音楽ライブ ライブ配信(小規模ライブハウス)の事例【映像編】

はじめまして。関西で主にインディーズバンドの映像を製作しているGhostpartyの大内と申します。先日キャパ150人程度の小規模ライブハウスからライブ配信をする機会がありました。低予算の現場でしたが、事例として共有したいと思います。インターネット回線は会場の既存のものを借りて行ないました。長くなってしまいますので、まずは映像編。音響編は後日追加します。

概要

簡易システム図


コンセプトとしてはヒマナイヌ川井さん達がずいぶん前に提唱されていたシネUST(映画のようなライブ配信)を踏襲しています。機材は多少現代風にアップデートされていますが、なかには随分と時代遅れな機材も入っています。今回のポイントはLog撮影とLUT Boxを使ってライブ配信にも関わらずフィルム風のルックを作るということだと思いますが、それぞれの機材をピックアップして少しずつ解説していきます。

1. Panasonic GH4+Blackmagic Design MicroConverter

Panasonic GH4+Blackmagic Design MicroConverter
ステージ上の2台のGH4はジンバルを使用せず、簡易ハンドルをつけてマニュアルフォーカスで対応しました。会場後方のGH4は三脚を使用しています。
フォトスタイルは3台共V-Logに設定しています。収録の時もそうですが、めまぐるしく変わるライブハウスの照明ではISO値を変えるどころか、絞りをさわる余裕すらありません。多少のノイズはありますがV-logに設定していれば明るい場面、暗い場面とほぼほぼ対応してくれる印象です。後述のHDLinkProでLUTを当てています。
今回すべてのカメラをF2.0/ISO1600/SS60で統一し、配信中は一度もこの設定を変更していません。もう一段ずつ絞っても良かったかもしれませんが、微妙なところだと思います。
スイッチャーがATEM Television Studio旧モデルで、1080i59.94までしか入力できず、GH4側はRecモードをAVCHDにしないとこの出力ができませんでした。
SDIに変換してケーブルを引き廻す必要がありましたが、GH4のインターフェースユニットがなくてもMicroConverter(HDMI-SDI)があれば十分でした。MicroConverterはスマホのモバイルバッテリーで給電しました。

2. Blackmagic Design ATEM Television Studio(旧モデル)

Blackmagic Design ATEM Television Studio
前述の通り1080i59.94までしか入力できませんが、SDI4入力を備えるスイッチャーとして現在でも十分に使えると思います。スイッチングとタリーはStrataというアプリをインストールしてiPhoneで行いました。誤って1度BLACKに触れてしまい、やはり物理ボタンがほしいなと感じたところではあります。
補足ですがインカムもZelloというアプリを使用してiPhoneで代用しました。ネットワーク環境により遅延があるようで、当日は1秒ほどの遅延があり、とても使いにくかったです。

3. Blackmagic Design HDLink Pro

Blackmagic Design HDLink Pro

この機材は国内での流通が少なかったようで中古がなく、eBayでイスラエルから輸入しました。いわゆるLUT Boxとしての使用で、リアルタイムにLUTを当てています。Panasonicが配布しているV-log to Rec.709ではなく、少しフィルムに寄った色味の出るLUTをDaVinci Resolveで何パターンか作成して持って行き、リハーサル時に撮影した動画でテストして使用するLUTを決めました。
各カメラの後に1つずつ入れるのが理想だと思うのですが、今回は予算的にスイッチャーの後につないでいます。このため開始前に流したVTRをV-log風の色味に加工しました。このVTRもこちらで製作したものでしたが、先方から指定を受けたVTRがある場合は正確な色味が出ませんので、システムの見直しが必要になると思います。
HDLink Proは生産終了して随分とたつようで、ソフトはまだ一応配布はされていますが、OSX10.10 Yosemiteまでしかサポートされていません。
LUT BoxはAJAのものなど色々あると思いますが、現在最も低価格なのはBlackmagicのMini Converter SDI to HDMI 6Gじゃないかと思います。

4.MEDIAEDGE VPC-HS3

今回エンコーダーはハードウェアを使用せず、MacProにOBSでエンコードしたのですが 、OBSでi/p変換をすると妙なカクつきがあったのでi/p変換としてVPC-HS3を使用しました。当然1080p30を出力できるスイッチャーがあれば不要となります。

5. Blackmagic Design Mini Recorder 〜 MacPro / OBSの設定

Blackmagic Design Mini Recorder 〜 MacPro
最近、いつも編集に使用しているMacProのCPUを10コアのXenon E5に載せ換え、6年前のモデルとは言えかなりパワーがあるマシンになりましたので、ハードウェアのエンコーダーは使用せずこちらでエンコードを行いました。配信ソフトにはOBSを使用しました。
OBSの設定
画像のようにYouTubeLive FHD配信設定のギリギリまで高画質で配信しましたが、CPU使用率も30%ほどで安定していました。やはり音楽ライブなど激しい動きがあるものは、このくらいのビットレートにしておいた方が良いと思いました。
エンコーダープリセットは最初middleにしていたのですが、リハーサル中にテスト配信をして、少しカクつきがあるように感じたのでfastに変更しました。

映像編は以上となります。低予算機材・独自ノウハウが多数であまり参考にならないかもしれませんが、ライブ配信や収録の敷居が下がって、少しでもインディーズ音楽業界が賑やかになればと思います。音響編はまた後日まとめようと思います。

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