さらば「Encore」
Adobe CS6が、サブスクリプション購入版において使えなくなった件・・・
リサーチした結果、1番の課題は「Encore」が使えなくなったというコトでした。
いまだに「DVD納品」が根強く残る映像業界。。
ここまでDVDにこだわっているのは、実は日本だけなんだそうです。。
「Encore」はとても有用なアプリケーションだとは思うのですが、
グローバルな波を考えると、、、無くなってしまうのも仕方ないのかも知れません。
とはいえ、現状の日本で、DVD納品がそう簡単になくなるわけでもなく・・・
今回は、PremiereProと、別のアプリケーションを使ったDVDワークフローをご紹介しようと思います。
DVD制作の老舗
やはりDVD制作の老舗と言えば「Toast」ですよね。
実は・・・個人的には一時期 、Toastからは遠ざかっていました。
HD(ハイビジョン)時代になってからというもの、HD素材をtoastでエンコードしてDVDにしても、画質の低下がかなりひどく、まったく使えない印象でした。
しかし最近、toastの機能を見ていると、いろいろとカスタム設定があり、そこそこ綺麗に書き出せることに気づきました(Toastさん、思い込みごめんなさい)。
そのやり方と、気づいた注意点をお伝えさせていただきます。
(あくまで僕が検証した中でのお話にはなりますが・・・)
Premiere Proから書き出す
まずPremiere Proでの書き出す時・・・
Premiere Proの書き出し形式の中にある「MPEG2-DVD」を使わないでください。
一度「H.264」で書き出し、それをToastでエンコードした方が綺麗に仕上がるようです。(ちょっと不思議)
書き出しウィンドウを開き、形式で「H.264」を選択。
基本「ビデオ」タブの設定は、デフォルトのままにします。
どうしても画質が気になる方は、ビットレートの数値を上げたり、ProResを使用するのも良い方法かも知れません。
(Toastでのエンコード時に、さらにビットレートが変化します)
僕が試した感じでは、気持ちだけ綺麗になったような・・・気がしないでもない・・・みたいな感覚でした。
そして「エフェクト」タブの中の「SDR 最適化」をONにしましょう。
輝度が高い部分にノイズが乗りやすいようなので、ハイライトを抑えることである程度ノイズを防げるようです。
この状態でmp4(or MOV)書き出しを行ってください。
Toastでの設定
続いてToastです。(ここではToast 17 titaniumを使用)
「ビデオ」タブを選択し、PremiereProで書き出したmp4ファイルを読み込む。
右側にある「メニュースタイル」の「カスタマイズ」を選択。
「エンコード」タブを開き、「カスタム」を選択。
適切なビットレートを選択(高画質が良いなら9.0Mbps)。
そしてここでの1番のポイントは・・・
「優先フィールド」で「下を優先」を選ぶことです。
通常、インターレスの素材の場合(プログレッシブではない場合)
HD(ハイビジョン)とDVDでは、優先フィールドが違います。
この変更を行わないと、映像の中でギザギザした部分ができてしまったりします。
この状態でDVDを作成すれば、思った以上に綺麗に書き出すことができました。
もちろん、HDをDVD(SD)にするわけで、劣化感は否めませんが・・・
あくまで「DVDにする必要がある」という前提でのお話なので、ご了承いただけると。。
その他の機能
他にも簡易のメニュー作成や、ループ設定のON/OFFなど、ある程度であれば、カスタムが可能です。必要に応じて設定を試してみてください。
まとめ
「Encore」時代からの流れで考えると、Adobe上でMPEG2にしてしまいそうですが・・・なぜかToast上でMPEG2にエンコードした方が、画質が良さそうなので・・・今回はこのワークフローを提案させていただきました。
「SDR最適化」と「優先フィールドの設定」。この2つを押さえれば、だいぶ仕上がりの品質が担保できるような気がします。
などなど・・・
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それでは素敵な映像制作ライフを。
市井義彦@ittsui
株式会社Command C 代表取締役。大阪で映像制作を生業にしています。Adobe Community Evangelistであり、PremiereProユーザーグループの代表です。
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