事が良かったと思った方は
ハートマークとクリップマークを忘れずにお願いします!!
こんちゃ!
映像クリエイターのサンゼです!YouTubeで映像制作のテクニックを分かりやすく解説しています。その他にも、映像編集の会社を経営や、国内最大級の映像編集者のオンラインコミュニティECHOの運営をしています。
▼ECHO-の入会についてはコチラをご覧ください▼
[https://www.sanze-echo.com/community]
バレ消しとは
今回はコマーシャルなどで余計なものが移ってきたときに消す方法
いわゆるバレ消しの方法をご紹介したいと思います。
「バレ消し」をマスターすると映像から余計なものを排除できるため映像自体の没入感を高めることができます。
バレ消しにはいろんなアプローチが出来ると思いますが、基本的には3つのステップで構成されています。
ステップ.01「似たテクスチャのクリーンプレートを作る」
ステップ.02「クリーンプレートをトラッキングして乗せる」
ステップ.03「復活させたいオブジェクトのマスクを作成して載せなおす」
それぞれの工程には様々なアプローチがあるので、なるべくたくさんのアプローチを覚えましょう。その方が解決する確率が上がります。
プロのビデオグラファーを目指す学校、はじまる。入学生募集中。
PR:Vook School
ステップ.01「似たテクスチャのクリーンプレートを作る」
クリーンプレートの作り方も様々です。
静止画としてのアプローチ
動画としてのアプローチ。
静止画としてのアプローチの方が、クリーンプレートを作るのは簡単なのですが、1枚絵なので動画が再生されると周りの素材と色がずれてくるので、後々カラコレをアニメーションさせるという手間が発生します。
動画としてのアプローチは反対に、クリーンプレートを作るのは難しいですが、後々カラコレを合わせる作業が少なくてすみます。
それぞれ状況に応じて使い分けが大切ですが、基本的にはこれから紹介するA.B.Cのどれかの方法で解決することができると思います。
■静止画からのアプローチ
A. バレものが写っていないフレームを探す。
一番簡単なのは映像の中で、そのバレものが写っていないフレームを探し出してそこをフリーズフレームとして活用する方法です。
ほとんど同じテクスチャになるのでバレが少ないです。
この場合、再生すると周りとフリーズ・フレームとでライティングの差が出てきます。周りの変化に合わせてカラコレにアニメーションを付ける必要が出てきます。
B.常にバレものがある場合は「コンテンツに応じた塗り」
この場合はPhotoshopの「コンテンツに応じた塗り」などを使用してクリーンプレート1枚作成することが出来ます。
これには下敷きになる画像によって精度の差があるので、正解とは限らないのですが大抵のものは消せます。
WEB CMクラスで、ぱっと見た時にバレなければOKという場合は使い勝手のいい方法です。
この場合も静止画を使っているため、ライティングの変化に合わせてカラコレにアニメーションを付ける必要が出てきます。
■動画からのアプローチ
C.レイヤーを切ってずらす。初手で探すべき!
消したいものの近くで全く同じパターンのテクスチャがある場合はかなり有効なテクニックです。この方法がうまくいくと一番ラクです。
この場合、近くの場所からコピペしているためライティングは同じような影響受けています。色の差異があった場合でも少しだけカラーコレクションをするとマッチしてくれます。
RedGiantのスポットクローントラッカーなどがあるとかなりラクに動画のコピペが出来ます。
D. Aftereffectsのコンテンツに応じた塗り(ほぼ使えない)
最近搭載されて機能なので効果はまずまずだと思います。時間と相談して試して見る価値はあります。
E. mocha Proを使ってオートでクリーンプレートを作る(ビギナーにはむずい)
この方法に関しては割愛しますがMochaProで生成することが出来ます。
ステップ.02「クリーンプレートをトラッキングして乗せる」
さきほど作成したクリーンプレートをバレものへかぶせる必要があります。この際、バレものを隠すときに同時に他のオブジェクトまで隠してしまうことがありますが、気にせず大きめに載せて下さい。
消したくないオブジェクトは次のStep3で復活させることが出来ます。
トラッキングに関してもいくつもアプローチがあるので出来るだけ沢山の方法を知っておいたほうがいいです。トラッキングが正確であればあるほど、合成が馴染みやすくなります!
①ポイントトラッキング
Aeの標準トラッカーです。精度は低いのであまりおすすめできません。
②Mocha Ae プラナトラッキング
モカなどを使用したプロのトラッキングになります。精度の高さ、簡単さから総合して一番最初に試してほしいトラッキングです。
またマスクにもデータを流用できるので先ずトライしてほしい方法です。
③3Dトラッキング
3Dトラッキングもかなり有効な方法です。
カメラの動きを解析してクリーンプレートを載せる方法が主流になってきています。この方法はトラッキングさえ取れてしまえば細かな調整があまり必要ないので非常に便利な方法です。
余談ですが3Dカメラトラッキングを使ってカメラプロジェクションと言う技術もありますがまだビギナーにとっては少し障壁が高い技術です。
ステップ.03「復活させたいオブジェクトのマスクを作成して載せなおす」
ステップ1と2の工程が出来たら、ステップ2の工程で一緒に消してしまったオブジェクトを載せ直しましょう。そのためには、特定のオブジェクトを手動でマスクを切って戻す必要があります。
ロトブラシツールも優秀ですが、切り分けることを考えると、どうしても手動でパスを書くのが確実かと思います。
この際のマスクツールに関してはアフターエフェクツ標準のマスクツールよりはMocha AEなどのツールを使うことをお勧めします。精度的に標準マスクは使わないほうが賢明です。
以上の3ステップで基本的なバレ消しをすることが出来ます。
その他、注意点について
①クリーンプレートを静止画で作ると背景のライティングが変わっていく
手動でカラコレを調整する必要があります。
ライティングが変わると言う事はクリーンプレートの色味が周りとずれていくということです。カラーコレクションなどを行ってライティングを見た目で合わせていく必要があります。出来るだけ動画からアプローチするのが理想です。
②ノイズが多いシーンは先にデノイズをかける
ノイズの粒子の粒子が止まっていることを気になったりするので、必ず合成などを行うシーンは作業前に粒子をデノイズしましょう。
合成作業がおわったら最後にリノイズする(ノイズをのせる)手順がお勧めです。
③影を戻し忘れてないか?
ステップ3の工程で影を戻すのを忘れないようにしましょう。と言いつつ実際は影を戻すのは大変なので、オブジェを戻すときに作成したマスクを活用して影を作り直したほうが早いかも知れません。
このとき、どこまでをリアルな影を使い、どこからが自分で作った影にするかの判断は難しいところです。地味なところですが、かなり時間がかかるパートです。
いかがでしたでしょうか?
これをマスターすると映像から余計なものを排除できるため映像自体の没入感を高めることができます。
また今回の方法を覚えておけば様々な映像表現が楽しめます。
また一番仕事でも活用できるテクニックだと思います。ぜひ練習を楽しんでステップアップしていって下さい~!
関連動画
プレミアで出来る簡単なバレ消し
障害物があってもトラッキングをとる裏ワザ!MochaAeモカ【AfterEffectsチュートリアル.064】
【Mocha Ae基礎講座①】画面ハメコミ合成!仕事で使える!【AfterEffectsチュートリアル.033】
【Mocha Ae基礎講座②】洋服に合成!仕事で使える!【AfterEffectsチュートリアル.034】
サンゼ / 著書「動画でわかる After Effects教室」発売中@sanze
著書好評発売中 https://www.amazon.co.jp/dp/429712369X ACC(広告賞)2021年のフィルムクラフト部門にエディター賞として選ばれました! Adobe After EffectsとPremiere Proのテ...
コメントする