2019.01.16 (最終更新日: 2020.04.10)

映画っぽい字幕のつけ方2 ~表示位置、フォント~

はじめに

前回の記事では、映画っぽい字幕のつけ方として、文字数、句読点、文字量についてお話ししました。
今回は、字幕の表示位置とフォントについて見ていきたいと思います。

~◆~ ぜひ、以下の記事も合わせてご覧ください。~◆~

どこに何を表示すべきか?

日本語字幕の表示位置の優先順位は、①横下、②縦右、③縦左、④横上です。
基本は横下に中央揃え、もしくは行頭揃えで表示しますが、映像に焼き付いているキャプションや、映像内に映っている看板などの文字情報と被る場合は、字幕を縦右や縦左に行頭揃えで表示します。
横上はめったにありません。

バリアフリー字幕(聴覚障害の方のため、日本語の作品につける日本語字幕)では、話者が画面にアップで映っている場合、口元に字幕が被って誰が話しているのか分かりにくくなるのを防ぐために、横下ではなく縦に字幕を表示することもあります。
また、英語字幕ではアルファベットを縦に表示することができないため、横下か横上のどちらかになります。

以下のように、セリフと列車に書かれた文字情報の両方を字幕として表示する必要がある場合、セリフを優先して横下に表示し、文字情報は縦右に表示します。

このような表示位置の優先順位は基本と言えば基本なのですが、最近は映画館で映画を見ていると、話者の位置に字幕を寄せている例も見かけるようになりました。
2人の話者が同時に話している場合は、どちらか一方のセリフのみを字幕化するのがスタンダードでしたが、今後は変わっていくのかもしれません。


ちなみに、英語字幕では2人の話者のセリフを1行ずつに分けて、1枚の字幕に同時に表示する例が従来からよく見られます。
(日本語字幕でも無くはありませんが稀です。)

味のある文字の正体

かつて字幕は、1枚1枚手書きで作られていました。
手書き字幕の第一人者に、佐藤英夫氏(2013年にご永眠)がいらっしゃいます。
そのご子息、佐藤武氏が手書き文字のデジタル化に取り組み、実映画字幕フォントである「シネマフォント」が初めて使用されたのは、意外と最近なことに2001年公開の『A.I.』だったそうです。

映画字幕のような手書き風フォントは、無料・有料を含めて何種類かあるので、検索してみてください。
ちなみに、この記事の冒頭にある「映画っぽい字幕フォント」という文字は、フリーでダウンロードできる「しねきゃぷしょん」というフォントです。

ご参考 https://ferret-plus.com/7440

ただ、「作品と手書き風文字が合わない」ということもあるのではないでしょうか。
そのような場合は、視認性の高いフォントであれば、何でもよいと個人的には思います。

私の経験の範囲ではありますが、よく見る字幕の共通点を強いて挙げるなら、

・丸みのあるゴシック系
・白文字+黒フチ
・太すぎず細すぎない
・大きすぎず小さすぎない

といったところでしょうか。

細くて小さい文字にすると、頑張って読もうとして逆に意識が字幕に向かってしまいかねません。
字幕1枚の文字数は15文字前後×2行が目安なので、フォントは気持ち大き目くらいでいいかもしれません。

あと、英語字幕のフォントはArialが多いですが、特にクセのあるフォントでなければ特に決まったものはないようです。

映像よりも字幕が目立ってしまっては元も子もないので、色々試してみることをオススメします。

最後に

一般的な字幕の表示位置とフォントについてまとめました。
ただし、前回の文字数などと同様に、ここに書いた内容が絶対的ルールではありません
あくまで目安とし、字幕が必要な場合に、少しでも違和感なく表示できるヒントとして役立てていただけると嬉しいです。

字幕を作っていて、「折角のきれいな映像や盛り上がるシーンに文字はできるだけ入れたくない」と思うことも正直あります。
一方、スマートフォンの普及により、言語の違いや健聴かどうかに関わらず、外出先などで音を出さずに映像を見るシーンも増えてきました。

字幕が必要とされる理由や求められる形は、時代とともに変わっていくものだと実感するこの頃です。

それでは次回は、重箱の隅をつつくような(?)細かいポイントに入っていきます。
ご興味のある方はぜひお付き合いください。

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