はじめに

インディペンデントの映画祭の登竜門といえば、アメリカではサンダンス映画祭だと思います。

2016年、サンダンス映画祭の参加者は46,000人超。ネイト・パーカー監督が主演も演じた作品で、1915年にD.W.グリフィスによって制作された作品と同タイトルの映画「Birth of Nation」が、映画祭史上の過去最高額の$17.5M(凡そ20億円)で取引されました。

参加者数とインディペンデント作品配給の掛け値どちらもアメリカ最大のインディーズ映画祭になっています。
そんな映画祭に仕事の一環で行ってきたので、その時の体験をレポしようと思います。
参考になればと思います!

サンダンス映画祭

2017年度のサンダンス映画祭は、1/19から1/29までの10日間でした。
僕は1/19-1/23までの短い期間だけ滞在したので、その後の事情は予想するしかありませんが、前半が一番盛り上がるという噂だったので、多分良いタイミングだったんだと思います。

"ちなみに"という話ですが、
映画祭に自分の作る映画を出す場合は、以下の締め切りを守る必要があります。(2018年度の映画出展締め切り)

出品は必ずしも安くはありません。それでもインディペンデントの最高峰は、目標としてはベストです。

出発前の準備

サンダンス映画祭に出発する前に必ず確認するサイトは「The Tracking Board(ザ・トラッキング ボード)」というプラットフォーム。この場を借りてご紹介しますが、参加していた日本人の方はほぼサイトについて知りませんでした。

まずは彼らが掲げているサンダンスの準備10項目を翻訳しましたので、ご覧ください。


サイトはこちらから。

サンダンス映画祭で必ずすること・しないこと 10項目

  1. 映画を見終わってすぐにツイートしない。
  2. 寒さに耐えられる服装で来る。
  3. UBERを使うな。
  4. 現地に着いたら食料を買いこめ。出来ればスーツケースに入れて持ってこい。
  5. 水筒を常備すべし。
  6. パーティの準備は現地に着く前から。リストに名前が載っていないのは有りえない。
  7. ボランティアに感謝。
  8. 現地で知り合った知人や友人とは連絡を密にとるべし。
  9. 劇場でうるさくしない。
  10. 映画を見なさい。

項目について書かれた記事はコチラ。(英語)
このリストさえ知っていれば、とても楽しいサンダンス映画祭になります。ただ見ただけでは分からないかも知れないので、説明していきます。


参照:ザ・トラッキングボード

ひたすら寒い

まずサンダンスはユタ州のソルトレイクシティ(冬季オリンピックが昔ありました)からタクシーで凡そ45分ほど山に登って行った先にある小さなスキーリゾートのパークシティという場所で開催されます。

そのためメチャクチャ寒いです。常にマイナス気温で、雪も当たり前のように降っています。なので必ず防寒具をちゃんと用意してきてください。そして防寒着をレイヤーのようにして、脱いだり着たり出来るようにしてください。建物に出入りする頻度がかなり多いので、出来る時に体温調節をしておかないと風邪を引きます。実際に知人は風邪をひいてホテルで2日寝たきりでした。手袋が無いのは本当に辛くて泣きたくなります。(僕は2日目に確保)

「UBERを使うな」理由は2つ

1つは値段が超高いからです。トラックボードによると、1番UBERが混んでいる時に1分乗っただけで75USD(8000円程度)かかったそうです。ただこれはあまり混み合っていない早朝や深夜の2時,3時になると解消されます。2つ目の理由は、道がありえないほど混むからです。基本的にタクシーもUBERもバスも一緒ですが、サンダンスに着いた時点で、早く帰宅しようと思うと通常の4倍ほどの時間がかかります。僕の場合20分の道のりが、1時間15分かかりました。

食事と水筒

パークシティにはスーパーがありませんので、外食かパーティー食になります。値段が高いし、混んでいます。まともなもの(フルーツやナッツも含めて)を食べようと思うと、ある程度買って行った方が良いかもしれません。ちなみにジャンクフードで良ければパークシティにも安いピザが買える店がサンダンスHQ(ヘッドクオーター)の側に1軒だけあります。ただ毎日はツライと思います。

水筒常備と書いていますが、これはパーティやイベントに名前を事前登録していれば、飲み物は確保できます。ただ、保温が出来る水筒があれば、温かい飲み物を野外での列に並んでいる間に飲めるので嬉しいです。

パーティの予約 - RSVP

サンダンスはイベントの6-7割が、パーティや企業の展示です。そしてその大半が事前予約をしていないと、なんと入ることが出来ません。パーティは100%の確率で、事前にRSVP(予約のこと)をしているか、IDを持っているかを聞かれます。RSVPする際に、1人だけ連れを一緒に登録することができるのですが、RSVPしている知り合いが周りにいなければ、どこにも入ることが出来ません。

これがツライ理由は2つ。

1つは出会いの場が無くなるということ。サンダンスは映画ビジネス系の人間が、どのインディーズ映画祭よりも集まることで有名です。たくさんの映画投資家や、セールス、ジャーナリストから配給の方までが映画祭に来て、パーティで出会う人とひたすらネットワークするという側面もあります。もしもそういう人に会いたければ、パーティは必ずできるだけ多くRSVPしましょう。サンダンスで出会った友人がRSVPしていないイベントでも、自分がRSVPしていれば誘って一緒にパーティに行くことが出来ます。

2つは暖をとれる場所が減ることです。リアルに寒いので、どこか暖かいところで座って休みたくなります。数日の間、朝の8時ごろから夜中の2,3時まで町中を歩きまくるので、ものすごく疲れます。そう言った時に休める場所が何処かにあるのを知っていると、安心です。

パーティの予約は非公式のものを除いて、今年は全部で170。トラッキングボードのサイトに年間契約する人だけが見ることができる特別なパーティのリストがあります。


参照:ザ・トラッキングボード

1番誰でも簡単にRSVPが取れ、多くの海外からの映画制作者に会えるのは、サンダンスHQパーティと呼ばれるもの。これはサンダンス映画祭の運営ヘッドクオーターで行われるもので、映画祭参加者にはRSVPをするためのメールが届きます。

他にもたくさんのパーティがあり、短編部門や長編部門で入選しているたくさんの才能あふれる映像作家の方々に会える機会があります。英語が話せない人もみんな頑張ってコミュニケーションを取ろうとしていて和気藹々としているので、英語が苦手でも話し始めればだんだんと楽しくなってくること間違いないです。

映画が見れない?

10項目の最後の一つ「映画を見なさい」ですが、実はこれが割と多くの人に当てはまることがあります。

何故か?

1つは映画のチケットが手に入らないからです。人気の映画はすぐにチケットが完売しています。Box Office(ボックスオフィス)というチケット売り場が街中で何箇所かあり、午前中にその日の映画のチケットを買うことが出来ます。ただ長蛇の列なので、カウンターに着く頃にはお望みの映画のチケットが無いことが頻繁にあります。サンダンス映画祭のVIPメンバーや、以前の受賞者など特別な人にはチケットが優遇されますが、それ以外の一般参加者はチケットの争奪戦です。

携帯アプリ

次に、サンダンス映画祭の携帯アプリでWaitlistを常に確認して、空きがある映画は無いか探します。上映ちょうど2時間前にWaitlistがオープンになるんですが、バーニングマンのチケットのように、最初の0.1秒が勝負です。クリックして運が良ければ取れます。これもチケットは一人まで友人を連れて行くことが出来るので、二人で行きたい場合はお互いが相手の分まで取る覚悟でクリックを押す感じで頑張ってください。


参照:Sundance Film Festival 2017

参照:The Verge

もし取れなくても諦めずに会場に行ってみましょう。

案外チケット買っても来てない人がいる

チケットが取れず、Waitlistもダメで凹んでも大丈夫です。映画が上映されている場所まで行ってみてください。実はWaitlist以上に、会場は座席にまだ余裕を持たせている場合が多かったです。もしくはチケットを持っていても来ない人がいます。パーティの二日酔いで動けない人や、思わぬ出会いで話し込んでしまって映画そっちのけでビールを飲んでいる人など様々な理由ですが、こっちとしては絶好のチャンスと思って行ってみましょう!僕も諦めずに友達と4人で会場まで行きましたが、全員その場で並んで入ることが出来ました。

ちなみに「映画を見なさい」と項目にあった理由の二つ目は、映画祭に来てビジネスの商談かパーティだけして帰る人が多いからです。大きな映画祭と言ってもインディペンデント映画の最大の映画祭です。配給が決まらずに二度と見ることが出来ない映画がたくさんありますし、見たいと思っても見ることが出来なくなってしまいます。映画がもしもプレミア上映の場合は、映画の監督や演者ももちろん来ます。気に入った映画を見終わった後で、そんな彼らから貴重な映画製作秘話を聞くことが出来るのは、サンダンスならではです。ただパーティをするだけじゃ無く、映画制作を思う存分味わってください。

並んでチケットを買う場合は現金を用意

もしも劇場に出向き、チケットを購入出来ることになった時に、必ず忘れてはいけないのが現金です。チケットは現金でしか購入することが出来ません。映画祭初日にATMでまとまったお金を引き下ろしておくのが良いと思います。ちなみに映画祭に来たと言っても、映画を見るには毎回チケットを買わなければいけません。普通に映画館に行くような値段かそれ以上なので、見たい映画はちゃんと選んでみてください。

まとめ

だいたいこんな感じでまとめてみました。まだ結構書きたいことはありますが、長すぎると多分誰も読まないので、この辺でやめようと思います。また個人的に詳しい話が聞きたければ、別途Facebookかメールでご連絡ください。この制作ノートが、次回サンダンスに行かれる方の役に立つことがあれば、嬉しいです!!読んでくださってありがとうございました!

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