はじめに

映像制作において、撮影ではフレームレートを、録音ではサンプルレートを統一して記録すること。これを撮影・録音する際の基本中の基本だと覚えてください。

まずサンプルレートの違いについて。一般的に言うと、

44,100Hz (44,1kHz) は、音楽業界の標準

48,000Hz (48kHz)は、映像業界の音の標準

二つのサンプルレートの違いは、簡単に言えば、そういうことです。
サンプルレートは、映像で言うところのフレームレート、ということは別の記事『動画制作で必要な音の原則「サンプルレートとビット深度」』で、話しました。
つまり、Hzで表されるサンプルレートは数値が高ければ高いほど音が滑らかになります。

44,100Hzが基準になった歴史的背景は諸説あります。
その中でも一番論理的なものを一つご紹介します。

まず音をサンプリングする時に、録音している中でも最も高い周波数の少なくとも2倍のサンプルレートが必要になります。これは波の形を最低限把握するのに必要なサンプルレートです。サンプルを取る場所が一点だけでは、波としての性格を持つ音を記録出来ないからです。大抵の人は50Hzから16,000Hzが可聴範囲と言われます。これの2倍は32kHzなのですが、ただし、正しく声を録音しようとすると音色を構築している倍音成分を録音する必要があるようです。これを考慮した時に初めて、44,100Hzまで必要になるそうです。さらに詳しい内容についてはコチラから。

音処理「声をハッキリ聞かせたい」(Vookサイト外リンク)

サンプルレートが低いと何が起こるか?
アナログ情報をデジタル化する際に、サンプルレートが高速で無ければ、高周波数の情報が低周波数の中に埋もれてしまいます。
そうすると高い周波数の音は低周波数の音として録音されてしまうのです。具体的に下記のイラストをごらんください。
これをエイリアシング(Aliasing)と呼びます。

参照:Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Aliasing#/media/File:AliasingSines.svg

いずれにせよ、定義的には、48,000Hzの方が44,100Hzと比べて、音質は高いです。映像業界は、48,000Hzを導入しました。

時々起こる問題として、「48kHzで動画撮影をして、別収録のマイクが44.1kHz設定になっていた」というのがあります。最初僕はサンプルレートが違うと大変な問題になるのではと思ったのですが、実はそういうことは無いようです。

少ないサンプルレートで収録した音声は単純に1秒間のサンプリング回数が少ないだけですが、44.1kHzと48kHzではほとんど違いが無いので普段音を聞くぶんにはほとんど違いがわからないのだと思います。96kHzだとさらに高音質ですが一般人には全く聞き取れないほどのサンプリング数だとか。

サンプルレートが実際が問題になるケースもあります。

1)実際に別のサンプリング数で収録した音声を動画ファイルとして書き出す時。今までの44.1kHzや96kHzのサンプルレートと違う動画サンプルレート、つまり48kHzにサンプルレートを変換しないといけないためです。映像編集に特化したソフトウェアなどは、この時点で音の歪みが生まれるそうです。

2)現場で44.1kHzで再生される音楽に合わせて、48kHzでミュージックビデオの動画収録をする時。この場合、再生される音のサンプルレートが違うため、パフォーマンスの唇をポスプロで合わせるのが非常に難しくなる場合があります。シンクドリフトと呼ばれるものだそうです。

3)もう一点これは収録の時点で起こる問題だそうですが、安いレコーダーを使って別収録した音声が映像のリファレンスで収録していた音声とシンクした時に音が徐々にずれていく問題が起こることがあるそうです。こうなると地道にマニュアルで映像を若干早送りにして音声ファイルに合わせるか、音声の要所要所で数フレーム抜いてシンクして作業が必要だそうです。こちらはサンプルレートとは関係無いそうなので誤解を招かないように記載しておきます。

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