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Premiere ProからXDCAMへ書き出そう!

2019.04.30 (最終更新日: 2020.12.21)

前回のHDCAM書き出しに引き続き、今回はXDCAM書き出しをご紹介します。
「令和元年はXDCAM元年だ!」とタイトルサムネイルに記しましたが・・・
実際には、XDCAM自体は何年も前から業界に流通しています。
しかし、令和元年である今年は、全国の放送局がこぞって納品形態をHDCAMからXDCAMへ変更されるそうです。
この秋からHDCAM納品を受け付けない」という放送局も数多くあるみたいで。。
なのでぜひともこのタイミングでXDCAMのクセを把握してしまいましょう!!

例によって・・・
あくまで"僕自身のシステム環境下の検証”にはなってしまいますが
みなさんと共通する部分も多々あると思いますので、ぜひご覧ください!!

今回のシステム概要

<パソコン>
iMac (Retina 5K, 27-inch, 2017)
OS:MacOS Sierra 10.12.6
CPU:4.2GHz Intel Core i7
GPU:Radeon Pro 580 8192 MB
メモリ:40GB 2400 MHz DDR4
Premiere Proバージョン:2019(13.1.1)

<XDCAM VTR>
XDS-PD1000

<接続に使用するデバイス>
Blackmagic Design「UltraStudio Express」
ドライバ:Desktop Video 10.9.5
LANネットワーク

システム的には前回ご紹介したHDCAM書き出しに近いものですが
今回は最終的にXDCAMに書き出すので、VTRは「XDS-PD1000」を使用しています。

XDS-PD1000を使って映像を記録するには2通りの方法があります。

① SDIで映像信号を送ってRECする。

② LANネットワークで完パケデータ(MXFファイル)をコピーする。

今回は①のSDIを使った記録方法をご紹介します。(②は次回記事で紹介)

Premiere Proから書き出し(①SDI出力)を実行する場合

インサート」「アッセンブル」「テープへプリント」と3つ方法がありますが、
今回は「テープへプリント」でやってみました。

Premiere Pro側からのタイムコード情報をSDIにのせてそのままRECするため、
XDS-PD1000側のタイムコード設定を下記のようにします。

F1(TCG)=SDI
F2(PRST/RGN)=VITC
F3(RUN MODE)=FREE RUN
F4(DF/NDF)=DF
F6(TCR)=AUTO

今回のシステム(UltraStudio Expressを使用した場合)では
F2(PRST/RGN)をVITCに設定しないと、SDIにのったタイムコードを正常に読み取れないようです。

また、Premire Proのシーケンス設定で「フィールド」設定を必ず「奇数フィールドから」にしましょう。
それ以外の選択をした場合、タイムコードを読み取れないようなので注意してください。

そのほかのPremiere Pro側の設定は・・・

前回の書き出し時に、Premire Pro側で気をつけるべきところ」をご参照ください。

あとは、HDCAM-VTRの時と同じように「テープへプリント」から「録画」ボタンで書き出せます。

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注意点

このやり方(テープへプリント)だと、書き出されたモノの最初の数フレームが欠けるようです。
通常テレビ局への納品の場合、冒頭は黒味のトレーラーだと思うので冒頭のトレーラーを長めに入れておけば問題ないかと。。
また、XDCAMではNDF(ノンドロップフレーム)は使用しないでほしいそうです。

REC中プレビュー映像の注意点

そして、もっとも注意しなければならないのは、REC中に本体から出力される映像(確認用の表示)は、本体に入力されている映像がスルーで表示されているものであり、RECされた映像の表示ではないということです。つまり、HDCAMの時とは違い、生成されるファイルにノイズがのってしまっていても、REC中のプレビュー映像に表示されない(気づけない)可能性があるということになります。なので、書き出し後に、もう一度メディアを再生して確認作業をする必要があると思います。今までにない一手間が。。追っかけ再生する方法がありました。詳しくは「XDCAM VTRで書き出し中の追っかけ再生ができる!?」こちらで。

内蔵HDDの存在

もう一つ、XDS-PD1000の大きな特徴として、本体内に内蔵HDDがあります。
XDCAMのメディアであるProfessional Discに直接映像を書き込むことも可能なのですが
内蔵HDDに一旦書き込んで、それをProfessional Discにコピーすることができます。

内蔵HDDは、複数枚のProfessional Discへ同じ内容を書き込む時(コピー)に便利です。

インサート・アッセンブル

内蔵HDD・Professional Disc共に、インサート・アッセンブル編集も可能です。
(XDS-PD1000本体側で、内蔵HDDProfessional Discの切り替えが可能です)

その際、プリロールは5秒以上に設定する必要があるらしいのでご注意ください。

また、Professional Discへのインサートは、
一度メモリ上に記録し、それをDiscに書き込むようで、映像の実尺よりも時間がかかるようです。(およそ1.5倍)

それぞれのワークフローに合わせての運用が必要ですが・・・
個人的には通常運用ではProfessional Disc直接書き込みでいいような気がしています(笑)

次回は・・・ネットワークでMXFファイル完パケする方法

次回は、同じXDS-PD1000を使って
LANネットワークから完パケデータ(MXFファイル)をProfessional Discへ書き込む方法をご紹介します。サクッとできそうで意外に注意すべきポイントが多いコトに気づきました。

今回、三友株式会社さんに技術協力をいただきました。
とても優秀な技術者がおられる代理店さんなので、システム構築をお考えの方はぜひご相談ください(笑)

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また、PremiereProに関する知ってお得な情報を
Youtubeチャンネル「プレミアノート」で発信しています。
よろしければそちらもどうぞ!

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ittsui

市井義彦@ittsui

株式会社Command C 代表取締役。大阪で映像制作を生業にしています。Adobe Community Evangelistであり、PremiereProユーザーグループの代表です。

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