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[Premiere Pro]第9世代のcore i9は今までと何が違うのかプレミアユーザー視点で検証してみた。再生とエフェクト、レンダリング篇

2018.12.28 (最終更新日: 2021.04.20)

第9世代Core i9はPremiereProに相性が良いかもしれない


皆さんこんにちは!自分は映像編集でいつも思うのが「最適なマシンスペックとは何かな?」と考えることが多いです。優先順位として何を選べばいいか。例えば以下のような項目です。
* メインメモリ
* グラフィックカード
* CPUのクロック
* ストレージのスピード
で、もちろん全てが最上位であればいいのでしょうけどなかなかコスト的にそうもいかないなと。自分はPremiereProユーザーなのですがMarcuryPlaybackEngine=GPU優先!というだけではないのです。GPUに振り分けられる処理はもちろんGPUの恩恵は受けられるのですがそうではない処理はCPU演算を行いますし、大きなデータを扱う場合はメインメモリの容量が大きくないとメモリ不足に陥ってしまう事もあります。

そんな中、今回はインテル様にご協力いただき、最新のCPUチップセット第9世代のcore i9でどのくらいのパフォーマンスが出るのか検証してみました。検証を行うにあたり今回は単純なベンチマークはしない。Premiere Proでどう結果が変わるのかを念頭に検証してみました。是非参考にしていただければと思います。早速やってみましょう。

今回検証したスペック

CPU : Intel(R)Core(TM)i9-9900K CPU @ 3.60GHz

メインメモリ : 32.0GB

グラフィックカード : NVIDIA GeForce RTX 2080

OS : Windows 10 Windows 10 Pro

編集ソフト : Adobe Premiere Pro (13.0.2)
レンダラー : CUDA

検証に使った素材

フレームサイズ : 4096x2160p60(60.00fps)

コーデック : cineform

音声 : 1ステレオ

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『 検証1 』V1のみでコマ落ちチェック(フル画質)

素材に合わせてシーケンスを再生した場合に単純にコマ落ちが起きるかのテスト。再生画質はもちろん「フル画質」に固定しています。

結果 :
基本的にコマ落ちなしで再生。CPUもフルパワー使うわけでもありませんでした。ただ、メモリの使い方で2フレぐらい落ちることがありました。これはPremiere Pro側の挙動な気がしますね。環境設定のメモリをパフォーマンス優先、メモリ優先にかえても基本結果変わらずです。CC2019よりPremiere Proは4Kの推奨が32GBとなります。今回は4K60pなので少しメモリが足りないかもしれませんね。4K60p以上の方は64GB以上をお勧めします。HD編集の場合は基本的に16GBのメモリで問題ないと思います。

『 検証2 』V1の上にV2を乗せコマ落ちチェック(フル画質)

次はV1の上にV2でPinPでのせてコマ落ちが起こるかチェックしてみました。

結果 :
基本的にコマ落ちなしで再生。CPUは1ストリームに比べ10%使用量が増加しています(57%)。GPUも使用量が上がっていますね。過去のバージョンだとリサイズ処理はもっとGPUを使うと認識していましたがCPUとGPUをうまく使っているような気がします。

『 検証3 』クリップの速度を200%に変更(フル画質)

次はV1上のクリップの速度を200%にしてコマ落ちが起こるのかを検証してみました。

結果 :
基本的にコマ落ちなしで再生。CPUは1ストリームに比べ若干使用量が増加していますがコマ落ちはないですね。今回はフレームサンプリングで試しています。逆再生をつけてもコマ落ちはおきませんでした。この処理は基本的にGPUは変わらなかったのでCPUを多く使っていると考えられます。コア数とクロック数が高いと差が大きく出そうです。

『 検証4 』テロップを重ねて再生した(フル画質)

次はV1上のクリップの上にグラフィックスタイトルを乗せてコマ落ちが発生するかです

結果 :
基本的にコマ落ちなしで再生。CPUもGPUも50%近くまで使っていますがコマ落ちは発生しませんでした。テロップに簡単なスライドインのキーフレームをつけてみましたがそこはコマ落ちが発生しました。笑ただ、コマ落ち数は少なかったのは少し驚きです。もちろんきちんとレンダリングすればコマ落ちはしません^^

『 検証5 』調整レイヤーLumetriカラーを適用して再生(フル画質)

今度は複数クリップのカラコレ用にV2に調整レイヤーを配置しLumetriカラーを適用してみました

結果 :
基本的にコマ落ちなしで再生。GPUも80%超えているのが驚きました。しっかりGPU使ってますね。とはいえCPUも50%近くまで使っているのは見過ごせませんね。

『 検証6 』テロップを重ねた部分をレンダリング

テロップを乗せた場合のレンダリング時間を測ってみました。素材尺1分27秒

結果 :
1分28秒。ほぼ実時間のレンダリングスピードでした。これであればこまめにレンダリングするという選択肢もありだな感じますね。また、基本レンダリングはCPUを100%使い切っていました。この辺りにも9900Kの恩恵はありそうです。

『 検証7 』ワープスタビライザー

揺れの多い部分にワープスタビライザーを適用

結果 :
正直CPUもGPUも使っていないです。ん?最適化されていないのかな?これはPremiere Pro側の仕様の問題ですね。特にこのエフェクトでは恩恵は感じられませんね。

『 検証8 』クロスディゾルブ(フル画質)

クリップ間をクロスディゾルブ120Fで繋ぐ

結果 :
120Fだとコマ落ちせず。ただ、7秒など大きくかけるとコマ落ちを50コマくらいしていたので長時間かける場合は注意。ただ、この検証結果はフル画質の場合で1/2の場合は7秒でもコマ落ちせず。

『 検証9 』マスクトラッキング

マスク処理した部分をトラッキング

結果 :
CPUもGPUもあまり使われていない。この機能に関してはあまりマシンパワーは最大限使われないようです。ただ、メモリは80%以上使われているので16GBだと厳しそうです。

『 検証10 』プロキシファイルの作成

4k60pを1280x720のcineformに変換した場合の処理(素材がDCIなので上下黒みが今回は追加されている)

結果 :
CPUは100%使われている。そのためクロック数が高いと恩恵があるという実感がある。リサイズ処理としてGPUも使っているのでそこまで遅い印象もない。前のバージョンのPremiere Proはプロキシ作成時にCPUをフルには使わなかったが現行のバージョンでは100%使うのでわざわざMedia Encoderに飛ばす必要もないだろうと思う。念の為H.264でも試したがあまり変わらずCPUは100%使っていた。なぜかハードウェアエンコーディングではなくソフトウェアエンコーディングになっていたのが気になった。どちらにしてもCPUは100%使うように変更されている様子。

このようにGPUだけでなくPremiere Proは最新のCPU世代にすることで圧倒的なパフォーマンスを発揮することがわかりました。4k60pが走るというのは非常に衝撃ですね。5年くらい前のPCと比較しても価格が低コストになっているのに性能は据え置き以上というのは大きな結果です。

今後も検証結果を増やしていきたいと思います。乞うご期待です^^

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yamadai

ヤマダイ @ymrun_jp@yamadai

映像講師。 2017年11月よりAdobe Community Evangelist。 Premeire Pro/After Effectsなどを触る生活。 日々モーションを考えるサイトを運営 https://everydayskillshare.jp...

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