2019.12.13 (最終更新日: 2019.12.13)

カラーグレーディングを学ぶための日本語推薦図書

年末年始が近づいてきました。普段は忙しい方も、年末年始はゆっくりと何かを学ぶ時間が取れるかもしれません。そこで今回は日頃から質問をもらうことの多いカラーコレクション、カラーグレーディングについて、深く学べる書籍を1冊ご紹介します。

動画も記事もセミナーも悪くないですが、情報量や参照のしやすさという点では、書籍にかなうものはないかもしれません。やっぱり腰を据えて学ぶには本がいいですね。コタツに入って、みかんでも食べながら、この本と一緒に実りの多い年の瀬と年明けをお過ごしください。

カラーコレクションハンドブック第2版

この本は600ページもあって、7000円もします。「ハンドブック」という名前は、正直に申し上げて、その大きさを表現するには不釣り合いです(「ポケットシネマカメラ」という名前がそのカメラの大きさを表現するには不釣り合いであるように)。だからつい敬遠してしまう人もいるかと思いますが、カラーコレクション、カラーグレーディングを学びたい人にとってはこれ以上ない本です。カラーコレクションに必要な知識がここまで体系的に、論理的に、わかりやすくまとめられている本はありません。カラコレをしっかり本格的に学びたい方はぜひゆっくり読んでみてください。

カラコレについては世の中にいろんな書籍があり、いろんな動画があり、いろんな記事があり、いろんな人がいろんなところで教えているわけですが、結局何がいちばん役に立つのか、一つ選ぶとすればどれなのか、と聞かれるとこの本をあげないわけにはいかないと思います。本自体はかなり昔に出版されたものですが、まだ誰もこれを超えられていない気がします。

普通のこういう専門書は、いきなり専門用語をふんだんに使って話を始めたり(「そんなの知らんがな」)、あるいは簡単な内容が多すぎて歯応えがなかったり(「そんなの知っとるわ」)するのですが、この本はそのどちらでもありません。とにかく最初から最後まで懇切丁寧に一から教えてくれて、しかも細かいところまで気を配って案内してくれます。几帳面に、ゆっくりと、カラーに関するツールの使い方だけではなく、カラーや映像を扱う人なら知っておくべき色の原理や映像信号の規格のことも詳しく紹介してくれます。最初のページでは映像のことをほとんど、いや、まったく知らなかった素人の方でも、最後のページにたどり着く頃には、いっぱしのカラコレの専門家になれます。もちろん読むだけではだめで、本に書いてある内容を一通り理解して、本がなくても自ら実践できるようにならないといけないわけですが、この本をすべて習熟している人であればカラリストとしての仕事ができるくらいのレベルまで到達できるといっても過言ではありません。

しかもこういう専門書には珍しく、文章は親切で気が利いていて、日本語の翻訳も読みやすいです。ジョークもちょくちょく混ぜられていて、ところどころで一息つくこともできます。藪から棒にゲーテが引用されたりもします。

どんなYouTube動画を見るよりも、どんなセミナーを受けるよりも、どんな記事を読むよりも、どんなオンラインサロンに入るよりも役に立ちます──とまで言ってしまうと、いろいろと角が立つかもしれません。でも本当の話です。カラーコレクション、カラーグレーディングに興味のある方は、腰を据えて読んでみてください。そして読み終わったら何度も読み返してみてください。その価値は十分ある本です。

最後に一つトリビアを。この本を書いているAlexis Van Hurkmanという人は、DaVinci Resolve公式マニュアルの昔からの現在までの筆者でもあります。

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