046_バリアエフェクトサイバーパンク

2022.04.20 (最終更新日: 2022.06.07)

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こんちゃ!
映像クリエイターのサンゼです!YouTubeで映像制作のテクニックを分かりやすく解説しています。その他にも、映像編集の会社を経営や、国内最大級の映像編集者のオンラインコミュニティECHOの運営をしています。

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この動画で学べること
・フラクタルノイズやVC Color Vibranceの使い方を学べます!
・かっこいいSF風の表現もできるようになります
・有料プラグインを使わずに本格的な映像が作れるようになります!

バリアエフェクトを作れるようになると
映像の幅が広がるのでとても便利です!

▼チュートリアル動画はこちら▼

▼使用プラグインリンク▼
▼Video CopilotのColor Vibranceダウンロードはこちら▼
https://www.videocopilot.net/tutorials/colorvibranceplug-in/

▼使用素材リンク▼
■素材はArtGridを使用してます。
https://artgrid.io/clip/32515/man-wearing-hoodie-stands-looking-forward-on-stage-with-projected-letters
https://artgrid.io/clip/32561/group-of-people-standing-in-concrete-corridor-dutch-angle

※配布AEPに内包している実写映像は権利の都合上、ブラックに塗りつぶししています。
オリジナル素材のダウンロードをしたあと同名のクリップへ上書きや差し替え作業をお願いします
※チュートリアルでは有料の静止画や動画素材を使っている場合があります。
まずは無料のおしゃれ写真サイト「Unsplash」などで作ってみましょう!
https://unsplash.com/

▼作り方のステップはこちら▼
今回はカッコいいサイバーバリアエフェクトディスプレイスメントマップコラップスという機能を使って作っていきます(01)

バリア素材を作っていく

まずはバリアの素材を作っていきます。
1個作れば流用して使えるので便利です。

今回はArtgridの素材を使用しますが、Artgridの素材を使う場合は1個注意点があります。
Artgridの素材はピクセル縦横比が1.09などなど1.00になってない物が結構多いです。
これはシネマスコープのかなり横長の映像を無理やりHDの画角に収める為に
1.09で書き出して配布していると思います。
これをそのままドラッグするとコンポジションの比率も1.09になってしまいます。
必ずここはコンポジション設定のピクセル縦横比は必ず正方形にして使ってください(02)

この方がいろいろ間違いがないです。ではやっていきましょう。

このコンポジションは名前を「c01_comp」としておきましょう。

バリアの素材を作っていきましょう。
新規コンポジションを作成します。
名前を「texture_block」とします。
幅500px 高さ500px
フレームレート25/秒(元素材と同じフレームレート)
デュレーションは少し長めで10秒にします。

新規平面を作成します。名前を「noise」にします。
エフェクト&プリセット → フラクタルノイズを適用。
ノイズの種類を「ブロック」に。
展開に「time*100」とエクスプレッションを記入します。
すると1秒間に100の値、展開するようになりました。
何やら蠢いている物が出来ました。

スケールを90%にして一回り小さくしました。

中心部分をマスクで薄く抜いていきます。
白の新規平面を作成 → 大きさを揃えるためにこちらもスケールを90%にします。
反転ボタンにチェックを入れます。
円のマスクを作成し、マスクの境界をぼかします。
真ん中の部分を落としたいので
noiseレイヤーのトラックマットをアルファマットにします。
マスクの境界のぼかしを調整してほんのり抜けている感じにします。04

全体的な濃さも薄くしたいので
不透明度を30%にしました。
この後色々乗せるのでこのくらい薄くて大丈夫です。
真ん中が抜けた状態のバリアが出来ました。名前を「mask」にします。(05)

どんどん味付けをしていきましょう。

白の新規平面を作成します。
エフェクト&プリセット → ブラインドを適用。

ブラインドもシンプルですがよく使いますね。
単純にブラインドに切ったり、ピクセルっぽさを出す時によく使います。

ブラインドの幅14くらいの網目を作って
ここにフラクタルノイズとマスクを組み合わせて使います。(06)

次に「noise」レイヤーをコピー&ペーストして、一番上に持っていきます。
マスクとして使うためにフラクタルノイズのコントラストを上げます。
これにエフェクト&プリセット →モザイクを適用します。
シャープカラーをかけてブロックの数値を下げると
ロックの数が少なくなります。
8コマで動いているマスクが出来上がりました(07)

このレイヤー名を「mask」としておきます。

ブラインドレイヤーのトラックマットをルミナンスキーマットにします。
するとブラインドで抜けたマスクが出来ました(08)

これはニュアンスであればよくて、間にトーンカーブを入れて色を落としたり
ブラインドも不透明度を30%ぐらいにして調整していきます。
するとデジタルっぽい感じが出来ました。(09)

さらにデジタル感をだすためにランダムに動く数字を入れていきます。

適当に英数字を打ちます
右クリック → アニメーターをクリック
文字のオフセットを追加します。
文字のオフセットにキーフレームを入れると文字がランダムにガチャガチャ動いてくれます。

謎の文字で意味ありげな雰囲気が出せます。
これも不透明度を下げて薄めに置きます
長さや大きさを変えていくつか配置します。

最後に一番上に調整レイヤを作成し、エフェクト&プリセット →VRデジタルグリッチをかけます。
VR映像に使うグリッチエフェクトですね。
これをかけるとグチャっとした見た目になってくれます。

グリッチがずっと動いているようにするために、VRデジタルグリッチのランダムシードに
time*100 のエクスプレッションを入れておきましょう。

この調整レイヤーの名前を「Glitch」としておきます。
これでバリアのベースが出来上がりました

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バリアブロックを作成

では作ったバリアエフェクトを1回書き出しましょう。
ProResのアルファ付きで書き出します。
このままいくつもエフェクトを重ねていくと結構エフェクトで重くなるので
素材として書き出せそうな物は
書き出しておくのが正解だと思います。
書き出した素材を改めて読み込みます。

また素材入れるフォルダー"Footage"
レンダリングしたフォルダ"Renders"
という感じでフォルダわけしています。

最低限"Footage"素材と"Renders"書き出した物を
フォルダわけしておくと便利です。

では書き出した物を使って
バリアのブロックを作っていきます。

新規コンポジションを作成
幅1920px 高さ1080px
デュレーション10:00
コンポジションの名前を「Block_Asset」とします。

ここに先程作ったアルファチャンネル付きのバリア素材を入れて色々レイアウトしていきます。
Control(Option) + D でどんどん複製してサイズ感なども変化をつけます。
今回は四角で作りましたがマルや六角形など色々出来ると思うので是非試してください。
こういう感じにします。

バリアが発生するアニメーションを付けます。
サイズが0→100になるアニメーションを付けます。
アニメーションカーブもこのような形にして緩急を付けましょう。(12)


この状態だと ただの面なのでこれを3Dレイヤーにします。
3Dレイヤーで前後にわけていくイメージです。
わかりやすいようにプレビュー用のカメラも出しておきましょう。

一つ一つのレイヤーを3D上Z方向にバラして奥行きを出します。
出てくるタイミングもバラします。
真ん中から出てきて欲しいので
真ん中が一番最初に出てくるようにして、後のはタイミングをズラしました。
これで前後関係のあるバリアのアセットが出来ました!(13)

ではこのアセットを使って
実際のカットに入れていきたいと思います。

コラップスを使って実写と合成

この"BlockAsset"を先程の"c01comp"に
そのまま入れるとこう出てきますが

3Dレイヤーをつけても、先ほどつけた奥行き感がなくなって面として扱われてしまいます。

それを跨いでくれるのがコラップスという機能です。

コラップスはグループ化に近い考え方だと思いますが
コンポジションにチェックを入れるとボックスっぽく表示されます。

このようにコンポジション跨いで3D関係を維持してくれる機能がコラップスです(14)

ただ前のコンポジションで使っているエフェクトなどが外れたりするので
跨げるのは位置関係だけなはずです。その点にご注意ください。

では作っていきます。

パース感はなんとなく合わせましょう
これに関してはなんちゃって3Dトラックです
見た目で手付けのアニメーションを作りました。

それではこのバリアブロックの見た目を調整していきましょう。
まずは、このレイヤーの描画モード
加算もしくはスクリーンにします。
するとキレイにのります。
光物なので加算やスクリーンの方がいいです。

エフェクト&プリセット →グローを適用します。

グローも重ね掛けするとキレイです(15)

これに関してはお好みです。下に入れたいクリップにもよります。

今回 標準でやろうと思いましたが
ディープグローでもいい感じになると思います。

あとデフォルトの標準ではないですが
Video CopilotのColor Vibranceというエフェクトを紹介します。
https://www.videocopilot.net/tutorials/color_vibrance_plug-in/

これも無料ですごく使いやすいので
是非ダウンロードしてください。
光物をいい感じに色を変える事が出来て明るさの色ムラをいい感じに出すことができます。

標準エフェクトの「塗り」ではつぶれてしまうディティールもColor Vibranceならつぶれないので、こちらをおススメします。
さらにグローを重ね掛けします。
色変えてさらにグロー
グロー沼にハマってしまいますが
これはお好みでやってください

次に空間の歪みをディスプレイスメントマップで付けたいと思います。

重くなるのでグローエフェクトは非表示にします。

新規調整レイヤーを作成してエフェクト&プリセット→ディスプレイスメントマップを適用します。
名前を 「DISP」としておきます。

どのレイヤーを参照するかの選択項目でマップレイヤーを"Block_Asset"にします。
置き換えに使用するチャンネルを輝度にします。
明るさの部分を使って歪みを作っていきます。
数値を上げてみると、ちょっとモヤがかかった奥の方がズレている感じになります。
置き換えの数値を大きくすればするほど奥の物が歪んで表示されます(16)

こうすることで、透明な質量のある物質が前にある感じがでます。
数値などはお好みで是非試してください。
グローを復活させます。

再生してみましょう。
奥の物が歪んでくれるのでバリアがある感じが出てます。

あとはお好みで"Block_Asset"にさらにVRデジタルグリッチをかけてもいいと思います。
これはシネマスコープの部分に合わせるように簡易的ですがマスクでカットします。

あとは色見の調整です。
全体的にちょっと明るかったのでトーンカーブで締めます。

するとお兄さんの顔が見えなくなるので顔だけマスクをかけて色見を持ち上げました。
この人の顔が見えるようにバリアが出てくるタイミングをずらしました。

これで基本のバリアエフェクトは完成です!
次のカットでは3Dトラッキングを使った合成方法も紹介します。

3Dトラッキングを使った合成

続いて2カット目を作成していきましょう。

この動画を前回同様ピクセル縦横比は正方形にして新規コンボジションに入れます。
名前は「c02_comp」としておきます。

さっそく3Dカメラトラックを取っていきたいのですが、
このままだとピクセル縦横比の問題で
3Dトラッキングがちゃんと取れないので
手間だと思いますがプリコンポーズしておきます。
「crop」というコンポジションを作成しました。
1回跨がないといけないのでこの辺が若干Artgridの素材はややこしいかなと思います。
今の工程に関してはArtgridの素材でピクセル縦横比が1.00でない物だけですが
今後お仕事でこういう場合もあると思うのでクリップを跨いでカットすると
無事に3Dトラッキングをに取る事が出来ます。

エフェクト&プリセット →3Dカメラトラッカーを適用します。
簡易的に取れました。

前に他のチュートリアルでもやりましたが
地面とかを取って原点を設定する
という風にお伝えしましたがこれは取れる地面がないので
この奥の所で面を作成しましょう。

①「グリッドと原点を設定」をし、原点を設定します。
②次に「平面とカメラを作成」をしましょう。
すると3Dトラッカーカメラと平面が生まれました。(17)

ややパース感が斜めになっていますが大体取れているのでこのカメラで作っていきます。

3Dカメラはいじらないので1番上にしてロックをかけます
この映像自体もこのままで大丈夫です。

先程作った"c01comp"から使える素材をコピー&ペーストして持ってきます。
ディスプレイスメントマップと"DISP"と"Block
Asset"をControl(Command) + C でコピーし、"c02_comp"にペーストします。

するとディスプレイスメントマップのマップレイヤーが外れてしまいますが、後ほど調整します。今は非表示にしておきます。

"Block_Asset"が見えていない部分に飛んでしまっています。

コピーして持ってきたときに座標がおかしくなっていますね。
3Dカメラトラッカーで作った平面に紐付けます。
平面に紐づけてから"Block_Asset"の座標を全部0にしましょう。

この座標の位置に持ってくることが出来ました。
回転の値を見た目で修正します。(18)

3Dトラッキングをとったおかげで、画面の動きと会うバリアエフェクトができました。

先ほど作った"BlockAsset"を流用しようとしたのですが、もう少し奥行き感がほしいと感じたので、"BlockAsset"コンポジションを複製して "BlockAssetB"を作成し、こちらはもっと奥行き感のあるBlockAssetにします。

"Block
Asset"をAlt(Option) + ドラッグ で"BlockAssetB"に差し替えます。

"BlockAssetB"のコンポジションの中に入ってバリアの奥行きを変えていきます。
レフトビュー(もしくはライトビュー)にして前後の幅を広げます。
個数をもっと増やしてもいいですね。(20)

位置や色などの微調整します。

ダイゴにディスプレイスメントマップをオンにして
マップレイヤー → "BlockAssetB"にします。

最後にカラコレしていきましょう。
下のレイヤー色落とし光り物が乗った時に見えやすくするためにトーンカーブで
暗部を締めてます。

あとディスプレイスメントマップの端が切れる時は
ピクセルをラップするを付けると端の黒い部分が緩和されるのでチェックをつけておきます。(21)

カッコいいサイバーバリアエフェクト完成です!

バリアエフェクトの形や背景の映像を変えてみるといろいろ楽しい映像が出来るので試してください。
ありがとうございました!

ありがとうございました。

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