2020.09.09 (最終更新日: 2020.12.12)

【新発表LUMIX S5】小型機に秘められた動画性能を徹底解説【発売前レビュー】

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待望のPanasonic Sシリーズの小型機S5が発表されました。小型フルサイズミラーレスでありながら、リトルS1Hとも言えるような充実の動画機能を備えたこの機種。市場想定価格24万前後(ボディのみ)とのことで大分抑えており、フルサイズ動画機のニュースタンダードと言えるような魅力ある機種に仕上がっていると感じました。S5プリプロダクションモデルを実際に使用したレポートをお送りします。

どんな人に向けたカメラ?

⑴動画を始めるために動画機能が充実した機種を探している方
⑵小型の動画&スチルのハイブリッド機を探している方
⑶8bitファイルでは物足りなくなり、10bit撮影が気軽にできる機種を探している方
⑷ワンマン撮影のメインカメラや業務用機のサブとして、小型の動画カメラを探している方

小型・比較的安価ながら、後述する充実の動画機能を載せたことで、いずれのニーズにも対応できる万能機として仕上がっていると感じました。
これから動画を始めたい方は、これから述べる話は少し難しく感じられるかもしれません。しかし、オートでもスマホなどとは違った余裕のある高画質・綺麗なボケが十分に楽しめます。その後使い込んでいっても十二分に応えてくれる、それだけの機能がつまっています。
動画を撮影されている人であれば、これだけの機能がこの大きさ・この価格で発売されることの意義を十分に実感できると思います。

小型でありながら充実の動画機能(14のポイントを解説)

この機種の魅力を列挙すると

  1. 小型軽量
  2. フルサイズ6Kセンサー
  3. 14+ストップの広大なダイナミックレンジ・V-Logプリインストール
  4. 4K30P&4K60Pの10bit内部記録
  5. ボディ内手ブレ補正
  6. デュアルネイティブISO
  7. 改善したオートフォーカス
  8. 屋外環境でも信頼できる温度管理
  9. 非常に高輝度な背面液晶
  10. デュアルSDスロット
  11. 多くの露出補助機能
  12. 洗練されたユーザーインターフェース
  13. 優れたカスタマイズ性
  14. その他の便利機能

といったことが挙げられます。それではひとつずつ見てゆきます。

ポイント① 小型軽量

Panasonic Sシリーズと言えば大型といったイメージが強かったと思います。しかし、S5はGH5よりも小型軽量です。20-60㎜という絶妙なズーム域の小型キットレンズと合わせて、フルサイズカメラということを忘れさせてくれます。

ポイント② フルサイズ6Kセンサー

  • フルサイズ読み出しでは、全画素読みからのオーバーサンプリング4K
  • APS-Cクロップモードでも4Kに十分な画素数からのオーバーサンプリング4K

つまり6Kセンサーであることで、無劣化で2種類の画角が楽しめるということです。1200万画素に抑えたAPS-C動画機があったら、ダイナミックレンジが広い綺麗な動画が撮れますよね?この機種のAPS-Cクロップとは、そういうことです。画角的にも20-60㎜キットレンズが、フルサイズ読み出しで20-60mm・APS-C読み出しで30-90㎜となります。つまり使い分けることで劣化の無い綺麗な4K動画が合計20-90mmの画角で楽しめて、かなり便利です。
また2400万画素あることで、スチルでも十分な画素数を確保しています。動画のために画素の面積を確保しつつ、スチルもバランスよくと考えた際には、6Kセンサーはベストバランスではないでしょうか?

ポイント③ 14+ストップの広大なダイナミックレンジ(DR)、V-Logプリインストール

動画画質には解像感だけでなく、DRも大きく関わってきます。被写体の顔に露出を合わせたら背景の青空が真っ白に飛んでしまう、それはDRが狭いからです。V-Log(プリインストールです)で撮影することで、14+ストップというシネマカメラと同等のDRで撮影できます。今回S5を使用してみて、この価格・この大きさで、S1Hと同じDRを実現していることに驚きました。

キットレンズセット(S5+LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6)を使用して4K60P10bit V-Logで撮影し、グレーディングした動画からの切り出しです。この状況でも、まだハイライトのクリップまでに1.5~2 STOPほどの余裕がある状態です。

ポイント④ 4K30P&4K60Pの10bit内部記録

  • 4K30P10bit4:2:2 フル画角、APS-C画角、Pixel by Pixel
  • 4K60P10bit4:2:0 APS-C画角、Pixel by Pixel

で撮影可能です。この値段の小型筐体で、S1よりも上位、S1Hと同等の機能を積んできました。グレーディング耐性の高い10bitファイルが、カメラ内SDカードに収録可能です。14+ストップのDRと合わせて、グレーディングに最適な素材が得られます。

ポイント⑤ デュアルネイティブISO

低感度側と高感度側で2系統の回路を備え、設定感度に応じて自動で切り替えることで、高感度でもノイズを抑えて且つダイナミックレンジを犠牲にしない高画質読み出しが可能になります。S1Hで搭載されている機能ですが、S5も対応しています。

ポイント⑥ ボディ内手ブレ補正(IBIS)

S1やS1Hよりやや落ちるものの、ボディのみで5段分のIBISを積んでおり、使用した感じとしてはS1Hと比較しても遜色なくよく効きます。またLUMIXのIBISの利点は、動画向けのチューニングがされている点です。IBISの効きが良い機種で良くあるのが、補正限界を超えると急にカクンといった反動がでてしまう挙動です。これは動画では好ましくありません。他のLUMIX機種でも共通ですが、S5でも通常の手ブレ補正 (パンやチルトをしても自然な効きで、カクついたりといった挙動がほぼでません)と、手ブレロック(画角固定でしっかり止める用)の2種類があり、使い分けることで最良の効果を生みます。特に手ブレロックに設定時の手ブレ補正効果は秀逸で、固定画角の場合は三脚かと見紛う安定感です。

ポイント⑦ 改善したオートフォーカス(AF)

DFDの演算を増やすことで、AF性能が改善しています。具体的には、追従性が向上し、フォーカスの中抜けもほぼ起きなかったです。コントラストAFの弱点の一つは、背景にコントラストが高いものがあると、AFがそちらに引っ張られてしまうことですが、これが改善しています。
実際に使用してみて、明らかにS1HよりもAFが良かったです。かなり改善していますので、是非ファームアップで他のSシリーズも対応して頂きたいところです。

ポイント⑧ 屋外環境でも信頼できる温度管理

昨今のカメラの高性能化で問題となっている熱停止問題はどうでしょうか。デザインありきの機能ではなく、機能ありきのデザインで、熱への配慮を堅実に行ってきたPanasonic。
試しにS5を気温30℃の中、背面液晶を閉じたまま背面液晶は最大輝度(要はいじわるな条件)で、直射日光があたる状態で4K60P10bit録画しながら放置してみましたが、無事に30分録画できておりました(4K30P10bitや4K60Pは連続録画30分という制限がありますが、熱で止まるわけではありません)。このテスト環境で止まらないということは、かなり信頼を置いて良いのではないかと思います。

ポイント⑨ 非常に高輝度な背面液晶

この小型機とレンズで気軽に動画を取るためには、背面液晶の輝度がとても重要です。外部モニターを装着するとなると、機動性と手軽さがスポイルされてしまうからです。開発段階でその点を考慮したのか、背面液晶はとても明るいです。設定で最大輝度にあげると、真夏のピーカンでも良好な視認性を保ってくれます。外部モニターのsmall HD focusは最大輝度800nit、NINJA Vは最大輝度1000nitですが、S5の背面液晶輝度はsmall HD focusを超え、NINJA Vと同等以上でした。

同じ動画ファイルを左S5、右S1Hの背面液晶(両者とも最大輝度に設定)で再生した際の見え方です。真夏の野外ピーカンでこの見え方ですので、輝度の高さがお分かりいただけると思います。

ポイント⑩ デュアルSDスロット

デュアルスロットでの同時記録によって、静電気などでのSDカードの故障、人為的なミスでのファイル損失などのリスクを回避することが可能です。S5はデュアルSDスロットを備えて、同時記録やリレー記録に対応しています。スロット①UHS-2、スロット②UHS-1対応ですが、そもそもS5が内部記録できる最大ビットレートは4K60P10bitの200Mbps=25MB/sですので、UHS-1のU3やV30で十分ですので、スロット②がUHS-1である事は動画ユーザーは気にしないで良いと思います。

ポイント⑪ 多くの露出補助機能

背面液晶で露出を確認する際に役に立つ各種便利機能が搭載されています。ヒストグラム、ウェーブフォーム、スポット輝度メーター、ゼブラ(範囲指定も可能)などです。それぞれファンクション設定でボタンにアサインできますので、ご自分のよく使う機能を設定して簡単にON-OFFすることができます。

*ゼブラ範囲設定の利用例 S5ではゼブラの範囲設定をすることができます。V-Logでの肌の適正露出は色黒で45%、色白で55%程度ですので、45~55%ゼブラ範囲設定しておけば、簡易フォールスカラーとして被写体の露出調整に利用できます。

*Sシリーズ共通の注意点
V-Log撮影時にゼブラ表示を飛び警告として利用する場合は95%としてください。100%の設定では、実際に飛んでいてもゼブラは表示されません。もともとV-LogはVaricam用に開発されたガンマカーブであるためです。

ポイント⑫ 洗練されたユーザーインターフェース

こちらはスペック表では決して表せない隠れたPanasonic機の美点だと思います。ユーザーからの声を真摯に拾い上げ改善してきたユーザーインターフェースは、秀逸だと思います。使いやすいボタン配置と、デフォルトでもパッと見てすぐに使い方を理解できる各種ボタン。Panasonic機を初めて使われた方は、その使いやすさに驚かれることが多いようです。操作性の良さは、現場でのスムースな撮影に直結する重要なポイントです。

ポイント⑬ 優れたカスタマイズ性

動画のカスタム設定を最大で12個も登録することができます(C1・C2・C3-1~10)。例えば4K30P-Full、4K30P-APSC、4K60P-APSCなどと、よく使う設定を登録しておけば素早く対応が可能です。また各種ボタンをファンクションボタンとして使用することができ、その数は下のように膨大です。自分好みにカスタマイズできます。


ポイント⑭ その他の便利機能など

  • 3連ボタンでWB、ISO、露出に素早くアサインできます。
  • AF-S、AF-C、MFもレバーで素早く切り替えが可能で、親指AFボタンもあります。
  • S1Hで好評だった赤枠表示で録画時は一目瞭然ですので、逆タリーを防止できます(画像提供:Panasonic)。
  • 動画フレーム表示にも対応しており、撮影時に様々なアスペクト比のガイドラインを表示することができます。完成時のアスペクト比を撮影時から意識して撮影することが可能です。
  • アナモルフィック撮影にも対応しており、またデスクイーズ表示機能も搭載されています。
  • なんとS5でも、S1Hの売りであるHDMIからのRAW出力(NINJA Vで録画可能)もファームアップで提供予定とのことです。
  • 発売時はDCI 4Kはありませんが、のちのファームアップで対応予定とのことです。

制限があったり、注意が必要な項目

この大きさでこの値段ですので仕方ないですが、注意点もあります。

  • 他のSシリーズよりもEVFの解像度は2段階ほど落ちます。
  • ジョイスティックは8方向でなく4方向です。
  • 筐体の大きさのためと思いますが、HDMIはmicro端子です。ただ本体のみで使えるように背面液晶の輝度は非常に高いです。いずれサードパティー製のケーブル固定機能付きケージが発売されると思いますので、モニターを繋ぐ用途では、そういった製品を使うのが好ましいかと思います。
  • 録画時間制限 4K30P10bit、4K60Pは30分制限あります。4K30P8bitとFHDに制限はありません。
  • IPB圧縮のみでALL-I圧縮はありません。
  • マイクを接続してバリアングル液晶を開いてチルトさせても干渉フリーですが、イヤホンケーブルとmicro HDMIケーブルとUSB-Cケーブルはバリアングル液晶のチルト操作に干渉します(開くだけなら干渉しません)。

フルサイズカメラを始めるにはもってこいの機種

このカメラの売りは、何といってもバランスの良さだと思います。この大きさこの価格で、これだけ機能が充実している機種って、他に無いのではないでしょうか? 2020年9月現在、内部で4K10bit記録が搭載されているフルサイズカメラでは最安な上に、14+ストップのダイナミックレンジです。また、熱問題も極めて起きにくい機種でもあります。
 ワンマンオペレーションでの小回りの利いた撮影に魅力的な機能が詰まっています。【フルサイズ動画には、まずはこの機種】的な存在と言えるのではと思います。

▼今回、使用いただきレビューしていただいた機材はこちら
LUMIX S5:https://panasonic.jp/dc/products/s_series/s5.html
LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6:https://panasonic.jp/dc/products/s_series_lens/lumix_s_20-60.html
LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.:https://panasonic.jp/dc/products/s_series_lens/lumix_s_pro_70-200.html

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