2019.12.11 (最終更新日: 2020.03.16)

Mac Proはどの構成を買えばいいのか?(あるいは、そもそも買う必要はあるのか?)【DaVinci Resolve質問箱】

ついに昨日、Mac Proが出荷開始されました。Mac Pro 2013がリリースされて以降、映像業界では新型Mac Proに関する話が絶えることはありませんでしたが、永遠にも思えた待ち時間は終わりを迎えました。2014年には「いつ次が出るんだろうね」と囁かれ、2015年には「もうそろそろ開発しているのかしら」と噂され、2016年「もう出てもいい頃だけどね」と期待され、2017年には「あれ、まだかな、おかしいな」と訝しがられ、2018年「もう忘れられてしまったのではないか」と落胆され、2019年初頭には「もう我々の生きているうちには出ないのではないか」と呆れられたMac Proが、いよいよ我々の目の前に姿を現したのです。DaVinci Resolveのユーザーにとって、Mac Proの発売は興味のあるニュースだと思います。

はじめに

Mac Pro 2019は、過去のMacではなかったほどカスタマイズの幅が広いです。だから値段も50万円から500万円まで、いろんなバリエーションがあります。普通なら、何も考えずに「全部のせで」と言えば、満足のいくマシンが手に入るのですが、今回ばかりは「全部のせで」と注文すると、必要のないところまでお金をかけたマシンが出来上がってしまいます。そこでこの記事では、DaVinci Resolveを使うための最適なMac Proの構成をご紹介したいと思います。

最初に断っておいた方がいいと思うのですが、Mac Proが必要なのは、8K60pで作業をしたいという人です。あるいは4K60pを何レイヤーも重ねて、エフェクトをかけまくって、しかも書き出しの速度を格段に上げたいという人です。普通のHDや4Kのワークフローにおいては、MacBook Pro、iMac、iMac Proという感じで、もっとコストパフォーマンスが高いものがありますので、無理してMac Proを買う必要はないです。Blackmagic RAWなら、4Kでも6Kでも、MacBook Pro、iMacでガンガン動きますし。特に必要がないのにMac Proを買うくらいだったら、URSA Mini Pro 4.6K G2を買った方がよっぽど幸せになれます──と思います。

構成のポイント

CPU

最大2933MHzのメモリ周波数には、12コア以上の構成が必要です。メモリ速度も高負荷時には効いてくるため、12コア以上をお勧めします。

GPU

先月、NVIDIAがMacから撤退したことが記事になっていましたが、そのことを考えるともうMacでNVIDIAのGPUを使おうとするのは諦めた方がいいかと思います。Mac Pro専用の空冷システムも、AMDの専用GPUに最適化されているので、提示されているもの以外のGPUを使おうとするのは控えた方がいいでしょう。

GPUの選択肢は限られています。松竹梅でランク付けすると、こんな感じです。

梅 Radeon Pro Vega II
竹 Radeon Pro Vega II Duo
松 Radeon Pro Vega II Duo x 2

Radeon Pro Vega II Duo以上を使う場合には、バランスを考慮してCPUは28コアを選択しましょう。

ご存知のようにDaVinci ResolveではGPUの性能が大きくパフォーマンスを左右します。そしてGPUのメモリが大きければ大きいほど、大きな解像度を扱うことができます。そう考えると、これまでにMacではありえなかった32GB超えのVRAMは、8Kやそれ以上の解像度を扱おうとしている人たちにとってはまさに福音と言えるでしょう。

メモリ

6チャンネルのメモリシステムをフル活用するには、48GB以上の構成が必要です。ただし今後、互換メモリが出ることが予想されるため、最初からメモリを多く搭載する必要はないはず。DaVinci Resolveに関してはシステムメモリはほとんど使わず、ヘビーに使うのはFusionでRAMキャッシュをするときくらいです。

ストレージ

どれだけストレージを大きくしてもたかが知れているので、最初は欲張らずに1TBにしましょう。256GBもありますが、今回のストレージは独自SSDで増設困難なので、1TBを選択した方が賢明と考えられます。素材については、Thunderbolt3や10GbEの外付けストレージを用意しましょう。

ターゲット別推奨構成

シンプルにCPU、GPU、メモリ、ストレージの構成をターゲット別にご紹介します。

4K60p 編集、グレーディング

12コア、Radeon Pro Vega II、48GB、1TB

4K60p 超高速エンコード

24コア、Radeon Pro Vega II、48GB、1TB

8K60p 編集、グレーディング

28コア、Radeon Pro Vega II、48GB、1TB

8K60p ハードなグレーディング、ノイズリダクションなど

28コア、Radeon Pro Vega II Duo、48GB、1TB

8K60p Fusion

28コア、 Radeon Pro Vega II Duo x 2、196GB、1TB

HDや4Kの推奨スペック

前述の通り、普通のHDや4Kの作業、もしくはBlackmagic RAWを扱う場合にMac Proは必要ありません。Mac Pro以外の推奨PC/Macについては、この記事をご参考にしてみてください。

気になるポイント

・ラックマウント
ラックマウントのオプションがあります。UltraStudio 4K Extreme 3とか、Teranex Mini SDI to HDMI 8K HDRとかと一緒に、Mac Proをラックマウントして使えるわけですね。

・Afterburner
AfterburnerはDaVinci Resolveで使えるのか? これはまだわかりません。何の情報も発表されていません。

※その後、DaVinci Resolve 16.2で正式対応しました!

https://www.apple.com/mac-pro/pdf/Mac_Pro_White_Paper_Feb_2020.pdf

・Pocket Cinema Camera 6K
「BMPCC6Kの6K素材を快適に編集するためにはMac Proを買う必要があるのかしら」とお考えになっている方へ。BMPCC6Kの6K素材のコーデックは、世界で一番編集時の負担が軽いと言っても過言ではないBlackmagic RAWです。ですから普通の6Kとは違います。もちろん一概には言えませんが、多くのケースではMac Proをわざわざ用意する必要はないでしょう。

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    コメント

    • 南條春樹
      大変勉強になりました、ありがとうございました。
      CPUも変更できないですよね?
      メモリとCPUが関連性あるので気を付けないといけないですね。
    • ブラックマジックデザイン
      CPU、GPU、メモリは後からでも自由に変えられるはずです。ただMacBook Proや昔のMac Proの改造と同じように、「各自の自己責任で」(メーカーの保証外)という感じにはなってしまうケースもあると思いますが。
    • 南條春樹
      あー、そうなんですね!SSDだけ変更できないんですね。
      2013版と比べると本当にカスタマイズ力がアップしましたね!