2020.09.20 (最終更新日: 2020.10.01)

【シネマ×プロモーション】制作事例からみるショートフィルムの作り方

皆さんこんにちは雲雀です。

この度SONYが主催する企画【Directed by You -ソニーと創る『60秒フィルム』】でHibaRiが制作したショートフィルム「愛した人は眠らない」が渋谷MODI SONYビジョンで9月14日〜27日まで放映されることが決まりました。

今回の記事では私たちが制作したショートフィルムを実例に挙げながら、詳しく撮影機材やグレーディング方法についてお伝えしたいと思います。

1 用意した撮影機材

今回short film撮影において使用したカメラはBlackmagic URSA Mini Pro 4.6Kになります。ポスプロ段階でのグレーディングをこだわりたかったため、Blackmagic RAW 1/12 4.6K収録で行い、モニタリングはBlackmagic Video Assist 4KでM31 LUTを当てながら撮影しました。

使用レンズは
SIGMA F1.8 18-35mm DC HMS Art
SIGMA F1.8 50-100mm DC HMS Art
SIGMA F2.8 70mm DG MACRO Art

の計3本です。これらのレンズはBlackmagic URSA Mini Proと組み合わせが良く、ズームレンズでF1.8の開放値を持ち、尚且つ解像度が高い特徴があるため撮影で使用しました。

フィルターはブラックミストフィルターを使用し、ハイライトを飛ばし、柔らかい印象になるようにルックを作りました。

2 必要な企画演出について

今回制作したショートフィルムは60秒という制限があったため、脚本、コンテ、演出に至るまで緻密に計算しました。。要するにCM撮影などと一緒でシーンでかかる秒数や、カット数を考慮に入れて企画を考える必要がありました。

またセリフやモノローグに極力頼らず、映像で物語を進めていくコンセプトにしました。

プロセスとしてはまず始めに脚本を作成することになりますが、上記の通り60秒という制限があったため、プロットの段階から各シーンの秒数を割り出し構成していきました。

撮影現場では各カットにかかる秒数を演者に伝え、芝居をしてもらいました。本来このやり方は演者にとって動きが制限されるため、高い対応力が求められます。

60秒という短い秒数の中で、いかに視聴者に印象を持ってもらうかが重要なので、キーショットとなるような画作りも心がけました。

3  編集・グレーディングを紹介

ポスプロにおいてはAdobe premiere pro とDaVinci Resolve を使用しました。ワークフローはまず撮影素材が4.6K BRAWのため、最初にDaVinci Resolve で使用素材を選定し、グレーディングを行い、Vision ColorのOSIRIS LUTsを基準に作品のルックを作りました。

https://vision-color.com

撮影時にM31 LUTを当てながらモニタリングしましたが、これはあくまで作品全体のルックの方向性を確認しながら撮るためのものであり、実際のグレーディングではM31 LUTを含め様々なLUTを組み合わせてトーンを決めました。

手順としては

1 基準となるM31 LUTとKDX LUTを適用します。

2 LUTが画に馴染むように、色温度、コントラスト、彩度などを調整します。

3 状況に応じて色相を変化させ、画にアクセントを付けます。

4 再度別のLUTを薄く適用させ、最終的な画のトーンを決定します。

5 調整後、ビネットやグラデーションで画にコントラストをつけます。

具体的なカット事例

ここではショートフィルムのラストカットを事例に挙げながら、詳しいカラーグレーディングの方法を紹介します。

こちらがBlackmagic RAW 1/12 4.6K収録した生素材になります。この状態から画のLookを作っていきます。

まず初めにM31-LOG32 LUTを適用します。この状態だと露出が上がり過ぎているので、次に露出を調整します。

カメラRAWでデコードに仕様をクリップにして、露出を下げます。ここでは彩度があった方が良いので、彩度を少し上げています。またハイライトが強いので、ハイライトリカバリーをONにしています。

撮影時にM31LUTを当てながら色温度を調整していたので、変える必要はありませんでした。

M31などのTeal &Orange LUTはスキントーンが日本人のような黄色人種だと赤みが強く出てしまうので、色相vs彩度で赤を落とします。

4.6Kで収録していることもあり、肌荒れや毛穴が目立つこともあるので、ミッドディティールを落とします。この時、映像が柔らかくなり過ぎてしまうこともありますが、その場合はシャドーなどを落とすことによって映像を締めることもできます。

ウィンドウで円形を使い、隅のシャドーをプライマリーホイールのガンマを落とすことにより、ビネット効果を付け加えます。

この画ではキーライトが右上の窓から差し込んでいるので、光源からの方向に合わせてウィンドウのグラデーションでガンマを落とします。

以上のような工程を経て、最終的にこのようなLookになりました。

そしてこれらのグレーディングしたデータを、XML書き出しでadobe premiere proに送り、編集とクレジットなどを入れてマスターデータを完成させます。

4 注意点

ここで注意するのがDaVinci Resolveでのグレーディングと書き出しはデータレベルをフルにしてはいけません。データレベルをフルにしてしまうと、premiereで読み込んだ時に、データレベルがビデオに圧縮されます。したがってDaVinci Resolveで作ったLookが変換されて画が変わってしまいます。

5 最後に

いかがだったでしょうか。今回は制作したショートフィルムを実例に挙げながら、撮影機材やカラーグレーディングをご紹介しました。少しでも皆さんのご参考になれば幸いです。

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