はじめに

10/15にBlackmagic Pocket Cinema Camera 4K(以下、BMPCC4K)が届いてから実際の撮影現場に3回投入し、先日はテストシューティングをしてきたので、現時点(12/4)でのレビューを書いてみたいと思います。

僕は2013年末に初代Blackmagic Cinema Camera MFT(以下、BMCC)を購入してからBlackmagic一筋です。PanasonicやSonyのカメラをほとんど使用したことがないので比較ができず、Blackmagic愛に溢れたかなり偏った内容になっているかもしれませんので、ご理解くださいませ。

歴代の使用カメラ

BMCCで最初にRAW撮影をした時は、それまで使っていた5Dとは別次元の解像感とダイナミックレンジに圧倒されて、以後5Dの出番が全くなくなりました。当時はまだDaVinci Resolveのバージョンも9か10だったように記憶しています。

▼最初に購入したRAWカメラ、BMCC

2014年当時、個人が購入できる価格帯のカメラで、内部RAW収録ができる唯一の存在だったので、現場に持っていくだけで話題になったり、納品した映像のクオリティにびっくりされたりしました。BMCCとDaVinciに出会わなかったら、その後もずっと映像の仕事をしていたか分かりません。

次に購入したのはURSA Mini 4.6K EF(以下、URSA)です。映像の先輩が使っていたREDでのスローモーション表現に憧れていたのですが、URSAの登場でついに4K解像度以上でのハイスピード撮影が実現した瞬間でした。

▼2台目に購入したURSA

URSAはRAW4.6Kでの60fpsカメラ内部収録だけではなく、画質、操作性、機能面のすべてにおいて進化した素晴らしいカメラでした。BMCCの時に必須だったリグも必要なく、箱から出してすぐに撮影に行けるパッケージに感動しました。こんなカメラずっと待ってたよ、という内容が実現していました。
もちろん今でもメインカメラで、BMPCC4Kはどちらかと言うとサブカメラやジンバル専用機という位置づけで考えていました。

Blackmagic一筋の僕としてはBMPCC4Kを購入しないはずがありません。発表の瞬間に予約を入れました。バックオーダーが多いらしいのでまだ到着待ちの方も多いと思いますが、期待を裏切らないカメラです。楽しみに待つ価値が十分にあります。

開封してみました

Blackmagic製品はいつも箱が格好いいです。今回はこんな箱でした。


シュリンク包装を外して箱を開けた状態です。“Welcome”の文字に気分も上がります。


バッテリーや電源ケーブル、ソフトウェアカードなどが格納されている中蓋を外すと本体が現れます。やっと会えました。緩衝材は発泡スチロールではなく、プラスチックのようです。エコな感じがします。

パッケージ内容をすべて並べてみました。このカメラからDaVinciのドングルがなくなってアクティベーションキーになりました。MacBook Proなどでの運用も楽になりました。DaVinciはもちろん正規版がバンドルされてます。(この写真の撮影時にバッテリーは本体に入れました)

カメラ本体の写真です。スチールカメラ寄りのデザインは個人的に好きです。とてもホールドしやすいグリップです。放熱スリットの造形がガンダム世代にはたまりません。


背面にはURSAと同じ5インチのLCDがあります。よくこのボディサイズに5インチのモニターを搭載してきたと思います。設計者の方あっぱれです!
とても見やすく、基本的に外付けモニターは必要ありません。晴れた屋外の撮影でも輝度を100%にして問題なく撮影できました。

バッテリー関係の注意点

バッテリーカバーは5Dと同じような形状で開閉をしますが、ツメの強度が弱そうなので、閉じる時はカバーを押してパチンと閉じないで、開ける時と同じようにツメを押し下げて優しく閉じてあげてください。決してウィークポイントではありません。そういう子なんです。

バッテリーはLP-E6互換のものが1個付属してきますが、実はキヤノン純正のチャージャーLC-E6では充電ができません。

キヤノン純正のLP-E6(現行はLP-E6N)とは端子が微妙に違うらしく、付属のバッテリーを充電する場合はバッテリーをカメラ本体に入れて付属の電源ケーブルで充電することになりますが、現実的ではありません。

僕はBMCC時代に外部給電としてキヤノン純正のLP-E6を16個くらい購入していたので、BMCC時代と同じように電源タップにLC-E6を4個繋げて充電していますが、これからバッテリーを買い揃える場合、キヤノン純正のLP-E6Nで揃えるか、Blackmagicが販売している互換バッテリーで揃えるかによってチャージャーが変わってきます。

互換バッテリーを使用する場合のチャージャーは2ch同時のIDXのLC-2Aが良いようです。

個人的にはキヤノン純正のLP-E6Nか、ロワジャパンが販売している純正互換のバッテリーをオススメします。残量表示のパーセンテージ表示が可能だからです。バッテリー残量が20%以下になるとバッテリーアイコンが赤くなりますが、その時にパーセンテージ表示があるのとないのとでは、だいぶ安心感が違います。

ちょうど1本1,450円(税込)で安かったのでロワジャパンの純正互換のバッテリーを5本買ってみました。5本買ってもキヤノン純正LP-E6Nの1本の値段です。テストしてみたところ、ちゃんとパーセンテージ表示され、40分は持つことが判明したのでキヤノン純正と遜色ないと思われます。残量20%で赤い表示になってから結構撮れるのと、ちゃんと0%になってから電源が切れるので安心感があります。

ファームウェアについて

現在(12/4時点)のBlackmagic Camera Setupの最新バージョンは6.0ですが、このバージョンはBMPCC4Kを認識しません。

焦ってUSB-Cケーブルを何種類も購入して試してしまったのですが、BMPCC4Kを認識するファームウェアは5.2だそうで、ダウングレードしたら無事認識されました。

BMCCもURSAもそうなのですが、カメラに設定した時刻が時間が経つと遅れてきます。なので、撮影前夜にMacとカメラを繋いでCamera Setupを起動し、Macと時刻の同期を取るのですが、BMPCC4Kは現在のところ時刻の同期が取れません。BMDのK氏によると次のファームで修正されるようです。

レンズを装着してみる

やっとレンズを着けてみました。URSAではZEISS Milvusシリーズを愛用していますが、BMPCC4Kではマイクロフォーサーズマウントなのと、ボディとのバランスを考えて、コシナのフォクトレンダー NOKTONを選びました。

▼フォクトレンダー NOKTON 25mm F0.95 Type IIを装着

NOKTONは10.5mm、17.5mm、25mm、42.5mmの4本の展開ですが、すべてF0.95という驚異の明るさです。BMPCC4Kで使用する場合、1.9倍のクロップファクターなので、以下の焦点距離になります。(35mm換算)

10.5mm > 19.95mm
17.5mm > 33.25mm
25mm > 47.5mm
42.5mm > 80.75mm

いずれのレンズも、とてもボケ味の美しい柔らかい描写で雰囲気を演出できます。

現在編集中のテストシューティングのデータを参考までにアップしたいと思います。今回モデルをお願いしたのはフードディレクターとして活躍されている白井絵美さんです。以前製作したプロモーション映像でキャスト役をしていただいてからのご縁で、今回もお願いしました。とても美しい素敵な女性です。

BMPCC4KのRAW3:1データからの切り出しなので、文字通りシーンの1コマです。グレーディング時はRec.709で作業していますが、Web用にsRGBに変換しています。

フォクトレンダーのデクリック機能のおかげで無断階になめらかに絞りのコントロールができます。とても柔らかい描写ですが、回転角の大きいなめらかなフォーカスリングのおかげでフォーカスがしやすく、きっちり決まります。フォーカスが合ったシャープな部分とボケた部分の差が大きい開放付近では、まるで3Dのような立体感があります。

モデル:白井絵美(フードディレクター)

▼Voigtländer NOKTON 25mm F0.95 Type II

▼Voigtländer NOKTON 42.5mm F0.95

▼Voigtländer NOKTON 10.5mm F0.95

テストシューティングでは、全シーンBMPCC4KをRONIN-Sに搭載して撮影したのですが、35mm換算で47.5mmになる25mmが予想外に距離感がつかみやすかったです。ジンバルシーンとなると絞った広角の絵が多くなりがちですが、あまり好きではないので、なるべく絞りを開けて立体感を出したいと思っていますが、まだまだ練習が必要です。

42.5mmはBMPCC4Kだとちょうど80mmくらいで、ポートレートレンズとして使えます。フォクトレンダー4本ともそうなんですが、最短撮影距離が0.15m〜0.23mとマクロレンズ並に被写体に寄れます。映像では42.5mmを使ってモデルさんの顔をエクストラクローズアップで撮影したシーンもあります。ちょっとドキッとする描写です。

10.5mmの迫力の描写は思わず唸ってしまうほどでした。今後多様する予感がします。

ロケにはNOKTONシリーズ4本をすべて持って行ったのですが、17.5mmを試すのをうっかり忘れてしまいました。また別の機会にレビューしたいと思います。

BMPCC4Kにどのレンズを使うか、これも考えると楽しくなってくると思います。選択肢の一つとしてコシナのフォクトレンダー NOKTON、オススメです。

カメラの機能について

撮影ではURSAでも使用しているCFast2.0カードの256GBをそのまま使用しました。RAW3:1の24Pで35分撮影できます。60Pだと14分です。

結構60Pを多用するのですが、URSAの時は60P用のプリセットを保存しておいて、その都度呼び出していたのですが、BMPCC4Kはさらに便利で、24Pで撮影中に本体の「HFR」ボタンを押すだけです。プリセットを作っておく必要すらありません。

手持ちで撮影している時に便利だったのが「ISO感度」、「シャッター開角度」、「ホワイトバランス」に関しては右手グリップにボタンがあるので、手持ち撮影中に右手でグリップを掴んだままボタンとダイヤルの操作をすれば良く、タッチスクリーンを触らずに変更ができます。

5インチのLCDは色々な情報をオンスクリーンにしても見やすいです。DCI4Kでの納品が多いため2.39:1のフレームガイドと、構図にこだわるため3x3のグリッドを表示しています。
LCDの表示にムラがあるのは、よせばいいのに写真にもLUTを当ててしまっているせいです。肉眼では問題ありません。

URSAと同様に画面は拡大でき、その位置も変えられます。URSAではダブルタップでしたが、BMPCC4Kは拡大ボタンがあるのでさらに使いやすくなりました。「HFR」ボタンの下の虫眼鏡のアイコンがそれです。

電源スイッチ横の「FUNCTION」ボタンも便利です。僕は以下のように変更しています。

F1:フォルス・カラー
F2:フレームガイド
F3:フォーカス・ピーキング

デュアルネイティブISO感度について

URSAにも搭載されていなかったデュアルネイティブISOですが、撮影前に考え方を頭に入れて置くことをオススメします。
RAWで撮影する場合ですが、下記のように覚えました。

・ISO100〜1000で撮影した場合は、DaVinciで感度を100〜1000の間で変更が可能
・ISO1250〜6400で撮影した場合は、DaVinciで感度を1250〜6400の間で変更が可能
・ISO1000よりも1250のほうがノイズが少ない

これに加えて、

ISO100〜1000のベース感度は400
ISO1250〜6400のベース感度は3200

ということなので、400、1250,3200という数字を頭に入れておけば良さそうです。実際どういうことかと言うと、DaVinciの画面だと分かりやすいです。

▼ベース感度400の範囲で撮影した場合、ISOは100〜1000まで変更可能

▼ベース感度3200の範囲で撮影した場合、ISOは1250〜6400まで変更可能

BMPCC4KはISOの感度の上限が25600までありますが、さすがにノイズが多いので使うことはなさそうなのと、ISO8000〜25600に関してはDaVinciでの変更ができないので、6400までが常用感度となりそうです。

その他の情報はオフィシャルなマニュアルをご覧ください。日本版が公開されています。
https://drive.google.com/file/d/1ElmX_U710COYigdATFzWxjEeDPlWqOZW/view?usp=sharing

まとめ

全3回予定の記事の初回で既に結論が出てしまいそうですが、僕としてはBMPCC4Kは非常にオススメで大変満足しています。
そう結論づけられる背景として、長らくURSAのサブカメラとなり得るカメラを探していて、4K8bit〜10bitカメラを何台か検証したこともあるのですが、URSAとの差があり過ぎて、とても使う気になれませんでした。BMPCC4KはURSAよりもダイナミックレンジと解像感で少し劣りますが、同じタイムラインに並べて編集するのに遜色ないクオリティの映像を吐き出してくれます。

僕にとってBMPCC4Kはサブカメラ的な位置づけではありますが、フットワークが求められる現場ではメインカメラとして十分通用しますし、リグを組んで外付けのSSDや大容量バッテリーが加わればたちまちメインカメラとして使えます。使う人の様々なシチュエーションに合わせて、いかようにでも対応できる極めてポテンシャルの高いカメラだと思います。
撮影中のLCDを確認したり、グレーディング中の綺麗な映像を見るたびにワクワクするカメラです。

長くなりましたが、今回はこの辺にして、次回はBMPCC4KをRONIN-Sで運用する場合について書いてみたいと思います。



17クリップする
クリップしておくと
あとからいつでも
見返したりできます。

コメント

  • まだコメントはありません