2018.10.01 (最終更新日: 2020.08.29)

これから映像制作を始める人におすすめしたいビデオグラファー的撮影機材 2018年秋ver.

2017年夏に「これから映像制作を始める人におすすめしたいビデオグラファー的撮影機材」という記事を書きましたが、あれから一年たち、新しい機材もいろいろと出てきたので、更新版を公開したいと思います!

はじめに

今ではスマートフォンでも高画質の動画を簡単にとって、編集まですることができる時代になりましたが、そこから一歩進んで、もっとキレイな映像を撮りたい、映像をもっとやってみたいという風に思う方多いと思います。

この記事では、私がもし今、映像制作を始めるとして、機材を一から揃えるとしたら、どんな機材にするか、いくつかプランにわけてご紹介したいと思います。映像にも色々な種類がありますが、今回はイベント撮影やノンフィクション的な映像などビデオグラファースタイルで撮る場合を想定して選んでいます。また、個人的な好みもあるので、あくまでも個人的な意見であることはご了承下さい!

まず、揃えたい機材のリストは以下のような感じになります。

カメラ

動画を撮ることができるカメラはiPhoneから、業務用のビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、GoProのようなアクションカムまで多岐にわたります。自分の撮りたい映像のイメージと予算に合わせて好きなものを選べばいいのですが、今回は、「スマホや家庭用ビデオカメラとはちょっと違うな」という画の美しさを出しやすく、かつデジタルシネマカメラほど高くない、動画機能のついたデジタル一眼カメラをメインにご紹介したいと思います。

その中でもオススメのカメラは数多くあるのですが、今回は一番始めに買うカメラということで、「今後ステップアップしていきやすいカメラ」をテーマにチョイスしました。同じマウントやメーカーでより凝った映像表現ができるモデルなどがあるカメラの型落ちや下位モデルなどです。今回選んだカメラで物足りなくなった場合、そのままバッテリやレンズを使えてボディだけ買い換えればよい!というようにステップアップがしやすくなります。

センサーサイズについても、闇雲に大きなセンサーサイズのカメラを買うと、レンズが大きく・高価なものを選ばなければいけなくなり、全体的にコストがかかってきます。センサーサイズはマイクロフォーサーズやAPSCを選んでおいて、その中でコスパが高く良いレンズを選ぶ方が映像としてのクオリティアップを望めます。

レンズ

レンズに関しては、撮りたい画や撮影の状況によって、必要なものが変わってきます。特に主義主張がなければ、はじめは一番標準的なズームレンズか、標準の単焦点(35mmや50mmなど)を使ってみて、こんな画が撮りたい!というのが出てきたときに買い足していくのがよいと思います。予算的に許すのであればズームレンズの他にも一本単焦点を買っておくと、ズームと単焦点の違いがわかってよいかなと思います。画の綺麗さだけを追求していきたい!というのであれば、最初から単焦点オンリーで揃えていくのもアリです。

NDフィルタ

NDフィルタとはレンズの前につけて、光量を調整するものです。写真の場合は基本的に露出を絞りとシャッタースピード、ISO感度の3つで制御しますが、動画の場合、シャッタースピードは固定しておくというのが基本です。シーンに寄ってシャッタースピードを変えてしまうと映像のパラパラ感が強くなったり弱くなったりして見にくいからです。そのため、上記の3点以外に光量を調整するためにNDフィルタが必須になります。NDフィルタは暗さの段階によって、別れて売っています。ただシーンごとにいちいちフィルタを入れ替えるのが大変なので、可変NDフィルタというものを使うと便利です。若干、色が変わってしまうという問題はありますが、使いやすさ重視だと可変がおすすめです。
レンズごとにフィルタをつけられる径は変わりますが、全てのフィルタ径にあわせてNDを揃えるとお金がかかってしょうがないので、NDフィルタは大きめの77mmや82mmくらいのものを一つ買っておいて、持っているレンズに合わせてステップアップリングというものでフィルタ径をあわせるようにするのがオススメです。ステップアップリングはひとつ数百円で買えます。

マイク

これも撮りたい映像の種類によりますが、対象物の声や動きの音などを強調しておさえたい場合はガンマイクが必要になってきます。キレイに音を録るためには色々と機材や工夫が必要になってきますが、まず簡単なガンマイクを一本持っておいて、これ以上必要なのかどうかの基準にするのがよいと思います。

三脚

三脚は、いいものを使うと画が安定します。これは値段の高さと比例して安定性がましていきます。まずはコンパクトでありながら、水平も調整ができるマンフロットのbefree liveなどを使ってみて、機材が大きくなってきたらより安定した三脚を選ぶのが良いと思います。

というような感じで、予算別にプランを勝手に作ってみました。

A.【20万円】写真も撮りたい!Fujifilm X-T2 + 単焦点コース

一式が20万円くらいで収まる方向で考えてみました。
最初に買うカメラで大切なのは高機能であることではなく
今後、よりやりたいことやできることが多くなったときに、
うまく上位のカメラに買い換えることができるかどうかです。
そういった意味ではFujifilmは動画機能がより充実したX-T3やX-H1などのモデルも有り、
今後、動画機能に力を入れた新製品をどんどん追加していく可能性が高いので、
Fujifilm Xマウントでレンズを揃えていくのはアリな選択だと思います。
(X-T2のレビューはこちら!

(良い点)
Fujifilmの特徴は、ボディ内でフィルムのカラーをシミュレーションする機能があり、
手軽にフィルムルックな映像を撮ることができるという点があります。
また、ラインナップに他メーカーのようにフルサイズがなく、APSCのみの展開のため、
レンズがすべてAPSC専用に作られており、高クオリティながら値段が手頃なのが最高です。
写真も素晴らしくきれいに撮れます。

(注意点)
ボディにイヤホンジャックがないので、音をしっかり撮りたい
ドキュメンタリー的な撮影には不向きです。別売りのバッテリーグリップ(約3万円)を使うと、
イヤホンジャックが追加されます。
また、4K動画は最大10分までしか連続撮影できません。
映像作品を作る際に10分長回しすることはほとんどないので、あまり気にしなくていいかなと思いますが、
イベントなどを定点でずっと撮りたいという用途も考えている場合は避けた方が良いでしょう。

【機材リスト】
○カメラ・レンズ・バッテリ
Fujifilm X-T2:約11.5万円
Fujifilm XF35mmF2R WR 単焦点レンズ:約3.6万円
純正バッテリーNP-W126S 約6000円
○NDフィルタ
Tiffen 可変ND 77mm 約2万円
○三脚
マンフロット befree live ビデオ三脚キット 約2万円
※イヤホンジャックが本体にないのでマイクはリストから外しました。

計:19万7000円(2018年9月時点の概算)

B.【16万円】とにかく安めに!Sony α6300コース


とにかくまずは初期投資を少なく始めたい!という方にオススメ。
APSCミラーレスの1世代前の機種です。機能は充実していながら値段がかなり下がっていて狙い目です。

(良い点)
・4Kも撮れてこの安さ!
・そこそこ充実した動画機能
・APSCなのでレンズも安めに手に入る。

(注意点)
これもボディにイヤホンジャックがないので、
音をしっかり撮りたいドキュメンタリー的な撮影には不向き。

Sony α6300:約7.4万円
Sigma 30mm F1.4 単焦点レンズ:約3.4万円
純正バッテリーFW50キット 約8700円
○NDフィルタ
Tiffen 可変ND 77mm 約2万円
○三脚
マンフロット befree live ビデオ三脚キット 約2万円
※イヤホンジャックが本体にないのでマイクはリストから外しました。

計:15万6700円(2018年9月時点の概算)

ズームレンズも一個持っておきたい!という人は
本体をボディのみではなくズームレンズキットで買うのもよいでしょう。
α6300パワーズームレンズキット

C.【30万円】攻守に死角なし! Fujifilm X-T3 最新カメラコース

Aプランで出てきたX-T2の後継機で最新モデル。
イヤホンジャックも本体に内蔵され、いろいろと強化されたモデルです。
値段が高めでも、とにかく今、最新機種にして長めに使いたい!という方にはオススメ。

(良い点)
・初心者にはもったいないくらいの充実の動画機能
・写真もキレイ!
・イヤホンジャックもマイクジャックも付いてる!

(注意点)
特にない!

Fujifilm X-T3 レンズキット:約23万円
Fujifilm XF35mmF2R WR 単焦点レンズ:約3.6万円
純正バッテリーNP-W126S 約6000円
○NDフィルタ
Tiffen 可変ND 77mm 約2万円
○マイク
Rode VideoMicro 約6500円
○三脚
マンフロット befree live ビデオ三脚キット 約2万円

計:31万8500円(2018年9月時点の概算)

D.【30万円】やる気MAX勉強しまくりたい!BMPCC4Kコース

これまで紹介した写真用ミラーレスで動画機能が充実している!というものと違い、
動画専用のカメラです。
RAWやProresといったプロ用コーデックで撮影でき、
そのへんのシネマカメラを凌駕するスペックの革命的カメラです。
この値段でこの機能は異常という他ありません。

ただ、その分、要求するメディアやパソコンのスペックなどもそれなりに高く、
編集にもそれなりの知識が要求されるので、これから本気で映像に取り組みたい!
追加で費用がかかってもいいから、最高の画質を追求したい!という方にのみおすすめです。

まだ何も映像を作ったことがないという方は上の3つのプランあたりでいろいろ試してみて、
その後、より高みを目指してこのプランを選択するのがよいかもしれません!

Blackmagic Design Pocket Cinema Camera 4K :約15.5万円
Panasonic 25mm F1.7 単焦点レンズ:約2万円
バッテリー 約4000円
Cfast2.0カード256GB 約4万円
Cfastカードリーダー 約5000円
○NDフィルタ
Tiffen 可変ND 77mm 約2万円
○マイク
Rode VideoMicro 約6500円
○三脚
マンフロット befree live ビデオ三脚キット 約2万円

計:27万円(2018年9月時点の概算)

この値段になっていますが、これは最低限の値段。
256GBのメディアでも最高画質で撮ると、20分弱しか撮影できません。
また電池も50分程度で切れます。そのため、撮影したい内容によっては、
メディアやバッテリーは追加する必要があります。

E.【17万円】いますぐ撮りたいテーマがある!ジャーナリスト派なあなたへ。

ここまでで紹介してきたのは、ここから一歩踏み出そう!というチョイス。
いろいろと触っていったり、作品を作っていったりすると、
レンズやマイク、三脚、そしてカメラ自体もどんどん新しいものが欲しくなっていって、
それと一緒にできることも増えていくというイメージのチョイスです。
そのため、上記のキットだけだと、できないこともたくさんあります。

ここではそういう方向性とは別に、
もしあなたが「どんな映像かはわからないけど、映像制作を勉強してみたい!」というのではなく、
はっきりといますぐ「ドキュメンタリーを撮りたい!バッチリ撮りたいテーマがある!」という
ジャーナリスト的志向での映像制作をしたいと決めているのであれば、
以下のようなキットがよいと思います。

ここで紹介するFZH1はレンズ一体型のカメラ。
動画も写真も両方撮れるハイブリッドカメラとして生まれました。
センサーサイズは、上記のキットよりも小さい1インチなので、
背景のボケは出しにくくなりますが、24mm〜100mmまでの
広角から望遠までをカバーできます。
さらにNDフィルタも内蔵されているので、外に可変NDを装着する必要もありません。
そしてイヤホンジャックも内蔵しているので、音の収録も問題なし。
収録できる動画形式やカラープロファイルも、動画カメラとして有名な
Panasonic GH4とほぼ同じ設定が可能です。
準備に時間がとれないドキュメンタリー的な撮影には
これ一台をもっていけばだいたいのものが撮れてしまうので、オススメです!

Panasonic DMC-FZH1 :約13.5万円
バッテリーDMW-BLC12 約6000円
○マイク
Rode VideoMicro 約6500円
○三脚
マンフロット befree live ビデオ三脚キット 約2万円

計:16万7500円(2018年9月時点の概算)

もしここに、よりしっかりと被写体の声を撮りたいという場合は、
Rodeのワイヤレスマイクなどを追加すると、
これだけでバッチリ、ドキュメンタリー映画が攝れます。
Rode Filmmaker Kit 約45000円

35クリップする
クリップしておくと
あとからいつでも
見返したりできます。

    コメント

    • WWU

      WWUWWWU

      18.10.02
      素晴らしい記事をありがとうございます。とても参考になります。
      GHシリーズが入っていなかったのが気になりましたが、選定外の理由は値段でしょうか?
    • 伊納達也 (inaho Film)
      コメントありがとうございます。GHシリーズは個人的に大好きなカメラで、2017年ver.ではGH4とGH5をメインに構成していました。今回は、型落ちのGH4が(おそらく人気すぎたんだと思いますが)ほとんど市場に出ていないので紹介しにくかったのと、GH5は価格帯がXT3とかぶるので、今回は初心者でも簡単にきれいな色が出せるFujifilmを選びました。GHの良さはコーデックや動画機能を使い込む人にとっての使いやすい細かい機能だと思うので、まずはじめに触るカメラとして「手軽に綺麗に撮れる!」という意味だとフジに軍配が上がるかなと思っています。
    • 伊納達也 (inaho Film)
      そして、10bitやLogも使えてグレーディングをガンガン勉強したい!というニーズにはBMPCC4Kの方がはるかに高いレベルで対応してくれるようになってしまったので、今回の4つのカテゴリ分けの方法だとちょうどその狭間に入ってしまった感じかなと思っています。GH5はすごくいいカメラなので、ここに入れても全然問題ないのですが...
    • WWU

      WWUWWWU

      18.10.02
      成る程。分かりやすく解説して頂き深謝です。
      XT3の購入ならびにプランCの購入を考えてみたいと思います!
    • 伊納達也 (inaho Film)
      X-T2、X-T3にはボディ内手ぶれ補正がないので、もしどうしても手持ちでガンガン撮影したいというジャーナリスト的な方だとGH5の方がいい場合もあるかもしれません。今回は初心者向けということで、はじめは基本に忠実に三脚に据えての撮影から始めた方がいいので、Xシリーズをオススメしています。ぜひご検討ください!