VR作品の鑑賞時に押さえておきたい概要とトレンド〜Inter BEE 映像研究所 Day1より〜

2018.11.24 (最終更新日: 2021.08.06)

はじめに

InterBEE2018で行われた『映像研究所 1日目 2018年に見ておくべきVR作品 〜VR作品をたくさん見て学ぼう〜』では、今注目の5つのVR作品を取り上げました。

まだまだ“スタンダード”が定まっていないVRの世界。
だからこそ様々な作品に触れることが重要になるわけですが、この記事では、VR作品5選と合わせて、観賞する上で押さえておきたいVRの概要やトレンドについて、2名の講師にお話しいただいた内容をまとめています。

【講師】
・渡邊 徹氏(全天球映像作家「渡邊課」課長)
・待場 勝利氏(株式会社eje VR推進部 執行役員)

当日の様子はアーカイブ動画でもご覧いただけます。

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実写VRとは?

渡邊氏:複数のレンズのついたカメラで、映像を撮影します。
例えば6個ついているKANDAO Obsidianというカメラ。
魚眼の状態で収録されるんですけれども、それを正距円筒図法という地図の形に直し、地球儀の形に組み直し、ゴーグルで見ていると考えてもらうと分かりやすいと思います。

最近の標準的な解像度でいうと8Kが撮れるようになってきています。
簡易的な小さいカメラだと6Kくらい。
そういった映像をゴーグルで見るのが実写VRの体験です。

VRの機能としての「3要素」

  • Degree: 視野角100°以上
  • Latency: 0.02秒以内のレスポンス
  • Interaction: 視聴者への双方向性

渡邊氏:VRとして体験する時に、(以上の3つが)必要な要素として考えられています。
視野角100度以上というのは、(人間の目の視野角が200度近いので)何か覗いているような感じはあるかもしれないんですが、その中で、ゴーグルを動かした時の映像の追従ですね。

0.02秒以内のレスポンス。振り向いた時に映像がちゃんとついてこれば、「その中にいる」という感覚が醸成されます。
それが下がってくるとVRの酔いにつながってきたりするので、ここはシビアに考えるべきポイントです。
ただ、これはヘッドマウントディスプレイに依存する形になるので、リフレッシュレートの高いもの、例えばPlayStation VRであったり、Oculus Goなど、正しい環境でVRを見ていただくのもおもてなしの1つとして考えるポイントだったりします。

あとはVR映像の中でのインタラクション、双方向性ですね。
実写の映像になってくると、映像の演出の中で双方向性(アイドルに会う、ある場所に行くなど)を作ってあげると、VRの中での体験の醸成につながってくるということがあります。
なので、映像の演出の中で、語りかけたり何かカメラに対してのアクションを入れていくと、よりよいVRになると考えています。

▲ 出てきては消えていったVRのカメラ。

▲ 2018年現在でよく使われるカメラ。中華勢が強く、一体型にシフトしている傾向。

海外映画祭とVR

待場氏:特に大きかったのは、ヴェネツィア国際映画祭が、世界三大映画祭で初めて、VRのコンペティション部門をやったんですね。
それまではショーケースだけ。
ここに30コンテンツが集まって賞が与えられたのですが、コンペティション部門の中には日本の作品は1つもなかったので、来年は1本でも日本から作品を出すことが私の目標です。
コンペティション部門外で、ベストオブVRに日本の『攻殻機動隊』と『結婚指輪物語』の2本が選出されましたが、いずれもCGアニメーション系なので、来年は実写系を日本から出していきたいですね。

まとめ

待場氏:映画祭や作品の中で見てとれるのは、テーマ性
VRをかけるとその世界に飛び込むので、一気にその世界に引き込まれるようなテーマが必要かなと思います。

もう1つはストーリー性
VRとして成立するようなストーリーがあるので、それを映画のストーリーをプロフェッショナルとしているような監督と一緒にやっていくことが重要かなと。

最後は、やはりVRならではの演出が必要かなと。
「VRだから面白いよね」というような作品作りを心掛けていかなければならないかなと思っています。
世界では予算が大きく組まれて色んなVR作品が作られる中で、日本は厳しい状況ですが、そこはアイデアと継続性の力で乗り越えて、日本ならではのVR作品が生まれることを期待したいです。

VRが得意な3つの”S”

渡邊氏:VRには、2Dの映像と違って、3つの得意なことがあります。
3つのSを意識してVRの映像を企画すると、VRならではの体験を提供でき、こういう観点で映像を見ると、更に深い理解にもつながると思います。

当日取り上げた、今注目の5つのVR作品も、ぜひチェックしてください。

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