はじめてのFusion(1)/Fusionとは?

はじめに

ブラックマジックデザインでは、Fusionという合成/VFXツールを提供しています。

DaVinci Resolveと同じく、制限の極めて少ない無償版が提供されていますが、まだDaVinci Resolveと比べるとユーザーの数は少なく、日本語版のマニュアルやチュートリアルなどの資料にも乏しいことから、「ダウンロードしたけどまだ触ったことがない」、「試したけれどよくわからなかった」という声も耳にします。

これはいささか残念なことかもしれません。というのはFusionは数あるソフトウェアの中でも屈指の合成/VFXソフトウェアであり、DaVinci Resolveに匹敵するほど豊かな可能性を持ったソフトウェアだからです。しかもこれまではコストが高価だったため、導入できるのはハイエンドのポストプロダクションなどに限定されていましたが、無料でアプリケーションが提供されるようになった今では、興味のある方はどなたでもFusionを試したり、Fusionで作品作りができるようになりました。合成やVFXに関心のある方にとって、これはまたとない好機と言えます。

そこでブラックマジックデザインでは、Vook noteの場をお借りして、「はじめてのFusion」と題して、Fusionの基礎についてご紹介していきたいと思います。

Fusionとは?

Fusionとはどのようなソフトウェアなのか、その問いに答えるにはブラックマジックデザインのFusionのページをご覧いただくのがいちばんの方法です。


                   Fusion 9 - 製品紹介ページ

日本語の解説動画もあります。

定評のあるコンポジションツール

Fusion はコンポジティングソフトウェアであり、より正確には、イメージを合成(コンポジット)するためのソフトウェアです。コンポジットとは、「異なる部分や要素を合わせて全体を生成する」作業に他なりません。

Fusion は多くのソースからイメージを合成したり、最終的なイメージを作り出したりすることを念頭に設計されています。現代の映画、テレビ、インターネットでは、数知れない素材が合成されて作品を形作っています。バーチャルセットを、ライブの素材と融合する。コンピューターの CG で作られた俳優が、実際のスタントマンの代わりをする。近年では、リアルな素材と バーチャルな素材はますます密接に絡み合うようになっています。

したがってコンポジティングアーティストの役割は、様々な要素や材料を組み合わせて、プロダクションの目標となる芸術的なビジョンに合致した 1 つのイメージを生成することになります。これを達成するためには、アーティストはカラーコレクション、グリーンスクリーン合成、トラッキング、パーティクル、ブラー、グロー効果などといった、様々なテクニックを駆使しなくてはなりません。

Fusion はビジュアルエフェクトの分野での 30 年近い実績と経験から、いかなるコンポジションの問題も打破できるよう、多種多彩なツールを用意しています。

ハリウッドスタンダード

Fusionはこれまでヨーロッパやアメリカなどの世界各国のポストプロダクションで広く使用されてきました。特にハリウッドでは、合成ソフトの定番として認知されており、Fusionが使用されたハリウッド映画は枚挙に暇がありません。映画以外にも、CM、PV、テレビ番組、アニメーションなど、Fusionは常に映像制作の最前線で選ばれ続けてきました。

これまで使用された主な映画には、『タイタニック』、『アバター』、『シン・シティ』、『007 スカイフォール』、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『キングスマン』、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』『キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー』、『オデッセイ』、『マレフィセント』、『ゼロ・グラビティ』、『ピクセル』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』、『スパイダーマン2』、『ハンガー・ゲーム』などがあります。


日本の例では、映画『バクマン。』やゲーム「モンスターハンター4G」があります。詳細はこちらからご覧になれます。

映画「バクマン。」のエンディングにFusion Studioを使用

x10 Studio 「モンスターハンター4G」のカットシーン制作にFusion Studioを使用

主要な機能

それでは具体的にFusionではどのようなことができるのでしょうか? 簡単に示すなら、次の図のようになります。中心となるのは前述の通りコンポジション(合成)です。多くのFusionユーザーがたびたび指摘するのは、Fusionでは2D合成と3D合成の間の敷居が低く、シームレスにコンポジションを作成できるということです。Fusionにはそれ以外にも、キーフレームを使用したモーショングラフィックツールや、合成の際に明るさや色を調整するためのカラーコレクションツールも搭載されています。

Fusion は 200 を超えるツールを搭載しており、その他にもアーティストが効率的かつ効果的に作業ができるよう、様々な細かな仕組みが用意されています。

  • 特定の箇所のみをレンダリングするための、Region of Interest(RoI)、Domain of Definition(DoD)機能を搭載。
  • 複雑なコンポジションにおいてもイメージのシャープさを保持。
  • 無限の空間で作業。
  • 2D でも 3D でも分け隔てなく同時に作業できる統合されたツール。
  • 100 以上のファイルフォーマットに対応。
  • 解像度の制限なし。
  • 32bit 浮動小数点処理。
  • Python、Lua のプログラム言語に対応。
  • ASCII ベースのプロジェクトフォーマット。
  • RAM やハードディスクへのキャッシュシステム。
  • 64bit アプリケーション。
  • GPU による 3D レンダリングと 3D 表示。
  • 1D、3D のルックアップテーブル(LUT)によるカラーキャリブレーション。
  • 最終レンダリングのみならずプレビューやディスクキャッシュにも対応したネットワークレンダリング。
  • RAM やハードディスクへのバックグラウンド・ネットワークレンダリング。
  • ビンサーバーによく使うツール、マクロ、設定を保存可能。
  • 詳細な説明書のついた使いやすい SDK。

次回は、インストール方法と推奨環境について解説します。

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コメント

  • kobayashi
    >したがってコンポジションアーティストの役割は、

    >中心となるのは前述の通りコンポジション(合成)です。

    動詞としての「合成」なので、これらは「コンポジティング」とすべき所ですね・・・
  • ブラックマジックデザイン
    貴重なご指摘ありがとうございます。修正いたしました。