2019.07.14 (最終更新日: 2020.07.21)

撮影アシスタントの役割とは?|世界の撮影部たちのリアルな雑談 Vol.1

撮影助手の役割をおしえて?

ネット上で交わされる世界の映画・広告業界の撮影スタッフによる雑談のまとめ。Reddit は英語圏の「2ちゃんねる」のような掲示板サイトです。今回は「撮影助手の役割をおしえて?」という質問投稿に対するリプライを見てみます。

世界の撮影部たちのリアルな雑談 Vol.1
https://note.mu/kazohata/n/nf175cb179b40

1|1st AC, 2nd AC の作業とは?

t_manzo:
2nd ACです。どんな機材を使うかにもよりますが、ロサンゼルスで一般的なのはこんな感じです。

1st AC の役割
・撮影部スタッフの発注
・撮影機材の発注、撮影前に全機材のチェック
・撮影部の下位スタッフに作業を指示
・フォーカスを送る
・記録メディアのフォーマット(消去)
・カメラ設定の管理(絞り、WBなど)

2nd AC の役割
・レンズ交換やカメラ移動の補助
・カチンコをいれる
・リハーサルを見て役者の位置をマーク
・編集作業用のカメラレポートの作成
・記録メディアをDITに届ける際の取り扱いに対する責任
・バッテリーの管理
・撮影モニターベースの設営と管理
・撮影部の作業報告書(時間)の作成

コメント:
ここで語られている“1st AC”という仕事は、日本では「撮影チーフ」と「撮影セカンド」を兼ねた作業内容、“2nd AC”は日本の「撮影サード」にあたる。アメリカで 2人で行う作業を、日本では 3人で分業化している、とも言えます。

2|2nd AC が語るリアルな実情

jonathan_92:
Camera PA または Camera Utility と言われる仕事は、撮影モニターベースの設営、ケーブル配線を行います。予算のある現場では、その作業は Video Assist または VTR といわれる部署が行います。

予算がなくそのスタッフが雇えない場合は 2nd AC がそれを兼務します。

注意すべき点は、2nd AC は絶対に記録メディアのデータ作業を行わないことです。そのために DITDigital Loader、Media Manager といわれる(データ管理の)部署があります。現場にそのスタッフがいない場合は、必ず制作会社の人間にその作業をしてもらう事です。2nd AC は常に現場にいる必要があるのです。

わたしは正規料金で 2nd AC 業をしてますが、ある撮影で、Callsheet(香盤表)上では 2nd AC として発注されたにも関わらず、モニターと記録メディアの管理をさせられました。

さらに DP は無神経に、素材の書き出しに LUT を当ててくれという。劣悪な撮影が増えるので、どうか自分と同じようなマネはしないで欲しい。本当にそんな事が多すぎる。最低でも3日分の料金を請求すべき。

コメント:
新たな役職が出てきました。ここで語られている “Camera PA”、“Camera Utility” は、日本では「DITアシスタント」に分類される作業内容ですが、料金面で見ると「撮影見習い(Trainee)」の方が近そうです。
DIT(Digital Image Technician)”は、映像の品質とデジタル機器の管理者、“Digital Loader”は、地域により呼び名が異なりますが、撮影データの管理者を意味します。日本では“Data Manager”の呼び名が一般的です。

3|職人気質な部分も世界共通?

RyanFap:
2nd AC は各自の責任の所在を把握し、部全体を統率する。基本的に 1st AC は、すべて問題なく進行しているか?全体を見渡すべきです。

1st AC は、カメラを組んだり移動する際に、2nd AC にそれを手伝わせるなど、上司と部下の関係として、ただ撮影監督(DP)の指示を伝えるだけです。多少のオーバーラップはあれど、各自別々の責任があるのです。

4|色濃く残るフィルム時代の慣習

inquizz:
自分のおすすめはこの本です。
デジタル撮影の基本的な作業がまとまってます。

<1st AC> 準備
・撮影部の責任者として、撮影監督(DP)と相談しながらあらゆる機材を手配する。
・機材屋と連携して必要な機材をすべて揃える。
・カメラオペレーター以外の撮影部の全スタッフの手配。通常、撮影監督は 1stAC とカメラオペレーターを手配するが、その他の人員に関しては 1stAC と相談する。

<1st AC> 現場
・フォーカスを送る。
・レンズの交換作業。
・フィルターの交換作業。
・カメラ設定の管理。
・記録メディアのフォーマットを管理する者もいれば、しない者もいる。
・カメラを回す。

<2nd AC>
・カチンコを入れる。
・カメラレポートの作成。
・リハーサルで役者の立ち位置のマーク。
・レンズとフィルター類の管理。
・機材カートの管理。
・1st AC にレンズを渡す。
・1st AC に記録メディアを渡す。
・ケーブル、バッテリー、記録メディアの予備を常に準備する。

<Loader>
・撮影助手を補助するアシスタント
・すべての書類作業を担当(稼働時間の記録、データ残量の報告書、カメラレポート、機材表の管理)
・機材変更の手配。
・消耗品の在庫管理。
・記録メディアの残量管理。
・記録メディアをカメラから取り出す。

ここで紹介されている “The Camera Assistant’s Mannual” は、映画・広告の撮影が、まだフィルムの時代に初版されたものです。自分自身も10年前に見かけた記憶がありますが、デジタル撮影に関する項目が追加されたとは言え、その内容はかなりオールドスクールなものではあります。

著者のウェブサイト上で「機材チェックのマニュアル動画」を発見したので、貼っておきます。動画で使用しているフィルムカメラは、かなりレガシーなものですが、チェック内容は基本的に今もあまり変わりはないです。

世界の撮影部たちのリアルな雑談 Vol.2
<どうすれば組合に入れる?>
https://note.mu/kazohata/n/nc82372a941a2

世界の撮影部たちのリアルな雑談 Vol.3
<ギャラの相場はいくら?>
撮影・照明・特機篇
https://note.mu/kazohata/n/ne6fab2711000

世界の撮影部たちのリアルな雑談 Vol.4
<ギャラの相場はいくら?>
監督・プロデューサー・録音・美術・ヘアメイク・スタイリスト篇
https://note.mu/kazohata/n/nd404541bd05d

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