2019.08.26 (最終更新日: 2019.08.27)

夢のフォーマット?Blackmagic RAWの驚異的な優位性

目を引くようなタイトルをつけてしまいましたが、Blackmagic RAW(.braw)みなさん使っていますか?今回は、まだRAWすら使ったことが無い方にも、Blackmagic RAWが、どれだけすごいか、どれだけ便利か、端的に叫んでみたいと思います。

はじめに

以下の内容は、寝ながら聞ける映像系ネットラジオ「しゃべりきり」で話した内容のまとめになります。よかったら、こちらもお聞きください。
※映像はありません、声のみです。

それでは、さっそく手短に「Blackmagic RAWの素晴らしさ」を叫んでみたいと思いますが、そもそもRAWって自分の制作には遠すぎて興味がない、という方に向けてBlackmagic RAWの素晴らしさを"ザックリ"言うとすれば、

「4Kでも汎用のコーデック並みにかなり軽快に編集でき、さらに後から露出やISO、ホワイトバランスも変更できる夢のフォーマット」

という感じかも?あくまでリカバリーの視点から見れば、です。もちろん、後からの処理に有利、という事は、グレーディングに有利、という事につながります。では、簡単に自分が思ったことをまとめます。

1)RAWなのに圧倒的に軽い

RAWと言えば、容量をかなり喰う、という印象があると思います。それを覆したのがBlackmagic RAWです。具体的には、以下の表をご覧ください。

※Blackmagic RAWにはCB(固定ビットレート)とCQ(可変ビットレート)の2種類あります。詳しくは、BMDのサイトを参照

これはURSA Mini Proに、自分の会社にあったSANDISKのExtremePro 256GBのSDカードを入れた場合の残量表示をまとめてみたものです。ざっくり言ってしまうと、Blackmagic RAWの最高画質が、ProRes422 HQで収録した容量にほぼ並びました。スタンダードなBRAW画質でも、 ProRes422LT程度の容量でRAWが収録できるようです。これはたとえばGH5で10bit4:2:2で収録した映像より軽い場合も出てきます。クリエイターレベルでも、4K RAW収録が現実的に思えるビットレート、軽さです。

2)RAWなのに編集がとても軽快

RAWは重い、というのはすでに幻想です。Blackmagic RAWであれば、ProRes422並に軽快な編集が可能です。(※あくまで自分の環境での印象です。)Blackmagic RAWは、現状だとDaVinciResolveと、BRAWStudioというプラグインをインストールしたPremiereProで編集が出来ますが、グレーディングをした映像であっても、キー処理やノイズリダクションなど重い処理をしていない限りかなり快適に再生できています。技術的な話になると、デモザイク処理(ディベイヤー処理)の一部をカメラ側で既に行ってしまっているので、後処理の負担が軽くなっている、というのがあるようです。(このあたりは、上記で紹介したネットラジオ「しゃべりきり」で少し詳しく話しています。)

具体的にどれくらい軽快か、というと、自分のマシンは、iMac5K 27inch Late2015という4年前のモデルですが、それでも4.6kのBlackmagic RAWをグレーディングした状態で、普通に再生出来ています。(プロセッサ:4GHz Intel Core i7 / メモリ:32GB / グラボ:AMD Radeon R9 M395X 4GB)驚いたのは、キーイング処理をしている部分でも概ねガクガクになる事もなく走った事。GH5の4K10bit422(h.264)が激重だったのに対し、これには驚きました。こんなに軽快で、12bitRAWだったら、使わない手はないですよね。。

3)RAWだからこそできる後処理

もちろんRAWですから露出/ISO/ホワイトバランスを後から変更できます。たとえ撮影の時点で若干失敗したとしても、あとでソフト上で戻せばいい話。さらにはホワイトレベル、ブラックレベル、ニー、シャープネス、ガンマなど普段カメラで設定している項目が後から変更できます。色が焼き付いてデータが切り捨てられる事もなく、センサー性能が許す限りのダイナミックレンジがすべて残っています。

4)1本のムービーファイルで取り扱いが簡単

これまでのRAWといえば、CinemaDNG等、連番+音声ファイルのイメージがありましたが、Blackmagic RAWは.movや.mp4と同じような1つのムービーファイルになっています。Macで言えば、QTプレイヤーでは再生できないものの、最初のフレームは見ることができますし、OSレベルでもサムネイルがしっかり表示されます。またBMDから提供されているBlackmagic RAW Playerで簡単に再生する事が出来ます。

5)完全無償でオープンソースのコーデック

無償SDK(開発キット)が配布されているためソフト開発側が、やろうと思えば、すぐにでもBlackmagic RAWを編集ソフトに組み込む事が出来る状態です。現状は、DaVinciResolveと、一部のPremierePro用プラグインに留まっていますが、今後の各社の対応に期待したい部分です。ただ、Apple ProResRAWの存在やCanon Cinema RAW Light等、各社もこのあたりはしのぎを削っている部分と思われ、これ以上は語れない部分もありますが、プラグイン通してでも、対応ソフトが増えてくればと、期待しています。

6)他のRAWには無い便利機能

Blackmagic RAWは最先端のフォーマットなので、いろんな便利機能も搭載されているのですが、中でもサイドカーファイルというものがあります。これは外部メタデータファイルで、元の映像ファイルのメタデータを上書きする事なく、外部ファイルでメタデータのやりとりが出来ます。たとえば、DaVinciResolve上で現像(露出/ISO/WB、その他、ガンマやカラースペース等の設定)したとして、その情報を一時的に外部で共有したければ、一旦サイドカーファイルに書き出します。すると、自分で意図した色で相手に渡すこともできますし、汎用のプレイヤーでも、その色で再生してくれたりします。もちろんサイドカーファイルを破棄すればデフォルトに戻ります。

最後に。。

RAWで撮るのはいいけど、現像の方法がよくわからない、というのがあると思います。「普通の色でリカバリー目的」という視点で言えば、ポイントは2つのみです。

【ポイント1 】 -カメラ設定-

  • 収録形式を「Blackmagic RAW」にする
  • 撮影の時点でDYNAMIC RANGEを「Video」もしくは「ExtendedVideo」で撮っておく

【ポイント2 】 -DaVinciResolveのプロジェクト設定-

  • カラーマネジメント / カラーサイエンスを「DaVinciYRGB」タイムラインカラースペース を「Rec.709 Gamma2.4」に(より便利なカラーマネジメント方法もありますが、今回はデフォルトの「DaVinciYRGB」を使います。)

  • カメラRAW / RAWプロファイルから「Blackmagic RAW」を選び、デコード品質を「フル解像度」、デコードに使用を「カメラメタデータ」に
    ※デコード品質は環境に応じて解像度を下げても構いません。レンダリングの際にフル解像度で出力(デリバー)できます。

デコードに使用を「カメラメタデータ」にしておくことで、撮影の時点でクリップに埋め込まれたメタデータを利用して現像されます。ですので、難しいことを考える必要はありません。

撮影の時点でDYNAMIC RANGEをLogカーブの「Film」に設定し撮影している人が多いと思いますが、これはグレーディング前提でLUTを使いながらの撮影方法です。ProRes422等、初めから色付きで撮影してしまう場合は、DYNAMIC RANGEを広くとっておくために「Film」で撮影したほうがベターですが、RAWはあとからでもDYNAMIC RANGEを変更できますので、撮影の時点でDYNAMIC RANGEをどれに設定しても大丈夫です。むしろ最初からスタンダードな色味で撮影したい場合は、「Video」もしくは「ExtendedVideo」に設定しておくほうが良いでしょう。尚、「ExtendedVideo」は、PanasonicのCineLikeDや、CanonのWideDRのように高輝度部分を寝かせた、ダイナミックレンジが広く、それでいてしっかりした色の付いたプロファイルです。最初から白を寝かせて撮りたい場合は、「ExtendedVideo」を使うのもよいでしょう。何度も申し上げた通り、RAWですから、撮影した時点の色が気に食わなければ、後からいかようにも変更する事が出来ます

具体的な方法は、DaVinciResolveの場合、「カラーページ」のカメラRAWの部分で、「デコードに仕様」を「プロジェクト」から「クリップ」に変更する事で、いろんな項目を変更できるようになります。ただし、ガンマを「Video」にしてしまうと、ガンマコントロールは変更できません。変更したい場合は「ExtendedVideo」にします

残念なことに、Blackmagic RAWは現状ではBlackmagicDesign製のカメラでないと収録できないので、そもそも論もあるかもしれませんが、15万程度で買えるBMPCC4Kがいかにすごいカメラか、というのは吠えてもいいかもしれません。以上、機会あればBlackmagic RAWでの編集を体験してみてください。

尚、自分のポートフォリオにも、2019年からBlackmagic RAWで撮影した作品を掲載しています。(URSA Mini Proで撮影したもの)Blackmagic RAWのサンプルとしてご覧ください。

【関連リンク】

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