2020.05.11 (最終更新日: 2020.05.11)

Premiere Proで編集しDaVinci Resolveでカラーグレーディングする ワークフロー2020年版

はじめに

数年前に以下の記事を書きましたが、DaVinci Resolveもバージョン16と新しくなったので、改訂版として新しく記事化することになりました。前回の記事はこちらから読むことが出来ます。

Premiere ProやFinal Cut Pro XなどのNLEは、編集した動画をそのまま同ソフトでグレーディングすることはもちろん可能ですが、DaVinci Resolveのような高度なツールは色域設定は出来ません。そのため多くのプロジェクトはDaVinci ResolveやBaselightを使ってグレーディングされます。その時NLEからグレーディングソフトへのコンフォーム(編集データを違うソフトで再構築すること)する方法から、その制限までを改めてみていきます。また筆者の都合上、グレーディングソフトはBaselightではなく、DaVinci Resolve 16で説明させていただきます。

Premiere ProからDaVinci Resolveへの移行

コンフォームにはXMLを使う

動画の映像の部分の編集が固まることを「ピクチャーロック」と言います。 ロックして初めてDaVinci Resolve 16でのコンフォームをしなければ、音と一本化する際に微妙な誤差が出たりして後で混乱を招きます。特にエディター、カラリスト、サウンドミキサーなど複数が関わるプロジェクトの場合は、ピクチャーロックがスタートの足並みを揃える号令と思って良いかと思います。

NLE編集データをDaVinci上で再現(コンフォーム)する為には、XMLと呼ばれる拡張子のデータを書き出します。MotionWorksさんの記事によると、Final Cut Pro Xで編集した時に書き出せるFCPX XMLがDaVinci Resolveとは最も相性が良いそうです(参照記事)。Premiere Proから書き出す際にはFCP 7 XMLを使います。ファイル > 書き出し > Final Cut Pro 7 XML を選択してXMLを書き出します。

XMLの制限

XMLにはいくつかの制限があります。まずXMLが出来ることをいくつか上げます。

  • マルチトラックデータの保存
  • コンポジットモードの保存
  • ポジション・ズーム・ロテーションの保存
  • リニアな変速
  • 写真データの保存(PNGはだめ)
  • ネストシーケンスの保存
  • 複数のフレームレート

次に出来ないことや、必ずしもうまく行かないことを並べます。

  • トランジション(ビデオトランジションは再構築出来る場合もある)
  • フリーズフレーム
  • Flip & Flop
  • スピードランプ(ある程度は出来る)
  • NLEのエフェクト

コンフォームの注意点(編集開始前)

コンフォームする際にはXMLを使って、元の動画素材と再接続するのですが注意が必要です。例えばNLEで作業を始める前に以下のことを確認してください。

  1. PROXYを使ってNLEで編集する場合は、ファイル名がPROXYの元素材と全く同じであること。
  2. PROXYを使ってNLEで編集した場合は、DaVinci Resolve 16に前もって元素材をインポートすること。
  3. PROXYを使わない場合であっても、撮済み素材は全てリネームして別のプロジェクトや同プロジェクト内で動画のファイル名が被らないことに最新の注意を払うこと。
  4. 理想的には出来るだけメタデータを撮影時に記録データに入れておくこと。
  5. Premiere ProのPROXYツールを使わず、DaVinci ResolveなどでPROXYを作る際には、撮影元素材のメタデータを出来るだけ損なわないフォーマットでPROXYを作ること。

コンフォームの注意点(ピクチャーロック後)

映像がロックして無事にXMLを書き出せたら、DaVinci Resolve 16にXMLを読み込みます。

DaVinci Resolve 16の ファイル>タイムラインの読み込み>AAF、EDL、XMLの読み込み をクリックします。さて、XMLを読み込む際にもいくつかの注意点があります。

  1. 複数のフレームレートを使ったプロジェクトの場合は、XMLをロードのポップアップメニューでXMLバーの「ミックスフレームレート」の適切な選択肢を選ぶ。(詳しくはこちらのMotionWorksさんの素晴らしいマニュアル詳細から抜粋)
  2. ディフォルトのタイムラインの解像度が1080Pなので、必要に応じて変更する。(これは後からでも変更可能)
  3. DaVinci Resolve 16の設定の イメージスケーリング>入力スケーリング>解像度が一致しないファイル>センタークロップ:リサイズなし にしておく。すでにPremiere Proなどで編集する段階で使ったポジション・ズームなどの情報をそのまま活かすためです。

EDLで一本化した動画をインポートするオプション

ファイル>タイムラインの読み込み を見ると、AAF、EDL、XMLの読み込み の他に プリコンフォームEDL というオプションがあります。これはNLEの別ソフトで編集した映像を1つの動画として書き出して、それと同じタイムラインをEDLで書き出した後で、DaVinci Resolve 16が自動的にEDLを元に1つの動画をショットごとにカットしてくれるツールです。


EDLはマルチトラックに対応していないので、NLE上でタイムラインを複製して、必要の無いグラフィックス・タイトルなどをデリートし、シングルトラックにしてから書き出すか、トラックごとにEDLを書き出してDaVinci Resolveでコンフォームします。 EDLの書き出し設定では、トランジションを含む全てにチェックマークが入っていないことを確認します。EDLをDaVinci Resolve 16にインポートする前に、まずは一本化した動画をインポートして置いて、それからプリコンフォームEDLを使ってEDLのタイムラインをインポートします。

この方法でコンフォームすることのメリットは、スピードランプや他のキーフレーミングも全て保持された状態でDaVinci Resolve 16上でコンフォーム出来る点です。すでに素材に焼き付けた状態で書き出した動画からEDLを使ってカットするので、元素材につなぎ直さないのです。

デメリットはRAWで撮影した素材を、DaVinci Resolveを使って現像することは出来ないことが1つ。また、複雑なトランジションは プリコンフォームEDL では再現が出来ないことが2つ目。シンプルなカットで編集されている映像であれば、EDLを使ってDaVinci上でプリコンフォームが簡単に出来ます。つまり、撮影自体がPRORESなどですでに動画ファイルの状態であれば、 プリコンフォームEDL を使ったグレーディングには大きなメリットになる、ということです。

プリコンフォームEDLした上で、DaVinci Resolveを使ったグレーディングを行うので、Lumetri ColorやLUTはPremiereProで書き出す時には、 全て適応を外した状態のクリーンな映像 を書き出して、プリコンフォームEDLしましょう。(参考資料リンク

整音データとの1本化はDaVinci Resolveでも出来る

グレーディングが終わって、最後に整音された音やグラフィックスと一本化して完成させる為にPremiere Proに戻ることをラウンドトリップさせる、なんて言いますが、そもそもする必要があるかどうかをまずは考えてみてください。例えばシンプルな字幕とロゴだけであれば、Premiere Proにわざわざ戻って一本化する必要は全くなく、そのままDaVinci Resolve 16で納品データを書き出すことがもちろん可能です。Warp StabilizerだってDaVinci Resolve 16のスタビライザーを使えば必要無いかもしれません。

必要な時にNLEにラウンドトリップ

どうしてもPremiere Pro、FCPXでの一本化が必要な場合にのみ、改めてXMLを使って元のNLEに戻ります。デリバーページのレンダー設定から、 FCP7、FCPX、Premiere ProのXML のオプションを選択します。 ## 解像度、フォーマット、コーデック、フレームレート を確認します。レンダーは 個別のクリップ を選択して、NLEで再構築した時にショットごとに分けたタイムラインを作ることが出来ます。


詳細設定でハンドルをつける

個別のクリップを選択する際には、詳細設定で 追加「」ハンドル の部分に必要なハンドルフレームを記入します。これは書き出した各クリップの前後にハンドル(予備の動画素材)が残せる機能です。NLEで最後に一本化する際に、XMLを使ってグレーディングした動画タイムラインを再構築した後でトランジションをかけなおしたり出来ます。

そうすることでPremiere ProやFCPXにラウンドトリップした後でも、最後の最後まで微調整をすることが可能になります。

まとめ

以上、少し長くなりましたが、前回のDaVinci Resolve 12の頃から作業の内容自体はあまり変わりません。ただDaVinci Resolve 16はさらに強力になり、様々なことが簡単でよりエラーもなくこなせるようになってきました。今後のDaVinci Resolve 16以降のバージョンでのNLEの進化にも目が離せません!

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