2020.07.15 (最終更新日: 2020.07.15)

ポスプロ音声編集の強い味方 iZotope 社製プラグインの紹介

プラグインとは

お久しぶりです。今回は音声プラグインのお話をしたいと思います。

皆さん、ポスプロで使用している 映像編集ソフト はなんでしょうか? おそらく Vook 内で最もシェアをもつ映像編集ソフトは Adobe Premiere Pro だと思います。そして After Effects と同期して、細かい編集作業や修正作業を行っていると思います。もちろん業務エディターは Mocha とかその辺使ってると思います。私は最近は Davinci Resolve で完結しようと模索しています。

皆さんは映像用プラグインの知識は豊富にお持ちだと思います。ポスプロを行っている人であれば、毎日人の顔をレタッチしていると思いますし、解像度の悪い映像素材をレンダリングし直したり、フリッカーを削除したり、そんな便利ツールとしてプラグインを認識していると思います。

そんな中、Premiere Pro にはオーディオミキサーがあったり、Davinci Resolve には Fairlight があったり。そこに fx という得体のしれないボタンがあり、標準でいくつかのエフェクトというか、音声プラグインが入っています。ほとんど日本語で解説されていませんし、使っている人はあまり多くないと思います。

そして、盛大にぶっちゃけると、個人的には質がいいプラグインは一つもありません、使わなくて正解だと思います。

ポスプロの強い味方、 iZotope 社製プラグイン

数年前から、映像業界、音響業界で革命を起こしている、iZotope 社。特に映像業界では RX というシリーズが人気だが、私も RX4 の時代からお世話になっている。最初は単なるノイズリダクションソフトとして使っていた。

最近 iZotope は AI 技術 (機械学習だと思うが) を音声プラグイン、Neutron シリーズを発表してきた。これは音声プラグインの知識がなくても自動でプラグインが最適だと思う設定を実行してくれる。

ポスプロ用バンドルが販売されております。RX Post Production Suite 3 お値段 $1,499
https://www.izotope.com/en/products/bundles.html

実際にはいきなりポスプロバンドル手を出すのは正直、使いこなせないと思うので、Elements Suite が $199 で出ているのでそれを狙うといいと思う。よく安売りはしているので、ブラックフライデーとか狙えば日本円で 5,000円 で手に入ることもあります。

プラグインの使い方

iZotope RX は強力な波形編集ができます。もちろん、波形編集の知識があれば、ものすごい応用ができますが、ポスプロの方が簡単に利用する、機能のいくつかを紹介します。

あくまで、触りの紹介です。応用の仕方などは iZotope が国内でもセミナー等を行っているし、ポスプロに向けたイベントもおこなっているので本気で活用したい方はそちらへ。

Spectrum De-noise

RX に付属する優秀なノイズリダクション

ポスプロで多様されるのはノイズリダクションだと思います。素材のほとんどが野外や建物の中で録音されてると思いますが、車の低周波数雑音や、エアコンの音、パソコンのファンノイズなどたくさんの雑音の中で音声素材は収録します。映像と違い、音声は後の編集が非常に難しいです。

たまに魔法みたいに、狙った音だけ消せという指示がありますが、それができたら億万長者なんですね。それをできるだけ補助的に行ってくれるがこの RX です。

使い方は簡単、Learn のボタン一つ押してノイズ部分の音声を再生しプラグインに学習させるだけ。

また、Adaptive mode で解析すれば自動でノイズリダクションを追い込むことが出来る。

もちろん、Quality だとか Artifact Control、Threshold、Reduction などのパラメータがありますが、この プラグインを使って音声の質を追い込む、ということ自体がまず制作としてまちがっている ので、覚えるのは基本、Threshold と Reduction だでいい。このパラメータを動かしてノイズの減り具合と聞かせたい音のバランスを考えて、調整することだけ。余裕があればその他のパラメータも調整してください。

こちらが処理前の音
リダクション後の音
プロが行うリダクション

残念ながら Vook のノート上では SoundCould API が呼び出せなかった。呼び出せるのであれば誰か方法を教えて下さい…

ノイズリダクションは諸刃の剣です。使用しないことに越したことはないが、必要な場合は、かけすぎると声までリダクションされすぎて、質の悪い映像になってしまいます。ですから私が丁寧にリダクション設定した場合、3つめの音声は割とまともだと思います。

ピンマイクやカメラ外付けのショットガンタイプのマイクは、カメラやレコーダー側の機能により、リミッターやコンプレッサーが自動で働くため、バックグラウンドノイズを大きく収録しがちになってしまう。基本的にはリミッター機能やコンプ機能はオフにしてほしいし、ゲイン調整はシビアに行ってほしい。

が、そんなことは現実無理なので、ノイズリダクションは掛ける前提で動いたほうがいいのかもしれない…

ただ、音声の調整も兼任されたエディターは音声のことはプラグインに任せてカット編集などに集中できる。

高度な応用

RX を使いこなせるように慣れば、狙った雑音を消すことが出来る。

ただし、これは高度に RX の操作を要求されるため、編集には時間がかかるが、プロがやると、グラスの音だけきれいに抜き取れる。

わかり易い例でガラスのヒット音が音声と被って収録されてしまった場合。自分でスペクトラムを把握してグラスの音だけを狙って削除する。

グラスの音が入ってしまった音
グラスの音だけを抜き取った音

結構大雑把であるが、各 Repair、Utility を駆使してガラスのヒット音だけを抜き取った。

おそらく初心者がいきなりここまで行えるとは思えないし、RX Element だけの機能でここまではできないと思うので、こういう作業はプロに任せたほうがいいとは思います。

Neutron 3

こいつも簡単。起動して Mix Assistant のボタンを押すだけ。
素材に合わせて自動設定の項目を選ぶ。今回は Voice。

自動でパラメータを設定してくれる。

正直、うまく行かないことも多いが、セオリーに従って微調整すればあとは AI が勝手に調整してくれるパラメータ値で全く問題ないと思う。

自動補正前
自動補正後

正直これは補正前、補正後で好みが分かれるのですべてがうまく調整してくれるとは思っていない。微調整は必ず必要だ。

自動でこれらの高度な設定を調整してくれる。

音声編集の知識なぞ、そこまで持ち合わせていなくても簡単に設定してくれるので、音声調整とエディター兼任者はエディット側に時間を避けることが出来る。

ただし、あくまでアシスト機能なので自分の耳で判断して、これはおかしいと感じたら自分で再調整することは絶対に忘れてはいけないし、めんどくさがって放置しないこと。音声のせいで映像のクオリティが下がる。

応用方法

RX と Neutron を併用して協力にノイズリダクションを行える場合がある。

どうしてもノイズリダクション系は人物の声の特性を悪くしてしまうので、声が劣化しない程度に最小限に RX でノイズ処理をしたあと、Gate で処理する方法だ。

Neutron 3 の Standard や Advance は Gate が使える

Gate はある一定以上の信号は通過させない、というエフェクトなので、ノイズは信号レベルが低い状態になっているはずだ。Gate でノイズの信号を更に抑えることができる。

ただし、ノイズレベルと音声レベルが同じようなレベルの場合は意味がないので、収録時からノイズには最新の注意を払って収録することを心がけること。結局は素材次第なので、録りを徹底的に妥協しないことが最優先です。

あとは EQ で低域を削ったり、声の周波数帯域を補正したりして、仕上げてほしい。

Ozone 8

ご存知の方も多いですが、国内はラウドネスの規制というか規定がありまして、-24LUFS で納品しなくてはいけません。Youtube はアップロード時の制限はありませんが、ラウドネスノーマライゼーションが自動で行われ、大体、-14LUFS に調整されます。

音圧っていうのは実は大事で、とりあえず、メーターで言う 0dB まで音を圧縮してデータは納品したいと、考えます。音楽の場合は考え方が違いますが、映像音声の場合、0dB 付近まで信号を飽和させることには結構意味があります。

※ この話題は非常に多角的に難しい問題のため、今回はあくまでも自動でプラグインに任せる、という前提でお話します。

Ozone 8 も Master Assitant 機能があるので、ボタンを押すだけ!

基本、Streaming で調整すればいいと思う。ターゲット -14LUFS で自動調整してくれる。

日本は LKFS という単位を採用しているが、アメリカやイギリスの採用ラウドネス単位は LUFS だ。どっちも同じなんだけどね…

ここでは Youtube 前提で Streaming で解析開始

自動解析中…

自動で設定完了!難しいマスター処理の知識なぞ不要だ!

左下の Learn Threshold を見てみると Target は -14LUFS である。

正直、TV に納品するときはマスターテープを作ってくれる人にラウドネスは任せるので、ここまで自分でできれば、問題ないだろう。セルフで納品する場合は基本 Youtube アップロードだろうし、ターゲットは -14LUFS で問題ないと思う。

導入は結構おすすめ。勉強にもなる。

自動で設定してくれるので、各パラメータの勉強にも使える、MA エンジニア泣かせなプラグインであります。でも結局は使いこなせないと意味がないので、音声編集のプロエンジニアに任せるのが最善ですが、自前でなんとなく仕上げてほしい場合の案件のときは重宝すると思います。音がしっかりしているだけで、映像の評価が意外と変わってきますので。

RX Standard や Advance には いろいろな Repair と Utility があります。例えば風の吹付けの音を軽減するものだったり、リップノイズを自動で軽減してくれるもの、入力オーバーして歪んだ信号をリペアするもの、撮影時どうしても回避できなかった問題にたいして、Best ではないですが、Better なアプローチを提供しています。

ポスプロの強い味方。

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