LOOKにこだわるための「光」の撮り方~ファッションムービーで学ぶ~

映像ディレクター曽根隼人に聞くLOOKの作り方

画の雰囲気や佇まいを指す言葉であるLOOK(ルック)。
写真や映像から視聴者が受け取る印象はLOOKに大きく左右されます。
しかしながら、カラーグレーディングだけではLOOKを追求することはできません。
今回、洗練されたLOOKが求められるファッションムービーを題材に、LOOKにこだわるために押さえておくべき準備や撮影の基本を映像ディレクターの曽根隼人さんに解説していただきました。
Vookのチュートリアル動画で無料で公開しています。

※今回のチュートリアルでは、撮影機材としてLUMIX S1Hを使用しています。

ここからは、チュートリアル動画の中からLOOKの追求に関するポイントを一部紹介します。

LOOKの追求で重要なのは光

LOOKの追求に重要なことは、光をどのようにカメラに収めるのかということです。
撮影現場での光をうまく撮影できていないと、後々カラーグレーディングをしても良いLOOKは作れません。

光をうまく撮影する方法の一つに、「色域」「ダイナミックレンジ」「階調」の幅広い映像情報を収録することができるLOG収録があります。


LOG収録をする場合、注意しなければならないことは中間色(特にスキントーン)の明るさの変化です。
なぜならLOG収録はその特性上、データをファインダー越しに確認するだけでは微妙なグラデーションや明るさの変化に気づきにくいからです。

そこでオススメなのは、LUT(Look Up Table) を当てながら撮影することです。

※LUTとは?
 入力色データに対応した出力色データを参照(Look Up)する数値の一覧表(Table)です。
 画像をある色空間から別の色空間へ変換するために使用されます。

ただし、LUTを適用させるとハイライト(白部分)が白とびしているように見えてしまうのでWFM(波形モニター)を確認することも重要です。

ライティングの3つのポイント

  1. 光量
  2. 光の硬さ
  3. 演色性

撮影現場では、ライティングをして光を作り込んでいきます。
照明(光源)を選ぶとき、光量(光の明るさ)だけではなく硬さや演色性も考える必要があります。
これらは照明(光源)選びだけではなく、どういう場所で撮影するか考える際にも重要です。

光の硬さ

日光やスポットライトを直接被写体に当てたとき、影が強くでるような光は硬い光と呼ばれます。
例えば、人物にそのまま照明を当てると鼻の影が濃く出てしまいます。

光を柔らかくするためには、光をバウンス(反射) させたりディフューズ(拡散) させる必要があります。
また、スタジオの壁の色を利用して光を回し、反射させて光を柔らかくすることもあります

演色性

演色性とは、光に照らされたときの物体の色の見え方のことです。
例えば、一般的な家庭で使われている蛍光灯などは、人間の目には白く見えていても実際は緑が強く赤やオレンジが弱く演色性が低いです。
演色性が低いと色が偏ってしまい、不自然に見えます

最も手軽に使える演色性の高い光は太陽光(自然光) です。
しかし太陽光(自然光)をそのまま被写体に当てると硬い光になってしまうので、うまく調整する必要があります。
例えば、表情のアップを撮影する際に、カポックを入れることで光を回し、表情の暗部を明るくすることができます。

一点から光を当ててしまうと影がどうしても強くなってしまうので、光を反射させて回していくことで調節します。

まとめ

ライティングを作り込み、スキントーンをLUTを当てて確認しながら撮影することではじめて、グレーディングでLOOKを追求することができます。
チュートリアル動画では、この他にも「カメラワークとテクニック」やグレーディングにおける「LUT活用による全体トーンの方向付け」「最終LOOKの追い込み方」など、ファッションムービーで重要なLOOK作りの一連のHOW TOを徹底解説しています。
ぜひあわせてご覧ください!

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