誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいDaVinci Resolve 15.2の新機能のすべてについて教えましょう

11月14日にDaVinci Resolve 15.2がリリースされました。9月のDaVinci Resolve 15.1以来、2ヶ月ぶりのアップデートです。

今回のアップデートの内容は別にどうってことはありません。新機能もないし、アップデートしてもしなくても大した違いはありません・・・・・・というのはもちろん冗談で、今回もたっぷりとジューシーな新機能が詰まった感謝祭の七面鳥のような豪華なメジャーアップデートです。

DaVinci Resolve 15.1がリリースされてから2ヶ月ほどしか経っていませんが、実はDaVinci Resolve 15.2にはDaVinci Resolve 15.1よりも多くの新機能が含まれています。特にエディットページの進化には目を見張るものがあります。

新機能紹介の動画はこちらをご覧ください。音声は英語ですが、日本語字幕もついています。スピーディーにわかりやすく新機能が紹介されていますので、「ちょっと今忙しくて、5分21秒しか時間ないんだよね」という方はこちらをご覧ください。

日本語のリリースノートはこちらからダウンロードできます。

エディット

タイムラインのフレームレートの向上

いきなりわけがわからないかもしれませんが、これは重要なポイントの一つです。エディットページのタイムラインのUIを思い浮かべてください。これまでのバージョンでは、タイムラインのUIはディスプレイのフレームレートにかかわらず、低いフレームレートで動作していました。60Hzのディスプレイ設定で使っていても、その60fpsの滑らかさは生かせなかったわけです。しかし今回のアップデートで、タイムラインのUIのフレームレートが高いレートで動作するようになりました。このおかげで、タイムラインのクリップの移動、トリム編集、JKLトランスポートといった、あらゆる動作がもっとヌルヌルと、サクサクと、滑らかに動くようになりました。

タイムラインのビジュアルアニメーションに対応

これは上のアップデートの恩恵を受けて実現した機能です。タイムラインが滑らかになったおかげで、細かなアニメーションがつくようになりました。

重複フレームお知らせ機能

上部のプルダウンメニューから、表示→Show Duplicated Framesと選択してみてください。そうすると下の画像のようにタイムラインのクリップの上部に赤や黄色などの様々な色が表示されるかもしれません。これは単一のタイムラインに同じソースクリップが使用されていることを示しています。同じソースクリップというだけではなく、フレームベースで重複を探しているため、同じクリップが使われていても全てが重複していない場合には、ちゃんと重複している箇所のみが表示されます。

インスペクタの表示がプレイヘッドと連動

これまではクリップを明示的に選択しない限り、インスペクタでそのクリップを操作することはできませんでした。このバージョンからは、クリップを選択しなくても、プレイヘッドがそのクリップの上に置いてあれば、すぐにインスペクタでそのクリップを操作できます。ただしタイムライン上のどこかのクリップがすでに選択されている場合には、その選択が優先されます。

オーバーレイ表示もプレイヘッドと連動

これは上の項目と同じようなことです。どこのクリップも選択されていなければ、プレイヘッドと合わせて「変形」などのオーバーレイコントロールの対象クリップが変化します。

タイムラインの整理整頓機能

これは完全に新しい機能です。タイムラインの中で使われていない無駄なクリップを見つけて、そのクリップを削除したり無効化したり色を変えたりすることができます。

  • Flatten Unused Clips→削除
  • Disable Unused Clips→無効化
  • Change Unused Clips Color→色を変える

例で示すとわかりやすいかもしれません。下の画像のタイムラインでは、同じ箇所に2つのクリップが重なって置かれていますが、下のクリップは何も使用されていません。このタイムラインの中では何も意味をなさない、なくてもいいクリップです。Flatten Unused Clipsを使用すると、DaVinci Resolveが自動的にそのような不要なクリップを検出して、それらを削除してくれます。いきなり削除されるのが困るという場合には、Disable Unused ClipsやChange Unused Clips Colorを使ってみるのもいいでしょう。

タイムコードの打ち込みがより柔軟に

例えば01000000と打ち込むと、01:00:00:00に移動する。+100と打ち込むと、プレイヘッドが1秒先に行く。現在位置が01:10:10:10の状態で、3000と打ち込むと、01:10:30:00に移動する。こういう便利な機能は前から存在していました。しかし問題はこの機能がソースクリップ(ソースビューワー)やタイムライン上(タイムラインビューワー)でしか使用できなかったことでした。今回のバージョンからは、これがいたるところで使えるようになっています。

クリップ属性でも・・・・・・

マーカーダイアログでも・・・・・・

新規タイムラインを作成するときでも・・・・・・

クリップの長さを変えるときでも。

オーディオトランジションをサブフレームレベルで調整

オーディオトランジションがフレーム単位よりもさらに細かく調整できるようになりました。

右クリックからイーズイン・イーズアウトを選択可能に

より手軽に右クリックでイーズイン・イーズアウトを選択できるようになったのは、インスペクタとキーフレームエディターです。

プレイヘッドを移動中にスナップの有効化/無効化が可能に

これは地味にありがたい機能です。プレイヘッドを動かしているときに、スナップ(磁石のマーク)が効いてしまって、プレイヘッドが勝手に編集点に引っ張られてしまったことは誰もが経験があると思います。編集点の数フレーム前にプレイヘッドを持って行きたいのに、プレイヘッドが勝手に動いてしまう、というやつです。このバージョンからは、こういうときに「N」キーを押してあげれば、すぐにスナップを無効化できます。逆にスナップをプレイヘッドを移動している間だけ有効化することもできます。このスナップの有効化/無効化はプレイヘッドを移動している間だけの一時的なもので、プレイヘッドを止めると元の設定に戻ります。

タイムラインで使用しているクリップを表示

現在のタイムラインで使用されているクリップが、メディアプールで簡単に表示できるようになりました。タイムラインで使用されている尺の部分は、メディアプールのサムネイルで赤い横線で表示されます。

しかもクリップを右クリックすれば、Usageという項目から、タイムラインの該当箇所にジャンプすることもできます。

タイムラインをソースビューワーに表示

メディアプールでタイムラインクリップを選び、それをドラッグ&ドロップでソースビューワーに持ち込むと、タイムラインをソースビューワーで確認できます。Xを押すと、今見ているクリップの部分にイン点、アウト点を打つことができ、それをそのまま現在のタイムラインにインポートできます。

字幕の文字数制限

字幕をつけるときには文字数に注意しなくてはいけません。あまりに画面に文字が多いと一度に読みきれないからです。プロジェクト設定の字幕の項目で文字数を設定してあげれば、エディットページの字幕のセクションで文字数を超過した箇所が赤くなります。

History

Historyという項目からエディットページの作業の履歴が簡単に見られるようになりました。ここに表示されるのは最大で20項目までですが、Open History Windowという箇所をクリックすると、履歴ダイアログが出てきて、DaVinci Resolveを立ち上げた段階から現時点までの履歴を追うことができます。「DaVinci Resolveを立ち上げた段階」といっても、もちろんda Vinci Systems社がDaVinci Resolveの開発を開始した2004年まで時間をさかのぼれるわけではなくて(さかのぼれたら楽しいんですけどね)、あなたがDaVinci Resolveを最後に起動した段階から現時点までのエディットページの作業履歴を一望することができるわけです。

カラー

ResolveFX Beauty

今回のアップデートではResolveFXが4つ追加されていますが、その中でも一番注目したいのはBeautyです。いわゆるビューティールックが誰でも簡単に作れちゃいます。たとえばDiffuse Lighting(光を散らせる)というパラメーターを動かすと、

これが

こうなります。

驚くほど簡単です。

ResolveFX Blanking Fill

『オレたちひょうきん族』とか、『8時だョ!全員集合』とか、『夢であいましょう』とか、懐かし映像を紹介するテレビ番組を見ていると、4:3のアスペクトのSD映像を16:9のHD放送に載せているために、左右にブランキング部分が生じていることがあります。そこで活躍するのがこのブランキングエフェクトです。自然な形でSD素材をHDや4Kのタイムラインで使用することができます。しかし例が古いな。

カラーマッチの性能向上

カラーチャートを使用したカラーマッチの性能が向上しました。どのくらい向上したか? 試してみてください。

ResolveFX カラースペース変換

ResolveFXのひとつ、「カラースペース変換」の効果が、LUTを作成時に反映されるようになりました。

Dolby VisionのXMLメタデータ

Dolby VisionのXMLメタデータがインポートできるようになりました。

Canon RAWとPanasonic RAWのパネル対応

Canon RAWとPanasonic RAWのカメラRAWパラメーターがDaVinci Resolve Mini Panel、DaVinci Resolve Advanced Panelで操作できるようになりました。

Fairlight

FairlightFX Multiband Compressor

パワフルなオーディオエフェクトが2つ加わりました。1つめはマルチバンドコンプレッサー。周波数に応じてコンプレッサーをかけることができます。再生している音声の波形もリアルタイムで描画されるので、視覚的にわかりやすく音声を調整することができます。音楽のミキシングにも使えます。

FairlightFX Stereo Fixer

ステレオ音声の収録をした際に、片方のチャンネルがもう片方のチャンネルよりも異常に音声が大きくなったことはありませんか? その場合、このツールを使えば簡単に様々な方法でその音声を改善することができます。これはいいですよ。

  • Stereo→ステレオのまま
  • Reverse Stereo→左右を逆転
  • Mono→左右をミックスしてモノに変換
  • Left Only→左だけ残してモノに変換
  • Right Only→右だけ残してモノに変換
  • Mid-Side→より広がりのある音声に変換

テストトーンジェネレーター

DaVinci Resolveではテストトーン付きのカラーバーは作成できない? そんなことはありません。以前はテストトーンの作成にはオシレーターを使っていましたが、それがよりわかりやすく、テストトーンジェネレーターという機能に名前を変えました。上のFairlightのプルダウンメニューからアクセスできます。オーディオノイズも生成できます(「何のために?」とは聞かないでください)。

タイムコード入力

エディットページでも触れましたが、Fairlightページでもタイムコードが簡単に使えるようになりました。直接打ち込めばすぐに認識されます。

オーディオディレイ

UltraStudioなどのビデオ出力製品を使用した際に、オーディオディレイをかけることができます。ハードウェアが認識され、選択されていればこのようにミリ秒単位でディレイが調整できます。

ディム、ミュート

ディムとミュートの機能にFairlightのプルダウンメニューからアクセスできるようになりました。

Fairlightコンソール、パネルに対応

一部界隈では熱烈に待ち望まれてたFairlightの新しいコンソールとパネルがこのバージョンから正式対応するようになりました。Inter BEEでも展示してました。

コーデック関連

H.264、H.265の爆速エンコード

H.264、H.265のエンコーディングをする際に、NVIDIA GPU(Windows、Linux)やIntel Quick Sync(Windows)のハードウェアアクセラレーションが使えるようになりました。H.265(HEVC)の4K映像だって、NVIDIAのGPUのハードウェアアクセラレーションを使えば、これまでよりも高速で書き出しができます。

Long GOP XAVC書き出し

これまでもXAVCの書き出しには対応しておりましたが、今回のアップデートでLong GOPという種類のXAVCの書き出しに対応しました。XAVC Long GOP 200という、今後テレビ業界で主流となるとされているコーデックにも対応しております。

Canon RAW

Canon C700の.rmf Canon RAWのディベイヤーにCanon純正のディベイヤーが使われるようになりました。これにより最高の映像品質が保証されます。

パナソニック8Kコーデック

パナソニックのSHVコーデックの読み込みに対応しました。

LinuxでのeasyDCP対応

LinuxでeasyDCPのコーデックに対応しました。

その他

キーボードショートカット

キーボードショートカットのカスタマイズ専用の新しいツールが追加されました。ショートカットを探したり、追加したり、変更したりすることができます。これまではショートカットとして登録できるのは、上部のプルダウンメニューの項目のみでしたが、今回のアップデートでは、様々な箇所を右クリックした際に表示されるメニューもショートカットに登録できるようになっています。

フォーカスが当たっているセクションを示す赤線

現在使用しているセクションの上部に、薄い赤線が表示されるようになりました。フォーカスが当たっている箇所を確認できます。

キーワード辞典

これも新しいツールです。 ワークスペースのプルダウンメニューから、Keyword Dictionaryというツールにアクセスできます。メタデータのキーワードの箇所に文字を打ち込むと、予測変換で様々なワードが表示されますが、そこに表示される項目を自分で自由に管理することができます。

最後に

アップデートは無償ですか?

DaVinci Resovle 15.2へのアップデートは過去のすべてのアップデートと同じようにもちろん無償です。タダです。無償版をご利用の方も、有償版をご利用の方も、とりあえず今やっていることを後回しにして、すぐにアップデートをお勧めします。

追加して欲しい機能があるのですが。

ブラックマジックデザインではいつでも新機能のリクエストを承っています。未来のバージョンアップで搭載されるかは約束できませんが、もしかしたらもしかするかもしれませんので、ぜひ素敵なアイディアがありましたらサポートセンターまでご連絡ください。

もうDaVinci Resolve 15.2.1が出てますね。

はい、DaVinci Resolveの開発スピードがあまりにも速くて、この記事を書いている間にもう次のバージョンが出てしまいました。DaVinci Resolve 15.2.1はバグフィクス用のアップデートです。新機能はありません。でも安定性が向上し、不具合が出にくくなっています。今すぐアップデートするなら、DaVinci Resolve 15.2でなくDaVinci Resolve 15.2.1、もしくは未来のあなたがこのページを見ているときの最新のバージョンへアップデートすることをお勧めします。

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