「撮影に行くときに一番大事なのはカメラ、帰るときに一番大事なのはストレージ。」
普段ロケ撮影が多い私は、データ管理にはできるだけ気を使う様にしています。どれだけよい撮影ができても、そのデータが消えてしまっては何の意味もなくなってしまうからです。そのためにデータ管理のワークフローやソフトウェアについていろいろと考えてきました。
ポータブルHDD/SSDの運搬安全性を徹底的に追求してみる。
「撮影に行くときに大事なのはカメラ、帰るときに一番大事なのはストレージ。」 撮影の仕事をするときに一番気をつけていることです。 いい撮影をすることだけでなく、 撮影後のデータを確実にコピーして、...
ビデオグラファー基礎講座 〜ビデオグラファースタイルのデータ管理を知る〜
映像クリエイターなら一度は行き詰まるデータ管理。わかったつもり、コピーしたつもりでデータを紛失...
そんな中で、課題に感じていたことは、
ロケ現場にノートPCを持っていかなければならないこと。
数週間ロケ撮影の場合は、その間にメールや事務仕事もしたいので、ノートPCを持っていくことは必須かなと思いますが、数日の撮影の場合、ノートPCはデータのバックアップという用途でのみ持っていくことも多いのが現状です。私がいつも使っているのはMacbookProの15インチなので、それなりに重量もあり、撮影機材とあわせて運ぶと地味にその重さが辛いということが多々ありました。(飛行機での移動の場合、重量制限などに関わってくるという点も懸念事項でした。)
そんな悩みを持っていた時発見したのが、
NEXTO DI NPS-10というポータブルバックアップデバイスです。
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NEXTO DI NPS-10とは?
この写真の機械が NEXTO DI NPS-10。サイズは普通のポータブルHDDがちょっと厚くなったくらい。重さも見た目ほどは感じず、気持ち重めのHDDというくらいの重量です。
上部と側面に、カードリーダーがついており、SDカード2枚とmicroSDを一枚、CFastカードを一枚を挿すことができます。そしてそのカードの中身を本体内部に設置したSSD/HDDにコピーすることができます。
(※CFast対応モデルの他にも、XQDカードのモデル、CFカードモデルもあります。どれもSDとmicroSDカードリーダーはついています。)
上の画像のように、ただコピーするだけでなく、ベリファイ機能もついているので、コピーが正しく完了できているか、コピー作業後にチェックも行ってくれます。
さらに内部にバックアップした動画・写真データは、本体の液晶にてその内容を確認できます。動画のコーデックは全てではないですが、現在よく使われているコーデックの多くをおさえているのでだいたいのデータが確認できると思います。ちなみにBRAWは非対応のためサムネイルも見ることはできませんでした。
上の写真はα7Riiiで撮ったXAVC-S 4Kのデータです。動画の再生までは負荷が大きい様でスムーズにはできませんでしたが、サムネイルで何を撮ったカードだったのかは確認できるので、データ管理には個人的には十分な機能かなと思っています。
内蔵ディスクは自分で選べる。
コピーするSSD/HDDは2.5インチのSSD/HDDを別途買ってきて本体内部にセットすることができます。容量やスピードを自分で選べるのはすごくありがたい機能だなと思います。
さらにUSBで外付けのSSD/HDDを接続することで、内部ディスクに保存したデータを外部ストレージにコピーできます。セカンドバックアップを簡単に作れるということです。ただしUSB(TypeA端子)で外付けSSDを接続した場合はUSB-C端子から外部給電をすることが推奨されています。 モバイルバッテリーなどをつないで給電しないと、外部のストレージまで動かす電力は内部バッテリーでは賄えないということのようです。
価格は?
詳しくは後述しますが、NEXTO DIは韓国の企業で、日本の販売代理店はIDXです。日本ではSystem5で購入でき、価格はだいたい47000円程度です。SSDは付属していないので、好きな容量のものを追加で用意する必要があります。
競合製品は?
この製品の様なポータブルバックアップデバイスは以前から存在しており、同じ様な価格帯ではLacie DJI copilotやLacie Rugged BOSS SSDなどがあります。
これらの製品も同じ様に内蔵電源で駆動し、単体でデータバックアップが可能です。そしてさらにスマホのアプリから中のデータを確認できるという機能もついています。
今回、私が上記のLacieではなくNEXTO DIを購入したのは、LacieにはSDカードリーダーのみ内蔵されているのに対して、Cfast(もしくはXQD)といったよりハイエンドのカメラで使用されているカードがそのままささるという点がまずあります。現場にもっていくカメラの種類によって持っていくカードリーダーや接続ケーブルを準備するというのは地味に手間なので「これだけ持っていけばデータ保存は大丈夫!」という状態になるのはとても価値があります。
さらにこのNPS-10を作っている NEXTO DI はモニターで有名な韓国のTV-Logicの傘下のデータバックアップマシン専門の会社で、だいぶ前からNPS-10より高価で高度な機能をもったバックアップシステムを販売しているため、バックアップ専門企業としての信頼感があるのが安心なポイントでした。(ちなみにこのNPS-10はそれら上位機のビデオグラファー向け廉価版のような立ち位置で登場したモデルです。)
おわりに
データ管理は映像を撮影する上で非常に重要なポイントですが、NPS-10はその部分を安定感を持ったまま簡略化できる貴重な機材だなと感じています。これからの私の撮影ワークフローに欠かせない存在になりそうです。
ちなみに激推ししていますが、この記事は私が勝手に書いているだけで機材提供もスポンサーもされていない記事ですので、その点ご理解ください!
また、このNPS-10も組み込んだ、
自分たちのデータマネージメントワークフローを
動画にまとめてみたので、ぜひご覧ください!
伊納 達也@tatsuyaino
伊納達也 ノンフィクション映像作家 コミュニティをテーマとしたドキュメンタリーフィルムの制作や、企業のCSV/CSRなどの持続可能な取り組みに関する映像制作を行う。 (経歴) 東映シーエム株式会社で制作進行として勤務後、2014年から株式会社u...
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