2017.01.28 (最終更新日: 2020.11.11)

Premiereのエフェクトだけでインタビュー音声を良くする方法 [Premiere Pro CC2019改訂版]

改訂版の公開にあたり

以前に書いた「Premiere Proのエフェクトだけで音声を良くする方法」の記事を改めて加筆します。

前回と違う手順に入れ替えたり(僕の知識不足)、内容説明を少し丁寧にしてみるつもりなので、一度読まれた方でも宜しければ是非ご覧ください。

入力した音がすでに割れていたり、ノイズが多過ぎると、エフェクトを適応したところで良い音質にすることは難しいです。音が割れているのは、カメラで言うところの「白とび、黒つぶれ」で情報が残っていないために、そこから新しい情報を編集することが出来ないからです。ノイズが多過ぎると、聞かせたい音とそうでは無い音を検出して分離・編集することが困難です。そのため、まず作業可能な状態で録音された音声であることが前提、とします。

上記を踏まえた上で、実際にPremiere Proに音声を取り込みます。以下はPremiere Proのエフェクトを使って音を調整する時の手順です。これを行うことで、ある程度聞きやすい音になると思います。

ノーマライズ

タイムライン上で作業したい音声ファイル全体の最大音量を均等にすることが出来ます。これを最初にすることで、同じエフェクトを各音声ファイルに適応した時の変化の様子をある程度均一にします。

ノイズ除去

「白ノイズ」や「ルームトーン」と言われるアンビエンスのノイズを取り除きます。また歯擦音を除去します。(サシスセソの発音をした時に聞こえるノイズ音)。この際、ブレスと呼ばれる息継ぎの音は“カットしない”ことで人間味が増すそうです。ブレスの詳細については以下の記事を読むと非常に勉強になります。VOOK note『映像音声の制作の仕方』by Naruki Konagaya

コンプレッサー

エフェクター設定値以上のdb(デシベル)の音に対してエフェクトがかかります。音を圧縮し、音の一番小さいところと大きいところの幅を小さくします。コンプレッサーをかけることで音がさらに聞き取りやすくなります。

EQ調整

男性、女性の声の周波数帯域や、声の倍音の周波数帯域をキーフレームを使ってカーブを描くように変化させることが出来ます。特定の音の帯域のレベルを上下させることで声を聞き取りやすくします。

音量の微調整

コンプレッサーで圧縮した音声のレベル全体を必要な音量まで調整します。キーフレームなどを使って聞こえづらい部分だけ調整する作業も出来ます。このステップで最終的な音の出力レベルに合わせます。

リミッター

最大の出力レベルをエフェクターによって決めます、それ以上音が大きくならないように設定します。コンプレッサーでリミッターをかけることも出来ますが、別途リミッターを設定することが出来ます。最後の防衛線です。

以上が、大まかな音編集の流れです。
それぞれ詳しく説明していきます。

ノーマライゼーション

ノーマライズとは、バラバラのレベルで録音(入力)された音声の、最大音量を均一化することで、クリップ間の音量レベルを均一にする作業です。

ノーマライゼーションを行いたい全てのインタビュークリップの音を選択し、クリップ上で右クリックします。メニューの中からオーディオ ゲインを選択します。

ゲインのポップアップメニューには4種類のゲインのかけ方があります。
その中の「最大ピークをノーマライズ」を選択します。
統一したいボリュームを設定します。 今回は説明のために-2dbを設定しました。

結果は以下の様になります。ピークが-2dbに上がりました。


ノイズ除去

ノイズ除去で使えるエフェクトは全部で3つ。「クロマノイズ除去」 「ノッチフィルター」, そして「DeEsser」です。 全て使う必要が無い場合の方が多いです。「Denoiser」を以前ご紹介しましたが、古いエフェクトフォルダーに移動になったので新しいエフェクトの「クロマノイズ除去」を紹介しました。「Denoiser」を適応しようとすると、ポップアップメニューでクロマノイズ除去に切り替えることを薦められます。

「クロマノイズ除去」については別のVOOKノートがすでに存在するので、リンクをこちらで紹介しますね!「Adobeの神ノイズリダクション「クロマノイズ除去」を使いこなそう!

「ノッチフィルター」は特定の周波数に限ってノイズを除去することが出来ます。 例えば日本では西日本と東日本の電力会社の送電から発するノイズの周波数が決まっています。西日本は60Hz、東日本は50Hzです。他にも特定の周波数がノイズを出している場合、その周波数のdbだけを調整することが出来ます。

EQよりも断定的に周波数を限定出来るため、ノイズ除去に適しています。

以前までのエフェクターは2つでしたが、現状CC2019ではマルチバンドで6つの周波数とゲインを調整出来るようになりました。

そして最後にDeEsserです。 これは歯擦音と言って、「s」や「t」の言葉を発した時に聞こえる高周波数の摩擦音を除去します。 エフェクトの最後にLegacy (レガシー)とついたものを選んでください。 エフェクターがとてもシンプルになっていて、GainとGenderです。
Gainは、摩擦音の音量をどれほど下げるかを調整します。 Genderは声が男性か女性かを選択します。これによって発せられるヒスの音域を特定します。

DeEsser LegacyよりもDeEsserの方がコントロールがさらに効きやすいですが、最初はレガシーで使ってみて徐々に慣れてきたらDeEsserに切り替えても良いと思います。

EQ調整

続いてEQ調整です。エフェクトからEQを選びます。

ポップアップメニューでパラメトリックイコライザという編集を行います。 イコライザでは、特定の範囲の周波数帯の音量を上げ下げすることで、インタビューしている人の声を、聞こえ易くします。男性の場合、600-800Hzが主音。女性の場合は800-1200Hz、子供は1000Hz-1400Hzだそうです。(参考リンク)今回は例として、女性の声のイコライザ調整をした場合のサンプルをご紹介します。声の低い女性でした。

コツとしては対象人物に合った音域を上げてあげたり、他の部分を下げたりして声をクリアにしていきます。 4-7db上げると結構違いがはっきりします。

必要に応じて100Hz以下、3,000Hz以上の音域を大幅に下げることで、不必要な音域の音を削り音をすきます。これは声を更にクリアにするためでハイパス、ローパスなどと言われます。

バックグラウンド音楽にイコライザをかけて、声の帯域を下げると声がより聞こえやすくなる方法としてもパラメトリックイコライザは使えます。

コンプレッサー

あともう少しで完成です。
次はコンプレッサーとリミッターの説明をします。
エフェクトからMultiband Compressor(マルチバンド コンプレッサー)を選んでください。
Edit(編集)を選択し、ポップアップメニューを開きます。

このエフェクターでリミッターをかけることで音が飛んで割れないように限界値を定めることが出来ます。この時にハードリミットをかける場合、オプションの「低歪高精度リミッタ」を選択してください。ハードリミットとは絶対に音が設定値を超えないようにするということで、超えた音は全てカットされます。

オススメは以下の通り。
しきい値 -10db(しきい値を下げる程、ラウドネスが下がります)
マージン -1db(これがハードリミッタの限界値です)
アタック 2ms
リリース 500ms

その後、グラフィックを区切っている3つの線、バンドセレクトでインタビューの声に合わせて、低域、中域、高域に分けます。ソロのボタンを押すと特定の音域だけを聞くことが出来、その音域のゲインを調整することが出来ます。このエフェクトを使って低域と高域の必要無い音を消して、クリアではっきりとした音を作ります。

オプションの「リンク帯域の制御」を押すと全域のコントローラーがリンクします。これは最終的な調整をする時に使います。もしくは出力ゲインで全体のゲインを調整することも出来ます。

ボリューム調整

最後にボリュームエフェクトを使って書き出し前の最終調整を行います。
ボリュームエフェクトとゲインの違いはボリュームは出力アップが6dbまでしか出来ないところです。
これは最終的に細かな音を1ー6db上げて更に良くミックスするために使います。
つまり、ゲインは入力時、ボリュームは出力時に使うと覚えておくと良いと思います。

以上、インタビューの音声編集に使えそうなエフェクトを大まかに洗い出しました。
実際に音声を調整して聞こえやすいボリュームにする場合は以下の別記事が参考になると思うのでご覧ください。

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