2019.12.25 (最終更新日: 2020.01.16)

リモートバージョンでカラグレをスピードアップ【DaVinci Resolve質問箱】

DaVinci Resolveでカラーコレクションやカラーグレーディング(以下、カラーグレーディング)をしていると、カット数が多すぎて途方に暮れてしまうことがあります。カラーページではデフォルトではカットごとにカラーグレーディングができるようになっていますが、この数が100、1000を超えることもあり、そういう場合には賢い工夫をする必要が出てきます。

ここで思いつく方法はいくつかあります。グレードのコピー&ペーストをする、ギャラリーにスチルを保存してそれをほかのクリップに適用する、グループを作ってグループで一括でグレードを施す、など。どれも悪くないですが、ぜひ覚えてほしい方法として、リモートバージョンというものがあります。この記事では、リモートバージョンについて解説します。作業の時短を目指している方なら覚えておいて損はない機能ですよ。

リモートバージョンとは?

カラーページでサムネイルクリップを右クリックしてみてください。上の方に、ローカルバージョンとリモートバージョンの2種類が見えるはずです。

ローカルバージョンとは、カットごとのバージョンを示しています。100カットあったら、100カットそれぞれのローカルバージョンが存在します。一方、リモートバージョンは、ソースの素材が同じであれば同じグレードが適用されることになります。タイムラインが分かれていても、ソースクリップが同じであれば同じグレードが適用されます。

ローカルバージョン

リモートバージョン

たとえばAというソースクリップを、タイムライン上の異なる3つの箇所に置いたとします。ソースが同じであっても、カットが分かれていれば、カラーページでは3つの別々のクリップとして認識されます。ここでローカルバージョンではなく、リモートバージョンを使うことで、この3つのカットをまったく同じようにカラーグレーディングすることができるわけです。

リモートバージョンが活躍する状況

リモートバージョンが活躍するのは、同じソースクリップが何度も使われているタイムラインです。長いソースクリップから、いろんな箇所をタイムライン上に持ってきた場合には、カットが分かれますので、ローカルバージョンではなくリモートバージョンを使う方が賢いやり方といえます。インタビュー動画の編集で、「あー」とか「えっと」といった言い淀みの箇所を削除した場合には、カットが分かれますので、やはりリモートバージョンを使った方が便利です。

もしくは、いろんなタイムラインを作るときにも有効です。15秒バージョン、30秒バージョン、1分バージョンという感じで複数のタイプのタイムラインを作らないといけない場合。もしくは最終的な作品の方向性を迷っていて、いろんなタイプのタイムラインを作る場合。こういった場合には、リモートバージョンを使えば別々のタイムラインでも同じグレードが反映されます。

リモートバージョンの使い方

デフォルトではローカルバージョンが使用されているので、まずはリモートバージョンに切り替えましょう。カラーページのサムネイルクリップを複数選択、あるいは全選択して、右クリックしてリモートバージョンのバージョン1をロードしましょう。

サムネイルクリップを見ると、同じタイムラインに2個以上の同じソースのカットがあれば、右下にリモートバージョンであることを示すアイコンが表示されます。

ちなみにサムネイルの左下をダブルクリックすると、「クリップ名」→「バージョン名」→「コーデックの種類」という順番に、表示内容を変えることができます。

クリップ名

バージョン名

コーデックの種類

この状態でカラーグレーディングをすると、同じソース素材を共有するカットには同じグレーディングが適用されます。

ほかのタイムラインに行っても、そこでリモートバージョンをロードすれば、同じソースのカットには同じグレーディングが適用されます。

新規バージョンを作成、という項目をクリックすると、リモートバージョンの新しいバージョンを作ることができます。特定のカットだけ、ローカルバージョンを適用することもできます。

デフォルトをリモートバージョンにする方法

こんなに便利だったら、リモートバージョンをデフォルトにしたい、という方もいらっしゃると思います。もっともな話です。

プロジェクト設定を開いてみてください。一般オプションのタブの中に、「タイムラインの新規クリップでローカルバージョンを使用」という項目があります。ここはデフォルトではオンになっています。だからローカルバージョンが必ず最初に使用されるわけです。しかしここをオフにすると、新しく作るタイムラインでは、ローカルバージョンではなくリモートバージョンが使われます。

あれ? これだと新しいプロジェクトを開くたびにこの設定をしないといけないわけ? 面倒くさーい。という方もいらっしゃると思います。これももっともです。この記事で、デフォルトのプロジェクト設定を変える方法を紹介しています。デフォルトを変えたい方はこちらをご参照ください。

リモートバージョン活用術

このリモートバージョンは、使い方によっては作業の効率をドラスティックにアップする可能性を秘めています。たとえばこんな使い方があります。

  1. 編集する前に、とりあえずタイムラインで使う可能性のある素材を全部ひとつのタイムライン(マスタータイムライン)に並べておく。全部リモートバージョンにする。カラーグレーディングをする。

  2. エディットページでタイムラインを編集する。もちろんデフォルトでリモートバージョンが使われるようにしておく。

こうすれば、タイムラインでどういう風に編集しようと、必ず最初にマスタータイムラインで作ったカラーグレーディングついてくることになります。「やっぱりやーめた」という感じで、クリップをタイムラインから削除しても、マスタータイムラインには素材が残っているので、カラーグレーディングが消えてしまうことはありません。また「やっぱり使ってやるか」と思い直して、タイムラインに素材を置き直したときも、マスタータイムラインのカラーグレーディングはすぐについてきます。

おまけ

この記事の主題とは関係はないですが、あえて新しい記事を書くほどでもない小ネタがあるので書いておきます。じつはカラーページのサムネイルは大きさを変えることができます。こちらのメニューからどうぞ。

ときどきサムネイルが大きすぎるように感じられることがありますが、ここを「小」にしておけば、ほかのスペースにゆとりができます。もしくはサムネイルが小さすぎて見えないという方は、ここを「大」にしておけば、タイムラインにあるクリップを大きなサムネイルで一望できます。






あっそ、と言われかねないですが。

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