NEXT GENERATION新世代のクリエイティブユニット「UNDEFINED」|VGT2020

2020.08.31 (最終更新日: 2022.07.04)

NEXT GENERATION新世代のクリエイティブユニット

群雄割拠の映像クリエイター時代。どう生き残るかを誰もが考えています。VGTでは「新生代のクリエイティブはどうあるべきか」というテーマで、若手クリームティブチームのUNDEFINEDの3名をお迎えしてお話をうかがいました!今回はその動画を文章化し、より沢山のひとにUNDEFINEDと、新しい時代のクリエイティブユニットがどうあるべきかを語っていきたいと思います!

プロのビデオグラファーを目指す学校、はじまる。入学生募集中。

PR:Vook School

登壇者

SNSを通じて活躍する若手CGクリエイターが集まって出来たクリエイティブチーム、UNDEFINED。主にMV、CM、シネマライクなVFX映像制作業務を専門にしている。全員が全工程の知識を持ち合わせた上で、個々の得意とする技術を結集することにより、ハイクオリティーな映像制作を可能にしている。
全員がアーティストとして作品に関わり、個人の得意な作風をチーム全体に反映することで、幅広い分野に特化した作品を"創り出す"ことが出来る。
▼HP
https://www.mizunocabbage.com/undefined
▼Twitter
https://twitter.com/undef_official

MIZUNO CABBAGE
ディレクター、VFXアーティスト。
中学生ごろから自主制作映画を作りはじめ、撮影から編集まで1人でこなす。その延長でVFXや3DCGを独学で学ぶ。CGを使用した空間演出を得意とし、最近ではVFXを使用したMVやPVの制作に力を入れている。UNDEFINEDでは主にディレクションを行うチームのリーダー。

Kou Nakamura
Unreal Enginのアーティストである父親の影響で3DCGに興味を持つ。
UNDEFINEDでは3DCGモデラーとシネマトグラファーを担当しつつ、テクスチャリングやカメラマンなども行う。

Sho Watanabe
10代からさまざまな映像現場に携わる。
UNDEFINEDでは豊富な経験やコネクションを元に外部とのコンタクト部分を一手に担い、制作進行やチームマネジメントを行う。

アーカイブ動画

10代で、お金もない状況でどう学習されてきたのでしょうか?


MIZUNO:僕は中学の時にタイムスの自主制作の映画を撮っていて、その延長でちょっと爆発とか入れてみたいなっていうのがきっかけでした。最初は簡単な編集ソフトを使っていて、だんだんAfter Effectsなどのソフトに出会い、そこで初めて本格的にVFXを学び始めました。最初は本当に使い方が分からなくてなかなか苦戦しましたが、たまたまチュートリアルに出会いまして、そういった所でコツコツやっているうちに出来るようになりました。

MIZUNO:勉強して映像作っていくと、ある一定の気付きから一気に蓋が外れる時があると思いますが、きっかけになったのはVideo CopilotのElement 3Dを使った時。そこで初めて3Dに触れたんですよ。一気に出来る幅が増えて、そこからどんどんCinema 4Dなどの色んなツールを使うようになって幅が広がってきました。

Nakamura:僕の場合は最初モデリングはソフトを触っているうちに少しだけ出来るようになったんですが、そこから何をしていけばいいのか分からなくて。そんな時に、今の同年代のUNDEFINEDと高校1年生くらいの時に出会いました。映像制作って面白そうだと思い、モデラーとして映像制作に関わろうと決めて、そこから勉強をしているような感じです。自分の満足出来るものが作れればそれでいいかなぁと思っていて、それが一番のモチベーションです。

MIZUNO:YouTubeでVFXとかの話の生配信したら面白いんじゃないかと思って、nagafujiさんとか交流があった人たちと、高校1年生くらいの時に生配信をしたんです。それがきっかけでみんなと結構通話するようになって、たまたまTwitterを見てたらNakamura君のツイートが流れてきて、すごいねこの子ってなって、marirui君がDMしてディスコードに招待したって流れです。

Watanabe:僕はゲーム制作系のプログラミングを学べる学校に入っていて、ゲームのエフェクト作りたくてAfter Effectsを始めました。周りにもAfter Effects で映像作れる子がいて、その高校の友達のお父さんがフリーランスで活躍してる映像の作家さんで、その人に見込まれてどんどん広がっていったりとか。ゲームのイベントをよく開く学校で、2日でゲームを作ろうというイベントがありまして、そのオープニング作ったら声優さんも来ており、その声優さんが僕を拾ってくれて、アニメの舞台のオープニング作ってとかっていう風に広がって、そしたら色んな所に呼ばれ始めたという感じですね。

MIZUNOみんなに負けたくない気持ちもやっぱりあって、それこそお互いに尊敬しあって作ってるみたいな所はあったので、仲良くなるのも成長も早かったです。やっぱり情報共有のスピードも全然違うので、一緒にいたことは大きいと思います。

普段インスピレーションを受けるものは?


MIZUNO **:僕は基本的にVimeoやArtStationを1日にだいたい1時間程度は見る時間を作ってて。SFチックな映像が僕達得意なんですけど、それに縛られないように意識してますね。全然違う分野のモーショングラフィックスを取り入れ**たりしてますね。

Nakamura:僕も基本メインはArtStationです。ArtStationだと感覚的にモデリングのArtStationの作品と、コンセプトアートのような作品の2つがあると思うんですが、僕はどちらかと言うとモデルの方の作品を見ていて、質感の詰め方やラフネスの反射がすごい好きで、ここが何で汚れているのかとか細かい成り立ちとか、製造する時に出来た傷とか仕組みを見てるのが好きで、そういう作品とかを結構見てます。

例えば金属製品にペンキとかが塗られた時に、ちょっとエッジの方から錆びていく所が、なんで錆びているのかという所も気にして見るんです。例えば雨が多く降る気候だと、塗装の表面の汚れで水滴が結構出来るんですが、逆に乾燥した地帯だと、周りの環境の細かい砂とか入り込むので。少しを色が落ちたり、あと経年劣化で下地の素材がどうなっているか。例えばコンクリートだと絶対錆びないので、塗装が剥がれ落ちる表現は気にして見ています。

あとはカメラワークを見るために日本のMVを見ますね。僕は基本アナログスタビライザーでオペレーションするみたいな一発録りみたいな映像のカメラワークがすごい好きで、新しいVR技術とかの映像とかも吸収するために見たり。

Watanabe:僕も基本的にはArtStationやPinterestが多めではあるんですけど、Behanceも見てて、自分の好きな傾向を探る所を僕は意識していて、Behanceの方がデザイン系のイメージが多くてインスピレーションがわきます

クリエイターとして、将来どんな映像作家になりたいですか?


MIZUNO:今UNDEFINEDは、ただのクリエイターの集まりになってしまっていると思っていて、もっと個々のアーティスト性を活かしたアーティスト集団になりたいという思いがあります。アーティストとしてやるメリットとして、本当に一人一人のクリエイティブなアートの部分がチームとして合わさった時に、一人で作っているものを絶対超えられると思って、ただそれがクリエイター作業っていう形でやってる分にはまだ超えられないかなと壁を感じています。

MIZUNO:ミュージックビデオや音楽が好きなんですが、今のミュージックビデオの界隈は予算的にもVFXを使えないじゃないですか。そういった中で何かしらもっとアートを出せるミュージックビデオが出来たらなぁとは思ってます。

Nakamura:個人的には今Blenderに興味があって勉強しています。モデリングやライティングも少しだけ出来るので、そこを強くして自分でももっと他の所を補えるような技術を付けて、作品を一つちゃんと作れるようになりたい。3D方面ではちょっとカメラワークが苦手なんですけど、別方面から吸収して、自分のクオリティーを高めていきたいです。

Watanabe:UNDEFINEDとしては、仕事がどんどん来るのはいいんですけど、比重が重くて思っていた以上の案件だったりすることもあるので、それをちゃんと回せるように。なかなか外注できるような繋がりがまだなくて、仕事は入るのにそれを今回せるだけのリソースがない。出来るのに時間がないので、どんどんチームを会社的に回せるように僕がマネジメント出来るようになったらいいかなと思っています。

手元に10億とか100億とかあったら、何を作りたいですか?


MIZUNO:僕はオリジナルコンテンツにチャレンジしてみたいですね。今はクライアントさんからこういうのを作ってほしいという要望を受けて、それを整理してモノとして出す、モノを売る感じの作り方をしている。そういうのを全部取っ払って、普通に視聴者が僕達の作品を好きになってくれるようなレベルのものが作れたらなと思ってます。

Nakamuraスキルアップにお金を使っていきたいです。今は機材はlifehackの撮影などで結構カメラなんかを揃えたんですけど、バイトして稼いで、それを機材に充てるというサイクルでちょっと限界があるので、潤沢な資産があるなら機材や自分のスキルを上げていったり、レンダリングのコストとかソフトウェアを強くしていきたいですね。

After Effectsの使い方、自主製作の題材の選び方は?

MIZUNO:基本的にはAfter Effectsはコンポジットソフトとして使ってて、CG上がってきたものをとかをマルチパスで分けて出しているので、それをコンポジットするのに使ったりとか、あとはCG上に載せるモニターグラフィックスだとか、そういった2D面でのグラフィックスでもやっぱり重宝していますね。

MIZUNO:題材の選び方は、基本的にArtStationやPinterestを見る中でいいなと思ったものを組み合わせることが多いです。逆に全然思い付かない時もあるんですけど、アイディアがポンポン出てくるときに手元にラフとしていっぱい残してストックしてる感じです。

これから映像をやりたい人へのメッセージは?

MIZUNO:僕は高校時代に映像を本格的にやり始めてお仕事をいただくようになって、一回全日制の高校を辞めて通信制に移ったんです。だから今の自分があるとは思うんですけど、ちゃんとした学校生活っていうのも大事だなぁと思ってて、自分は他の人と外れてるなという所が多少あるし、そういった面でディレクターするってなると、クライアントさんとのズレが生じてしまうとまずいじゃないですか。やっぱり周りがどういう人間なのかをしっかり知って、自分がその差を埋められるようにしたかった。中学に戻ってがむしゃらにCGだけやってた方が良かったかというとそうでもないですね。

Nakamura:僕は全日制の高校を一旦辞めて通信の高校に入り直して、それからCGなどに重心を置いて勉強していったんですが、あんまりやり直したいとかは今は特にないですね。

Watanabe:僕は元々作ることが好きで、絵を描いたり音楽を片手間で作ってたりするんですけど、中学校の時は環境的なものもあったと思うんですけど、ハードル高いと思ってクリエイティブなことに触れてこなかった。やってるからこそ蓄えられる知識とかあると思うので、勉強ももっとちゃんとやってくれば良かったなあと思います。ただ、そんなに後悔はしてないです。

まとめ

10代で成功をおさめるクリエイターやチームも多いのが、この映像業界。年齢に関係なく働けるからこそ、常に成長を願うのは誰もが同じですね。

ツイッターはこちらをご覧ください。UNDEFINEDを横目に、学生は同世代の活躍を見て奮起し、上の世代は次世代の活力を横目にさらに技術力を上げていきたいですね!

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