はじめに
こちらのセッションはInterBEE2018で行われた『映像研究所 2日目 Adobe User Group』の際、山本 輔氏によりプレゼンテーションされたものになります。
アーカイブは以下の動画の45分ごろからをご覧ください。
今回は技術的なことではなく、箸休め的な内容です。
講師
かれこれ20年映像に携わっています。
今はこんなことをやっています。
先生からラジオパーソナリティ、オペラ歌手にVJとお祭りまでと幅広くやっています。
Premiere使いとしてこれからはこのように広くやることが生き延びる唯一の道ではないかなぁと。
Premiereって最強のツール
Premiereを使えるということは、映像編集の基礎だと思うのですが、いろいろなことができるようになってきています。
これらって結局、人を喜ばせたいとかいいものを作りたいという思いから始まってるんですよね。
個人の作家性や作りたいものをどんどん作れるという面で、Premiereって最強のツールだと思うんですよ。
そんな中で、資本主義というところに触れていくと、
どうしてもお客さんからお仕事をいただいて仕事をします。
お客さんの作りたいものを、音楽などや構図・色を使ってというように僕らはものを作っていく、というお仕事をさせていただいている。
そんな中で、資本主義のベースになるものって、いろいろな人を集めてくるという労働集約型産業だと思います。
でもこれはPremiere使いとは相容れないと思うんですよ。
例えば「ねこふんじゃった」弾ける人を100人集めてもショパンは弾けないじゃないですか。
なので、Premiereのテロップ打ち込める人100人集めたって、最高の映像は作れないわけです。
どうしたって、個人のできることのベースをどんどん上げていかないと、資本主義の中で生きていくことはできないと僕は思っています。
ギリシャ時代に戻っていくと思う
話は飛びますが、これからAIが出てきて、いろんなことが自動化されていく社会になった時に、僕は結局ギリシャ時代に戻っていくと思うんですよ。
というのも、誰でも簡単にものを作れるものであったりとか、人を集めてものを作るっていう仕事って、どんどんAIに置き換わっていきますし、その後は映像そのものをどう作ればいいかっていうのがテンプレ化して、映像を入れるとぽこっと編集ができたものが出てくるようになると思います。
そうすると、僕らはやることがなくなっていく。それはある意味幸せなことで、お客さんのための編集ではなく、友達や大切な人のために編集にシフトしていきたいと僕は思っている。
つまり、ギリシャ時代は奴隷だった部分を現代ではAIに置き換えて、我々は貴族のように演劇を見て、オペラを見て、ワインを飲んでというところへ戻っていって、映像編集者も演劇を見て、オペラを見て、ワインを飲んで、素敵な映像を作る、そういう時代になっていくと思うし、僕自身なって欲しいと思っています。
僕らは労働者じゃないんだっていうところが僕の根っこにあるんです。
何のためにPrmeiereを使っているのか
なので、僕らは、人を感動させるために映像を作っているわけで、そのプロセスで、商品を売るであったり、企業価値を高めるであったり、プロモーションであったりというものがあります。
でもその根っこは、人を感動させたい、喜ばせたい、でありますし、そのために僕らはPremiereを使っているんだよ、ということを僕は根っこに思っています。
商品販売やマーケティングの仕事をしたくないみたいなスライドですが、そんなことないですからね(笑)お仕事ください(笑)
AIが最適解を作っていく、そんな時代にどんどんなっていくと思います。
それ自体が何を表しているかというと、工数計算であったりとか、いわゆる人工で考える、1工数いくらというお仕事の仕方を今はしなければいけないと思うんですけど、多分そういうものを全部瓦解すると思っています。
要は、ものを作るってことが、人を集めて、ワンパッケージにしてこれを作りますってこと自体が、どんどん壊れてしまうんではないかなと。
結局は、誰かにプレゼントをしたい・贈り物をしたい、その映像を作って届ける、そうすると「わぁ嬉しい、私ためにやってくれたんだ」と。
逆にその人からも、その人の持ってるスキルで何かを届ける、それが農業の人もいるし、家を建てる人もいる。
もともとそういうのはやり取りができる時代ではなかったので、バラバラにお仕事が生み出されていたんですけれど、インターネットで社会が全部繋がってしまった時に、また、「僕は映像を作れます」「僕は家を作れます」「僕はお米を作れます」みたいな人が直接やり取りができるような時代になってきた時に、「映像を大好きな人に送ります」、「僕はお米を送ります」もう一回それができる時代が来ると思っていて、いわゆる贈与経済っていうものに戻っていくと思うんですよね。
その中でPremiereを使うってことって意味ってすごく大事だと思っていて、さっきの話につながります。
人を喜ばせるツールであるPremiereを使えるということは、贈与経済の中で最高のツールになると思っています。
こういうことをやっていますよってどんどん発信をしていくこと
それゆえに、技術を持ってPremiereを使えますよってこと、それから僕はこういうことができますよ、そして、人を喜ばせることが好きですよ、こういうことをやっていますよってどんどん発信をしていくこと、この二つがしっかり組み合わさっていくと、僕は生涯生きていけるんじゃないかなぁと思って、自分の身体を持って実験しているところなんですね。
先生をやってオペラをやってVJをやって、でも元は映像編集者で、これがしっかりクロスアップした時に生きていけるんじゃないかなと。
生きていけなくて来年ここにいなかったらごめんなさい(笑)なんですけど、まぁまぁ生きていけるんじゃないかなというところが、僕の思いで、技術があって、おもてなしの精神があり、そして教養という部分は自信はないですけど、しっかりとした根っこがあり、というところがしっかりあれば、多分生きていける時代、そうでなくては生きていけない時代が来るんじゃないかなぁと僕は思っています。
Premiere使いは資本主義的労働価値を超越することができる
というわけで結論ですけど、資本主義が壊れてもPremiere使いだけは生き残るだろうと、いう風に思っています。
多分ここにいる人たちは肌感でそれを感じてると思うので、是非みなさんで一緒に21世紀を乗り切っていきましょうというお話でした。
ご静聴ありがとうございました。
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Vook編集部@Vook_editor
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