2020.08.18 (最終更新日: 2020.08.18)

テロップのプロが語るテロップデザインのコツ 【VGT×ナカドウガ】

はじめに

年間約1万枚のテロップを作るプロから、テロップデザインの”考え方”と”作り方”のコツについてお話を伺いました。
見やすいテロップの作り方を、具体的な手法を交えてご紹介します。

登壇者

▼Twitter
https://twitter.com/douga_nakagawa
▼note
https://note.com/meec

イントロダクション

ナカドウガと申します。Twitterなどでテロップに関する情報を発信しています。普段は大阪でテレビ番組の編集をしており、年間で約1万枚のテロップをつくってタイムラインに並べたり、動かしたりという仕事をしています。
長い間やってきてテロップに詳しくなったので、今回は見やすいテロップを作る時の考え方というテーマでお話します。

”動画で発信する”ということが一般的になってきたことに伴って、テロップというものにもスポットが当たってきました。
テロップに見やすさを求めるという感覚はまだないかと思いますが、意外と大切なことです
今回は、テロップが見やすいとどんな良いことがあるか、そして見やすさをつくる時のコツをいくつかご紹介します。

見やすいテロップとは?


見やすいテロップを考えることは、見た目の差をつけることになります。
この見た目の差とは、映像と被らない色を選んだり、映像に埋もれない大きさにすることです。そうするとどんな良いことがあるかというと、見ている人に動画の内容がとても伝わりやすくなります。

テロップは”ニュアンスを伝える”もの


テレビでも動画でも、テロップを一文字ずつ全て読むということはあまりなく、基本的には流し読みされます。そんな中でのテロップの役割は、読ませるというよりもニュアンスを伝えるというのが本当のところです。

つまり、テロップをつくる時に意識したいのは文字をちゃんと読んでもらうことより、「どうやったらニュアンスが伝わるか」や、「内容を察する手助けができるか」を考えると良いと思います。
そのために”見た目の差をつける”というスキルが力を発揮します。

見やすいテロップをつくる4つのコツ


具体的に見た目の差をつける方法をご紹介します。
①背景との差をつける
②重要な文字はしっかり強調する
③見にくい色の組み合わせを知る
④文章は短く表示時間は長く

という4つのことです。

①背景との差をつける

まずは基本的な考え方として、テロップにおいては背景と映像を差別化することが最も意識すべきところです。

この画像では、夜の背景に黒いテロップを合わせています。
一見して見にくいのは、背景とテロップの間にほとんど色の差がないことが原因です。

差をつけるために、単純にテロップを白くしただけで格段に見やすくなりました。黒いテロップと違って、色の差があるから見やすいということです。これが基本の考え方です。

②文字を強調する

次に文字を強調する具体的な手法について紹介します。
色をはさむ、大きくする、色をつける、アイコンをつけるの4つです。

<色をはさむ>


色をはさむには、ストロークやベースがよく使われる手法です。どちらも背景の映像とテロップの間に別の色をはさむイメージです。


こちらは白っぽい背景に白い文字なので見にくいですね。

背景とテロップの間に赤い色をはさみました。これだけで文字として随分見やすくなったと思います。
このように背景の映像とテロップの間に別の色をはさむのは、テロップの見やすさを確保する上でかなり有効なので覚えておきましょう。

<文字を大きくする>


次に文字の大きさです。上のテロップは全部同じ大きさで、平坦な印象なので工夫してみましょう。


2行目の「伝えたい内容」というワードを大きくしました。この工夫だけで、このワードに目線が行きます。
文字を大きくすることで見る人の視線を強制的にコントロールすることになります。
これにより、最も伝えたいキーワードに注目してもらいやすくすることができます。


前述のとおりテロップは流し読みが基本なので、察する手助けをするのが重要です。
文字を大きくしてキーワードさえ見てもらえたら、全部読まなくてもニュアンスが伝わり、テロップの役割としては成功と言えます。
強調された文字だけを読めば良いので、見ている人にも優しい手法ですね。

<アイコンをつける>


テロップは文字だけで構成されるものではないので、伝わりやすくするために色々な装飾をしても良いです。
アンダーラインを引いたり、四角で囲ったり、文字をアイコンや図形に置き換えたりするのも、見た目の差をつけることになります。

ではこの3パターンを装飾してみましょう。


装飾をすると、目立つ度合いが違ってきます。
アンダーラインがある方が目につきやすく、枠で囲んだ方に目が吸い寄せられます。
読ませたいテロップの頭にアイコンを持ってくることで目印にもなります。これらはまさにテロップの命である、”ひと目で伝える”という役割を上手に叶えてくれる手法です。

<色をつける>

文字を強調する手法の4つ目は、重要な文字に色をつけることです。色を上手く使えると、テロップに更に注目させることができます。


こちらのテロップはほとんど白一色です。ちょっとメリハリをつけてみます。


色を変えただけで強烈に視線が誘導されましたね。
これがテロップには最も効果的なことで、強調色を使えば、ごちゃごちゃした映像の中でもテロップを見つけてもらいやすくなり、特に重要なキーワードが伝わりやすくなります

③見にくい色の組み合わせを知る

テロップに色をつける際に知っておいてほしいことは、「やってはいけない組み合わせ」があるということ。


NG例の4パターンは、どれも根底には色の差がないことが見にくさの原因になっています。


背景と文字の差が出るよう意識して、はっきりとした色の組み合わせにしてみました。
明るいベースには濃い色の文字を、似た色の組み合わせには全く別の色を合わせるという工夫です。
対極にある色同士を組み合わせる(差を出す)と、このように見やすいテロップがつくれます

④文章は短く、表示時間は長く

最後のコツは、文章と表示時間の長さを調整することです。
映像では見たいものが見られないと一番のストレスになります。この見えないストレスには、「文字を1文字でも減らす」のと、「なるべく長く表示させる」の2点で解消できます。
テロップはキャッチコピー的なイメージで考え、なるべく短くします。さらに尺として最低でも5~6秒は見られるとベストです。構成によって難しい場合もありますが、意識すると良いでしょう。

まとめ

見やすいテロップの考え方と4つのコツをご紹介しました。
たかがテロップですが、人に見せるものならばこれらのことを意識して作ると動画制作が楽しくなりますし、見ている視聴者にとっても優しいものになると思います。

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