【FUJIFILM】「F-Log」徹底解説! (前編) <Logとは?・設定の仕方・LUTの比較など>

0.はじめに

こんにちは。
最近の民生機のカメラは数年前では考えられなかったレベルで、より気軽にいいルックで映像を撮れるようになってきました。

小型のミラーレスの内部でカラーの設定が細かく調整できたり、撮影の段階で「Log」と呼ばれる状態で収録しておいて編集の段階でカラーコレクション、カラーグレーディングで色味を自分が思うように後から調整することができる機能も搭載されています。

今回は、僕の大好きなFUJIFILMの最新機種「X-T3」にもその”ログ”が搭載されているので、「F-Log」について掘り下げていきます!

目次
1,「F-Log」とは
2.「F-Log」の設定の仕方
3, 公式提供のLUTをダウンロードして当てる
4, まとめ

1.「F-log」とは?

まず、こちらをご覧ください。
これがFUJIFILMのカメラで収録した「F-log」の状態です。

  • ボディ:X-T3 / レンズ:XF56mm F1.2 R を使用

このように「Log」とは、ネガフィルムの特性を応用したガンマカーブの一種で、彩度が低くコントラストの低い、いわゆる”眠たい”状態です。ダイナミックレンジの広い映像が撮れるのが特徴です。

「F-Log」の「F」とは、FUJIFILMの「F」で、最近では各社でオリジナルLogで撮ることができるカメラが増えてきていて、例えば、Panasonic は「V-Log」、SONYの「S-Log」などがあります。

【参考】
「Log」
LogはCineon(シネオン)と呼ばれるフィルム撮影の素材をデジタル化するための規格から生まれたもので、フィルムの特性をビデオで再現することで広いダイナミックレンジの撮影に対応したガンマカーブの一種。ダイナミックレンジを広げつつ、階調が飛んで見えるバンディングを少しでも起こさないように設計されている。(DaVinciResolveカラーグレーディングBOOK by 玄光社より)
「F-Log」
Log 階調はネガフィルムの濃度特性をデジタルに置き換えたものであり、フィルム撮影の映画の世 界で培われてきた様々なポストプロダクションの手法との親和性が一般的に高いという特⻑があります。 特に F-Log は 0%の CV(Code Value)を 95/10bit、18%グレーの CV を 470/10bit とし、色 域は ITU-R BT.2020 準拠とすることでフィルム的な露出のあわせやすさと DCI-P3 等をターゲットと したグレーディングのしやすさに配慮して設計されています。(FUJIFILM公式:F-Log データシートVer.1.0より)縦軸が10bit(1024段階)の色情報 / 横軸が18%グレーに対する相対露光量

専門的でなかなかに難しいですね。。
分解して見ていきましょー!

◇フィルムシミュレーション「PROVIA/スタンダード」

FUJIFILM Xシリーズで収録できる一番ベーシックな設定。
コントラストがはっきりとして、自然な色再現で幅広く活用できる標準的な階調と発色が特徴です。

・X-T3の内部収録では、色情報が256段階の4:2:0 8bit(H.264収録時) (*H.265収録時は、4:2:0 10bit で収録可能)
・色域はITU-R BT.709


これでも十分に綺麗な映像が撮れるのですが。

◇「F-Log」

通常の撮影よりも、階調(Gamma)と色域(Gamut)が広く撮れます。

・X-T3の外部収録では最高、色情報が1024段階の4:2:2 10bit(ProRes)
・色域はITU-R BT.2020


つまり、噛み砕いて簡単に言うと、フィルム的な露出のあわせやすさポストポロダクションにおけるカラーグレーディングのしやすさが特徴です。

このLogで収録しておいて後からカラーを調整したり、この素材にLUTを当てたりしてオリジナルの色味を作っていくことができます。

【参考】
色域
色域とは、映像におけるテレビ・映画・WEBなどの視聴デバイスによって表現できる色の範囲が異なるが、この色の範囲のことを色域という。それぞれで規格が分かれている。
F-Logの色域
F-Log の色域は ITU-R BT.2020 に準拠しています。ITU-R BT.709 や DCI-P3 色域よりも 広いのが特徴です。( F-Log データシート Ver.1.0より)

2.「F-Log」の設定の仕方

(1) メニューボタンを押す

十字キー中央のMENUボタンを押します。

(2) F-Log/HLG 撮影を選択

動画メニューの2/5 ページ「F-Log/HLG 撮影」を選択します。

(3)収録のパターンを選ぶ

SDカードとHDMI出力のそれぞれにフィルムシミュレーションか「F-Log」のどちらを適応するかの組み合わせを選択できます。

(4)組み合わせの注意点

  • フィルムシミュレーション+フィルムシミュレーション
    特になし
  • F-Log +F-Log
    特になし
  • フィルムシミュレーション+F-Log
    〔注〕
    59.94p/50p → 29.97p/ 25p
    FULL HD ハイスピード撮影:OFF
    4Kフレーム間ノイズリダクション:OFF
  • F-Log +フィルムシミュレーション
    〔注〕
    59.94p/50p → 29.97p/ 25p
    FULL HD ハイスピード撮影:OFF
    4Kフレーム間ノイズリダクション:OFF
  • HLG(ハイブリッドログガンマ)+ HLG
    〔注〕
    H.265(HEVC)のみ

(5)最適な収録の組み合わせを選ぶ

ここでは例としてFUJIFILM X-T3とATOMOSのNinja Vを組み合わせ、HDMIでスルーさせています。

3.公式提供のLUTをダウンロードして当てる

「F-Log」で収録した素材に後から、FUJIFILM公式に提供されているLUT(Look Up Table)を当てることもできます。

F-Log 3D LUT (.cube)

3D LUT
この3D LUT は、映像制作におけるプライマリカラーコレクションの起点となるように階調や色再現をプリセットしたものです。映像編集用ソフトで読み込むことでF-Log 動画に適した色域やトーンで作業を開始することができます。(F-Logダウンロードページより)

こちら公式サイトからダウンロード
F-Log LUT(Look Up table)

これをダウンロードした中には、3機種それぞれ3種類のLUTが入っている。

  • X-H1
  • X-T2
  • X-T3
  1. FLog_FGamut_to_ETERNA_BT.709
  2. FLog_FGamut_to_WDR_BT.709
  3. FLog_FGamut_to_WDR_BT.709

3種類のLUT比較

今回は、X-T3を使用して同じ「F-Log」の素材にそれぞれ1〜3のLUTを当てました。

FLog_FGamut_to_ETERNA_BT.709
フィルムシミュレーションETERNA を再現するLUT です。色域はITU-R BT.709 。

FLog_FGamut_to_WDR_BT.709
ニュートラルな再現を意識したLUT です。⿊レベルは0(10bit)になります。色域はITU-R
BT.709 。

FLog_FGamut_to_FLog_BT.709
ニュートラルな再現を意識したLUTですが、階調はF-Logから変換していないため、⿊レベルには
オフセットが付いています。色域はITU-R BT.709 。

まとめ

簡単に、すごくおおざっぱにまとめると、「Log」で収録しておくとあとからカラー(色)をいじりやすい。色を自分が思うように変える余地がある。ということになります。

FUJIFILMのカメラは、カメラ内で「フィルムシミュレーション」というとても良いルックとカラーで撮れる設定があるのですが、この「F-Log」で収録しておいて、公式の「ETERNA」LUTを当て、さらにDaVinciResolve で自分好みの色、また目指したい色にカラーグレーディングしていくというワークフローも可能です。

「F-Log」の4:2:2 10bit 外部 ProRes 422 HQで収録をしておけば、ポストプロダクションにおけるカラーグレーディングの幅が大きく広がることと思います。

あまり良くないLUTや、知識がない状態でのカラーの調整作業はかえってルックに大きく影響し、映像そのものが台無しになってしまいます。

そこで僕は、「F-Log」→「ETERNA LUT」→「カラーグレーディング」のワークフローにすごい可能性を感じています。ということで、次回後編。。

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