2019.11.14 (最終更新日: 2020.03.30)

PremiereProでBlackmagicRAWを使うガイド【決定版】 Part.2

Part.1ではBlackmagicRAW(以下.braw)をPremiereProで扱うための基本的なフローを説明しましたが、現時点でいくつか問題点もありました。今回はその問題点に的を絞り、その回避策と、DaVinci ResolveへのTL受け渡し、PremierePro上で.brawのメタデータを表示させる方法などをお伝えします。

呼び込み時に.braw本来のタイムコードがズレる件

現時点で、一番大きな問題かもしれません。Autokroma社の話では、残念ながら現状Adobeの仕様によりbrawインポーターでのタイムコード修正が許可されていないようです。同プロジェクト内で完結する分にはまったく問題ありませんが、タイムラインをXML経由で他のソフトで開くようなケースで大きなトラブルになります。特に、編集は慣れたPremiereProで行い、最終的にXMLに書き出して、DaVinci Resolveでカラーグレーディングを行う、もしくはカラリストにグレーディングを委託する、というのがもっとも想定されるケースです。
これを回避するためには、プロジェクト読み込み後にユーザー自身がタイムコードを修正する必要があります。

※なお、59.94 fpsのbrawファイルはこの問題の影響を受けないため、23.976 fpsおよび29.97 fpsのbrawファイルのみが対象となります。

手動でタイムコードを修正する方法

Blackmagic純正plug inの場合、現状では修正する機能がないため、手動でタイムコードを修正する必要がありますが、個人的にはBRAW Studioでの修正をオススメします。もしBRAW Studioを購入する前提の方は、次の「BRAW Studio panelでタイムコードを一括修正」に進んでください。

  1. プロジェクトウインドウをリスト表示にし 目的のクリップのインポイントのTCを確認します。
  2. クリップを右クリックし「Finderで表示」からオリジナルの.brawクリップをBlackmagicRAW Playerで開きます。

※BlackmagicRAW Playerは、純正brawプラグインをインストールする際に一緒にインストールされます。もしくは、BlackmagicDesignのサイトからダウンロード&インストールください。「クリップビューアをダウンロード」ボタンから、ダウンロード可能です。

  1. PremierePro上のインポイントのTCと、BlackmagicRAW Playerで表示された最初のフレームのTCを比較し、ズレている事を確認します。

  2. クリップを右クリックし、変更/タイムコードと進み、BlackmagicRAW Playerで表示された最初のフレームのTCに入力し直します。


※Macの場合、変更項目がアクティブにならない場合は.brawのアクセス権が読み書き可能になっているか確認する。

以上を、タイムラインで使用しているすべてのクリップに対して行います。

BRAW Studio panelでタイムコードを一括修正

BRAW Studioの場合、「BRAW Studio Panel」を使えば、ボタンを1クリックするだけで一度に複数のクリップのタイムコードを修正できます。同時に.brawに埋め込まれたメタデータをPremiereProで表示できるようになります。

  1. Premiere Proのトップメニューで、ウィンドウ/エクステンション/BRAW Studio panelを開きます。
  2. 最初のボタン「Set for every item of current project」をクリックします。

以上でPremiereProに読み込まれた全ての.brawのタイムコードが一度に修正されます。

※注意①:「BRAW Studio panel」の修正ボタンは、brawのサムネイルがプロジェクトウインドウで生成されていない場合は機能しません。(Premiere Proがクリップをイニシャライズするのは、レンダリングする最初のフレームだけのため)。このため、パネルボタンをクリックしてもタイムコードが補正されない場合は、プロジェクトウインドウでサムネイル表示に切り替え、すべてのbrawのサムネイルが表示された事を確認し、どれか1つのサムネイルをスクラブしてみます。

※注意②:クリップの多さによっては処理に時間がかかる場合があり、処置中は一瞬フリーズしたかに見えますが(Macだとレインボーマークが回る)あくまで処理中の動作です 。気長に待っていると処理が終わります。

なお、BRAW Studio1.7.4からは、親切にも「読み込んだ.brawはタイムコードがずれてますよ」というアラートが出るようになりました。BRAW Studio Panelでタイムコードの修正が完了すると、画面右下に青のウインドウで「TCセットが完了し、ついでにメタデータも読み込んだよ」という英語のメッセージが現れます。

一旦タイムコードを修正したら、その後はズレないのか?

残念ながら、なにかしらの形で.brawクリップがオフラインになった場合、タイムコードが再び正しく表示されなくなる場合があります。その場合は「BRAW Studio panel」のボタンを再度クリックする必要があります。

また、オフラインになった場合に出現する「メディアをリンク」ウインドウにて、「タイムコードを揃える」にチェックが入っている場合、クリップの再リンク時にTCのシフトの問題が発生する可能性があります。必ず「タイムコードを揃える」のチェックを外してから再リンクしてください。


※「タイムコードを揃える」のチェックボックスは外しておく

※自動再リンクされてしまう場合

PremiereProは時により自動でクリップを検索し、再リンクしてプロジェクトを開きます。その際は上記のような「メディアをリンク」ウインドウが出現しません。その場合、一旦プロジェクトパネルで、どれか1つのクリップをあえてオフラインにし、再度リンクを試みると「メディアをリンク」ウインドウが現れますので、「タイムコードを揃える」のチェックを外し、そのプロジェクトを保存しないで閉じます。そうする事で、次回から自動再リンクが行われる場合でも「タイムコードを揃える」にチェックが入っていない状態で開かれるようになります。

DaVinci Resolveにタイムラインを受け渡す

DaVinci Resolveに編集したものを受け渡すには、ファイル/書き出し/Final Cut Pro XML で、一旦XMLに書き出して、DaVinci ResolveのエディットページでXMLを呼び込みます。重要なのは、XMLに書き出す前に、上記の方法でPr上の.brawのタイムコードを修正しておく事です。

データ移動時にタイムラインでクリップのシフト問題が発生した場合


上記のイメージのように、クリップにゼブラのような模様が発生し、クリップ自体のシフトが起こる場合があります。この問題は、クリップがオフラインになり、再リンクされるときに発生します。次のような場合があります。

  1. Premiere Proのバージョンを更新し、以前のプロジェクトファイルを開いた場合
  2. brawの保存場所を移動した場合
  3. brawデータが外部ドライブ(またはネットワーク上の場所)にある場合
    (ファイルパスがセッションごとに変更される可能性がある)
    シフト」とは、タイムライン上のクリップのイン点とアウト点がある一定のタイムで変更された状態を示します。結果としてタイムライン上のクリップの継続時間が変更され、クリップに縞模様(継続時間のエラーを示す)が表示されることがあります。

クリップのシフトが起こっている状態でプロジェクトを保存してしまった場合、純正Plug inでは1つ1つ手動で編集点を直す必要がありますが、BRAW Studioの場合「BRAW Studio Panel」の4つのボタンで修正が可能です。以下は、BRAW Studioでの修正方法を説明します。

Correct Shift(Auto)ボタンは、タイムラインでシフトされたすべてのクリップを修復します。クリップが何度もオフラインにされ、再リンクされている場合は、ファイルが何度も移動されている可能性があります。その場合は、このボタンを何度もクリックする必要があります。
クリックするたびに、タイムラインのクリップのイン点とアウト点に問題がないかどうかを確認してください。誤って必要以上クリックしてしまった場合は、UNDOボタンを押して状態を戻します。

最後の2つのボタンは、最初の2つのボタンでは不十分な場合に、タイムラインで選択したクリップを個別に移動するためのボタンです。

PremiereProで.brawのメタデータを表示させる方法

最後に、PremiereProのリスト表示の際に、.brawのメタデータを表示する方法を説明します。残念ながら現在、純正のPlug inではできませんが、AutokromaのBRAW Studioの場合、「BRAW Studio Panel」の「Set for every item of current project」ボタンを押した段階で.brawのメタデータがプロジェクトに読み込まれます。

以下がクリップに設定されるメタデータのリストです。これらは全て頭に「BR」という文字列が付いています。

BR Recorded Date
BR Camera Letter
BR Lens Type
BR Clip Name
BR Environment
BR Day/Night
BR Camera Name
BR Reel
BR Scene
BR Take
BR Good
BR Timecode

  1. プロジェクトパネルでリスト表示にして、メタデータを表示させます。

  2. カテゴリ行を右クリックし、 「メタデータの表示」 をクリックします。

  3. 「Premiere Proプロジェクトメタデータ」を開いてリストの最後に移動し、「BR」で始まる項目を必要分チェックして、「OK」をクリックします。

※プロジェクトウインドウにて、直接brawのクリップを右クリックし、プロパティを表示させる事でも、同じBRメタデータを表示できます。

特に、「BR Timecode」は.brawの正確なタイムコードを知る上で重要です。このメタデータは常に開始タイムコードの隣に配置する事をオススメします。

これで、2回に渡るガイドは終了しますが、PremiereProでBlackmagicRAWで編集するフローはまだまだ発展途上であり、各メーカーの対応により劇的に改善される部分が期待できます。それまでの羅針盤として今回のガイドがみなさんの役に立てれば嬉しいです。BlackmagicRAWは、安い、軽い、早いと、いいとこずくめのRAWフォーマットなので、個人的にはもっと普及してほしいと願っています。

関連リンク

・しゃべりきりRADIO Vol.08「BlackmagicRAW、のお話」
https://youtu.be/lV124NAj9tk

・純正plug inとBRAW Studioの違いについて(英語)
BlackmagicRaw Plugin and BRAW Studio - What’s the difference ?

・Pr上のタイムコードのズレについて(英語)
Blackmagic RAW (BRAW) Wrong Timecode Issue in Adobe CC

・Pr上で.brawを再リンクの際、クリップエラーが起こる件(英語)
How do I avoid the Shift Issue in BRAW Studio ?

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