2018年10月にリリースされた Adobe Premiere Rush CC。
みなさんすでにお使いでしょうか?
Premiere Rushの特徴は・・・
・いつでもどこでも編集できる
・クラウド同期により、モバイルデバイスとパソコンで共有できる
・優秀なカメラ機能を搭載し、モバイルでも良い感じの撮影ができる
・グラフィックステンプレートや、高度な音編集機能により、プロフェッショナルな作品制作ができる
ざっくり言うとこういうことで、
今までPremiere ProやAfter Effectsを使用していなかったCCユーザーも、気軽に動画編集に挑戦しやすくなりました。これからの動画編集の新スタイルを提示する大きな転換点ともいえる魅力的なソフトだと思います。
しかし・・・しかし・・・です。。
元々Premiere Proを使用していたプロの動画クリエイターにとってはどうでしょうか?
Premiere Rushのカメラ機能の優位性を差し引いたとしても・・・
スマホで撮影した素材をクラウドにプロキシとしてアップし、それを仕上げて書き出したものは、コーデック・フォーマット・解像感を考慮すると・・・
「納品用としてはちょっと・・・」と懸念される声が聞こえてきました。
もちろん、最終アウトプットする形によるとは思うのですが・・・。
やはりプロのカメラで撮影した素材を、ディティールを失うことなく完パケまで持っていきたいというニーズも少なくないようです。
なので・・・
ここで、ご提案したいのがPremiere Rushを使った ラウンドトリップ です。
仮編はプロキシデータでおこない、自由なタイミング・場所で仮編集(Rush)する。
最終的には、パソコンに戻り、撮影した元データから書き出し、高品質なデータで完パケする。
という流れ・・・どうでしょう。
やり方はこんな感じです。
手順1 パソコン側のPremiere Rushで撮影素材を読み込む。
・AVCHD・ProRes・非圧縮など、プロ用の高画質コーデック・フォーマットでもOK。
・読み込みと同時にプロキシ変換されたものが生成され、クラウドに上げられていく。
手順2 モバイルデバイスでPremiere Rushを立ち上げ編集。
・モバイルデバイスへの、必要な素材(プロキシ)のダウンロード完了すれば、インターネット環境でなくなっても編集作業はできる。
・編集後にインターネットに接続するとプロジェクトも同期される。
・モバイルなので自由なタイミング・場所で編集できる!
手順3 パソコン側のPremiere Rushでプロジェクトを更新、Premiere ProでPremiere Rushプロジェクトを読み込む。
・プロキシデータが、元の高画質素材に自動的に置き換わり、ディティールを失うことなく編集再開・完パケが可能。
・ただし、元素材がリンクできる状態であることが条件。元素材がリンクできない場合、プロキシ素材がリンクされるので注意。
これで書き出せば高品質なデータで完パケすることができますよね。
実際僕が試したところ・・・
◇ プロキシ変換・クラウドアップロードにはそこそこ時間はかかる模様。
◇ iPhoneでの編集。細かな編集はできなかったけど、OKカットをチョイスしてざっくり尺調整、
目的の順番に並べ換えるくらいはできた。
◇ パソコンに戻って元素材で編集されたシーケンスが表示された時はちょっと感動。
◇ 最終の仕上げ作業は、いつものPremiere Proでできるのでスムーズな完パケができた。
◇ 45分間の素材がクラウドに上がると容量が3GB消費された(思ったより軽い 15分/1GB)
※Creative Cloudストレージの容量はコンプリートプランで100GB使用可能(契約により異なる)
みたいな感じです。
もちろん、リリースされたばかりのソフトなので、今後の進化によってもっと使いやすくなってくれるはず・・・はずです。
電車移動や昼飯時など「パソコンは開けないけど待ち時間はある」みたいな時に、サクサクっと作業を進められるのはかなり便利でした。
クラウドを利用した編集は遅かれ早かれ、時代の流れで避けては通れないワークフローになると思います。
まずはこのPremiere Rushでその片鱗を味わってみるのも良いのではないでしょうか。
また、PremiereProに関する知ってお得な情報を
Youtubeチャンネル「プレミアノート」で発信しています。
よろしければそちらもどうぞ!
市井義彦@ittsui
株式会社Command C 代表取締役。大阪で映像制作を生業にしています。Adobe Community Evangelistであり、PremiereProユーザーグループの代表です。
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