【最速レビュー】新発表 Nikon Z 6II・ Z 7IIの魅力とは?

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2020.11.05 (最終更新日: 2021.03.30)


皆様こんにちは。
bird and insect の林です。

今回、ニコンさんの新機種、 Z 6IIと Z 7IIをお借りしてレビューさせていただく機会に恵まれました。(掲載の作例はサンプル機で撮影)

個人的にはbird and insectを始めた2014年からはメインのカメラはずっとニコンさんを使っていて、Z 7が現在のスチールのメインカメラで仕事での使用に加え、普段から持ち歩いてスナップを撮影するなど幅広く使用しています。






Z 7 + Z 50mm f/1.8 Sで撮影

今回は既に気に入っているカメラの新型のレビューということで、どうしても評価が甘めになってしまいそうなのですが、ニコンさんの提供だからといってカメラを褒めることしかしないレビューは書きたくありません。僕が無駄に期待値を上げてしまえば、カメラを購入した人の評価は逆に辛口になっていくからです。

それは購入者のレビューの平均点を下げるため、長い目で見たときにカメラ業界を衰退させる要因のひとつになります。

また、元カメラ設計者の端くれとして、カメラに対してはフラットな目線で見ていきたいので、忖度なしでレビューしていきます

まず初めに、僕のレビューの能力について


Z 7 II+ Z 85mm f/1.8 S

僕が実際にある程度長い期間使用し、仕事レベルで感覚としてかなり分かっているカメラは大体下記のような感じです。

スチール機

Canon 5D markIV
Nikon D850
Nikon Z 7
Sony α7RIII
Leica M10
Sigma SD quattro H

ムービー機

Sony α7SII
Sigma fp
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K/6K

スペック・技術的な部分については知識のみで書ける部分のため、他の大体の最新機種との比較が出来る状態となりますが、スペックを超えた感覚的な部分については上記の「使い込んだことがある」カメラとの比較を心の中でしていることになります。(この前提条件はレビューを書く上でとても大事だと思っています。)

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Z 6II, Z 7IIはぶっちゃけどうなのか?


Z 7 II + Z 85mm f/1.8 S

最初に結論を書きますが、Z 7IIはスチール機としては既に「完成された領域」におり、ムービーカメラとしては「現状では75点くらいですが、今後予定されているアップデートで35mmフルサイズの中で最も有力な選択肢になる」という印象です

Z 6IIについては、スチール機としては「単体では全く不満のないレベルだが Z 7IIと比べると違いがわかる」。ムービー機としては「 Z 7IIより上で、スチールとの総合力では Z 7IIとどちらにすべきか非常に迷う。」という感じです。

Z シリーズはいずれの機種も現時点で販売されている35mmフルサイズ機の中ではトップレベルなのは間違いなく、ぶっちゃけ他メーカーのカメラとの差は「好みの差」です。

また、世の中にはたくさんのレビューがありますが、読むときにまず心がけたいのは下記の3点です。

完璧なカメラなんてこの世にない
どのメーカーも頑張っているので、性能的な部分の差は軽微である
レビュワーはそのカメラを褒めようとするが、スペックで褒めることに大した意味はない

絶対このカメラがいい!というカメラがもしあれば世の中はそのカメラをおすすめするレビューで埋め尽くされる筈です。

そうなっていないということは、どのカメラも一長一短であるということの証明にほかありません。

Z 6, Z 7, Z 6II, Z 7IIの違い


Z 7II+ Z 85mm f/1.8 S

本レビューは、まずはいわゆるレビューっぽいスペックの話をしていき、最後により本質的ななぜ Z シリーズを選ぶのかという話をしていきます。

まずは
Z 6, Z 7, Z 6II, Z 7IIの違いです。

まずはシリーズの違い。

Z 6シリーズが Z 7 シリーズに劣る点はほとんど画素数だけです。
なので、6か7かで迷ったらとにかく画素数が必要かどうかを考えるのがおすすめです。
Z 6シリーズは画素数が劣る代わりに、

・安価
・動画がクロップされてDXになることがない
2020.10.16訂正
こちら改めて確認したところ、条件により Z 6IIの方がクロップされるパターンもあるようです。
複雑なため後日正確な情報を出せたらと思っております。。!
・連写性能に優れる
・AF性能に優れる
といった利点があります。

Z 7シリーズは高価ですがスチールが圧倒的。
動画は特定条件で DXクロップされてしまうのが欠点になります(ここがなければ「お金が許せば Z 7」となるところなのですが。。)

IIへの主な進化ポイントは 大きく分けて5つ。

・AF性能の向上
・連写性能の強化
・ダブルスロットの搭載
・縦位置グリップ対応
・4K60pでの映像収録

目に見える大きな変化はこの5つです。

ダブルスロットと4K60pでの映像収録は大きな変化です。
AFと連写は元々不満が無かったものをさらに詰めてきた印象。
縦位置グリップは嬉しい人には嬉しい進化ですね。

では詳細にスチール機・ムービー機としての新型のインプレッションをしていきましょう。

スチール機としての Z 6II , Z 7II


Z 6II+ Z 24mm f/1.8 S

画素の違いについて


Z 7II+ Z 50mm f/1.8 S

まず両者の違いで最も大きいのは画素数です。

Z 6IIは約2400万画素、Z 7IIは約4500万画素。

これだけ見るとZ 7IIの方が倍近く凄そうですが、じゃあ果たして僕らが撮る写真は何万画素必要なのでしょうか?

例えばこのVookさんの記事の写真は長辺1200pxで上がっています。
1200×675pxだとしてわずか81万画素。
この時点で、このようなレビュー記事にある画像から画質を読み解くのは不可能なことが分かります。

また、現在主流のiMacの画面解像度は5K。これは画素数換算で約1400万画素になります。
これも思ったより少なくないでしょうか?

これから8Kのモニタが主流になると仮定すると、約3300万画素。
8Kになって漸く Z 6IIでは画素が不足します。

じゃあ8Kは本当に主流になるのでしょうか?

・・・・

本来、画素数はこのようなトレンドを読みながら必要なものを選定する必要があります。
結果、たどり着く結論はこうです。

「現時点では2000万画素もあれば十分だが、大きく展示や広告で印刷したり8Kのモニタが主流になる未来を読むなら4000万画素程度は必要である。」

現時点での画質でどっちが良いということはあまりありません。
画素数以外の画質(ダイナミックレンジ・色・高感度耐性など)に関しては Z 7IIも Z 6IIも大きな差はありません。いや、もちろん差はあるのですがちょっとした設定の違いやライトの状態、現像の方向性などによって容易に吸収されるレベルです。

同じ被写体を並べて同じ設定で等倍比較したら Z 7IIの方が良い描写に決まっています。

凝縮効果(高画素のモデルで撮って縮小した方が解像感、ノイズ、色、どれもよく見える)でモニタで見た時も Z 7IIの方がリッチな画に見えるのもあるでしょう。

ただそれを見て「やっぱり Z 7IIだ!」というのは、いささか早計ではないかと思うのです。
スペックに惑わされずに、数年後を見据えるのか今「必要十分」なものを使うのかという視点で選ぶのが良いと思います。

ということを念頭に置きつつ(長くてすみません)スペックを見ていきましょう。

ファインダーについて


Z 7II+ Z 50mm f/1.8 S

Z 6 II,Z 7 IIは同じ性能です。
Zシリーズを使っていて実際に他社のカメラと最終結果に差が出るなと感じるのは、ファインダーの見えの良さから来る撮影のしやすさです。

正直EVFに関してはずっと否定派だったのですが、Z 7のファインダーを覗いて初めてこれは使えると思いました。画素数だけで言うとSONYさんのα7R IIIなどと変わらないのですが、個人的にはZ 7 IIの方が見え方が自然に感じます。これは Z 6, Z 7, Z 6II, Z 7IIいずれもほぼ同じ見え方だと思います。

ファインダーの見え方って絶対に自分で一度覗いてみないとわからず、一番レビューで伝えられない部分なのがもどかしい。。

ニコンさんに教えて頂いたのですが、数値の出ないファインダー部の光学ガラス系の独自設計や質の良さにこだわり、一眼レフを使っていたユーザーにも違和感なくEVFが使えるようになっているとのこと。EVFというと普段は画素数とリフレッシュレートぐらいしか数値として見ることはありませんが、こういう数値に出ない部分が優れているのがニコン製品の特徴だと僕は思っています。

他社になりますが、筆者がカメラの設計をしていたときには「官能評価」という、スペックでは表せない「フィーリング」の部分を人がいいと思うか悪いと思うかを調べる試験がされていました。
ニコンのカメラを使っていて感じるのは、この官能評価がしっかりされているのだろうなと推察されることです。シャッターのフィーリング、ボタンの押し心地、EVFの自然な見え方、グリップの握りやすさ、ボディとレンズの重量バランス、フォーカスが合う際の自然さとスピードのバランスなど、あらゆる点が非常にハイレベルにまとまっている。ここが「たとえ一時的に他社にスペックで劣ることがあったとしても」ニコンを使い続ける理由のひとつになっています。

逆に言うと、他社でニコン以上の官能評価がされているカメラが出たとき、乗り換える可能性は十分にあります。(が、これこそ簡単に他社が真似できない部分だと思います。)

オートフォーカス(AF)について


Z 6II+ Z 85mm f/1.8 S

Z 6 IIの方が Z 7 IIよりもやや優れていますが、ほぼ同じレベルに感じます。
ミラーレスカメラのレンズはAFの設計が非常に難しいです。何を持ってピントが合っているかを判断する方法が一眼レフと違うためです。

皆さんはミラーレスを使っていてAFが合う瞬間に微妙にフォーカスが前後に動いてから合うのを感じたことはないでしょうか?あれはピント前後のコントラストを見て一番コントラストが高い部分を「ピントが合っている」と判断するため、微妙にピントを前後させて比較する必要があるためです。これがとにかくストレス。

ニコンのZシリーズはこのストレスがほぼありません。

特に50mmまでの焦点距離のレンズのピント速度、合い方の自然さ(フォーカスの動きのノイズのなさ)は特筆ものです。僕はずっとここに違和感があってミラーレスに乗り換えを躊躇っていましたが、 Z 7とZ 50mm f/1.8 Sの組み合わせを使ってミラーレスの感覚が一新されました。感覚的に、一眼レフ機であるD850と同等にシャッターチャンスを捉えられるようになったのです。
また、 Z 7II、 Z 6IIになってAFが大幅に進化しています。元々ミラーレスとしては最高に合いやすいAFでしたが、さらに追従性が増していることに驚きました。瞳AFも勿論使えますし、猫の瞳にも対応したのは一日の大半を猫と過ごす僕にとってものすごい朗報です。

連写速度と連写可能コマ数について


Z 7II+ Z 50mm f/1.8 S

Z 6 IIの方が Z 7 IIよりもかなり優れています。
また、連写速度が上がっているのはスポーツや動物、スナップを撮る方には嬉しいポイントです。正直「ここまで連写することある?w」ってレベルまで連写できます。また連写可能コマ数も大幅に増えました。
なんでこんなに連写が進化したかというと、画像処理エンジンを2枚積んでいるからです。サラッと言いましたがこれって凄くないですか?
Z 6IIは約14コマ/秒で最大124コマまで、Z 7IIは約10コマ/秒で最大77コマまで連写できるというとんでもない性能です。

ここで冷静に考えなくてはいけないのは、動画も静止画の連続であるということです。
8Kでムービーを撮れるカメラであればそれは3000万画素超で秒間30コマの静止画が連写出来るのと同じです。スチールとムービーの垣根は無くなりつつあり、シネマカメラでスチールを撮るフォトグラファー(それはフォトグラファーなのか。。?)も出てきています。

じゃあ静止画を連写することに何の意味があるのかと言えば、ストロボが使えるということではないでしょうか。ムービーは定常光でのライティングが必要ですが、現時点ではまだまだストロボのほうが光量・光の質ともに優れています(正確にいうと優れているというより同価格帯でのコスパがストロボのほうが高いというイメージです)。

画像エンジンが2枚になったという斬新な変更は連写性能以外に何に使われているのでしょうか。ここは不思議だったのでニコンさんに教えていただいたところ、

・連写性能と連写可能コマ数UP
・AF低輝度の検出性能UP(暗い箇所でAFが合う性能)
・AF機能の追加(動画とスチル)
・書き込み速度の処理UP
などに使用されているようです。

これは現段階なので、勝手な予想ではありますがファームアップでなにかもっと新しい使い方が出来るようになるのではないかと期待しています。(特にニコンさんから何の情報も得ていないので完全に希望的観測ですw)

ダブルスロット


Z 7II+ Z 50mm f/1.8 S

Z 6 II, Z 7 IIともにダブルスロットです。

お仕事でZシリーズを使う人には嬉しい進化!
これで安心して使えますね。
1万回に一回壊れるカードもダブルにしておけば1億回に1回までリスクを低減できます。

※僕の方での解説がふわっとしていたので下記ニコンさんに補足いただきましたw
CFexpress(Type B)/XQD カードと、UHS-II 規格対応のSD カードを使用できるダブルスロットを搭載しており、PCI Express(PCIe)Gen3にも対応しています。
高速性の高いCFexpressカード使用時は、Z 7、Z 6よりもさらに高速の書き込みが可能です。

何度も言ってしまいますが、
スチール機としてのZシリーズは旧機種から既に完成の領域でした。
それがさらに細部を詰めてきたという印象で、もう次は何が進化するんだろう。。IIIの開発は大変だろうな。。と今から心配しています。

ムービー機としての Z 6II, Z 7II


Z 7II+ Z 50mm f/1.8 S

Black magic RAW への対応!!

ムービー機としては何をおいてもまず、Z 6II、Z 7IIともに 21年2月予定でファームアップを予告されている、Blackmagic社製の外部レコーダーを使用したBlackmagic RAW収録への対応です!!なぜ発売と同時に対応しないんだ。

Z 6,Z 7と同様に、発売時にはAtomos NINJA Vを使用したProRes Rawの収録に対応するようです。
僕はしばらくProRes RAW で運用しながら来年を待つ感じになりそうです。。!

Blackmagic RawはRawでありながらデータを軽くすることができ、圧倒的な編集での扱いやすさを誇ります。Prores Rawなどほかのムービー用のRaw形式もありますが、一度使ったらBlackmagic Raw 最高だなってなる筈です。

*21年2月予定でBlackmagic Design Video Assist 12G HDR にファームアップ対応見込。またRAW動画HDMI出力対応には有償設定申し込みが必要になります

これは本当に革命です。

なぜなら現在Blackmagic Rawに対応しているミラーレスはSIGMA fpだけだからです。

僕はBlackmagic Rawで撮りたくてfpを買いました。

その直後にこのレビューの執筆依頼を頂き後悔しています。
正直、これで初めて「プロの動画機としてどの現場に出しても恥ずかしくない」機種になりました。ミラーレス界最強です。

但し、他のメーカーがBlackmagic Rawに対応して来なければ。。という条件です。なのでなおさら発売日に対応してほしかった。

特に皆さんが気になっていると思われる、「結局 α7S IIIじゃなくてニコンを選ぶメリットって何なの?」に対する明確な優位性であるBlackmagic Rawへの対応が発売と同時にされていれば、全力でニコンさんを推せただけに残念です。

実際に撮影してみて

現時点では内部収録で8bit、外部モニタを繋いで10bitです。
8bitと10bitの違いは明白ですが、個人的には10bitで撮るならデータ量的にももうRawで撮りたいなという気持ちです。

今回は一本ムービーを撮ってみました。
特に機動性を重視されるワンオペでの撮影を想定して、基本的に8bit内部収録、そして全て手持ちでかなりスナップ的に撮影しています。

また、Zシリーズ最大の長所とも言える、ムービーとスチールを交互に撮るような使い方をしてみました。

この使い方が、敢えてシネマカメラを選ばずにミラーレスを使うメリットだと感じているためです。(本気の動画画質はBlackmagic Raw対応後じゃないと議論できないなと思っています)

4K60P撮影のメリット

ムービーとして嬉しいのは4K60pへの対応です。

「スローにできるかできないか」は動画を撮る上でとっても大事なポイントです。
60pで撮れると、30pまで落としたときに1/2スローになるのは勿論ですが、さらにフレーム補間(編集時に、フレームとフレームの間を編集ソフトの機能によって補完すること)を使って120p,240pと落としていくこともしやすくなります。実用上、30pまでに制限されるのと60pまで撮れるのは大きな差があるのです。
気をつけなくてはいけないのは、Z 7IIは4K60p撮影時はDXサイズ(スーパー35)にクロップになることです。ここが Z 6IIと Z 7IIの機種選びを難しくしています。
2020.10.16訂正
Z 7IIの4K60p→93%クロップです。
この辺りの情報は現在ニコンさんに再度確認中なのですが、
・各機種・設定でのクロップファクターがRaw出力時を含めかなり複雑になっており、また今後変更される可能性のある情報も含んでおりますため、正確な情報を後日発信出来ればと思っております。。!

またZ 6IIの4K60p 対応は21年2月予定のファームアップ時になるとのことで、お借りした機種も4K60pで撮影出来るのは Z 7IIのみでした。

Z 6IIの方が動画に特化した機種だと思っていたのですが、難しいですね。。
Brawの対応含め、 Z 7II, Z 6IIが本当に完成するのは21年2月だと思っていたほうがいいかもしれません。

オートフォーカス(AF)の追従性

また、Z 6II、Z 7IIともにAFの追従性が非常に高くなったことも朗報です。

個人的にはまだまだプロの現場はMFの時代が続くと思います。

意図したときに意図した場所にピントを合わせられること、また敢えて合わせないという選択肢を取れることは映像表現において非常に重要だからです。

ただ、個人で映像を撮ったり忙しい案件の場合、またプライベートで動画を撮る場合などはAFの性能がとても重要になってきます
また、暗所でのAF時に効果を発揮する低輝度性能も改善されています。
Z 6II は-4.5EVでのAFに対応し、これは薄暗い舞台やBARでの撮影時に役立ちます。
Z 7II は-3.0EV までで、これは夜の街での高精度なAF が可能です。より暗いシーンや月明りなどでの「静止画撮影時」には「ローライトAF」機能を使用することでZ 6II は-6.0EV、Z 7IIは-4.0EV の暗さまでAF 撮影が行えます。(-6.0EVはめっちゃ暗いです)

更に今回の新機種では動画撮影時でも瞳AFと動物AFが撮影できるようになりました。
スチールよりもムービーで欲しかった機能なので嬉しい進化です。

AFに関して大きく改善されたことで、やっとニコンのカメラもソニーと張り合えるAF性能になったか。。と思えるようになりました。

実際に猫で試してみたところ、100点とはいかないようです。

被写体から離れる側のAFの追従性はすごく高く、仕事でも十分に実用的だなと感じました。
被写体に近づく側に関しては、広角域のレンズであれば7割くらい追従するイメージです。
仕事で運用する際にAFを使うかどうかは非常に迷うところです。

なぜなら、AFの失敗によるリテイクは「次も成功するかが機械任せになる」ため、改善の仕方が難しいためです。MFであれば、1テイク目に失敗しても2テイク目は改善が出来ます。そういう意味で動画のAFは、仕事においては非常にシビアな性能が要求される(単に人間が合わせるより高精度で楽なら良いというものではなく、2テイク目以降の改善可能性が求められる)と考えています。

ここに関しては是非、AFでの運用を考えている方は購入前に試していただくことをおすすめします。僕が知る限り他社でもAF任せで安心、というレベルの製品は出ていないので、各社試して納得のいく落とし所を見つけるべきかなというのが現在の考えです。

とはいえ正面じゃない意地悪な条件でここまで合うのはすごい。。!
そしてこれ8bitの内部収録なのですが、意外と綺麗じゃないですか。。?
8bitってこんな綺麗だっけ。。Z 24mm f/1.8 Sの素性の良さも出ている気がします。
これBrawで撮ったらすごいことになるぞ。。

USB給電による撮影現場のメリット

あとは現場で嬉しいのはUSB給電です。

動画の場合はリグなどをつけるため、現場で簡単に電池交換が出来ない場合が多々あります。
その際にUSB給電になっていると時間が大幅に短縮出来ます。その間に1カットでも多く撮れれば編集時にそのカットに救われるかもしれません。

●その他 細かい改善点がたくさんあります。
文字数が怖いですが見ていきますか。。!

・撮影時の画面内情報表示OFF
・電源OFF時のフォーカス位置記憶設定
・MF時のフォーカスリング逆設定
・水準器画面表示のスリム化で見やすさ向上
・インターバルタイマー撮影時にタイムラプス動画の自動生成の選択が可能に
→撮影がうまくできたかをカメラ内ですぐに確認できる(動画と静止画の2種を記録できる)
・さらなる省電力を求める方にパワーセーブモードを搭載
・同梱バッテリー容量アップ、動画撮影可能時間 (電池寿命)UP。モニター使用時でZ 7IIは約105分、Z 6IIは約100分に増。
・同時に出る別売りの「パワーバッテリーパック MB-N11」を使うと、縦位置でのスチル撮影や大型質量レンズでのスチル撮影使用時の他に、、電源ONのまま撮影継続したまま中断せずにバッテリー交換(ホットスワップ対応)をしたり、MB-N11側のでUSB端子からUSB給電(両C端子のケーブル)しながら、カメラ側USB端子ケーブルでの動画機器との通信や、PCとの接続によるテザー撮影などの使用も可能に

これは。。iPhoneでいう「S」が付くモデルのように、熟成されている感じですね。。!

総じて、Brawに対応したら Z 6IIが現段階では最強のムービー用ミラーレスという認識に僕の中ではなります。
Z 7IIはほんと4K 60pのクロップを許容できるかですね。。!

2020.10.16訂正
この辺り現在ニコンさんに確認中なのですが、
・各機種・設定でのクロップファクターがRaw出力時を含めかなり複雑になっており、また今後変更される可能性のある情報も含んでおりますため、正確な情報を後日発信出来ればと思っております。。!

Braw出力の詳細(どのような条件でクロップされるかなど)に関してはまだ不確定な部分があるようですので、続報をお待ちください!

こちらの動画は、bird and insectのshuntaroが Z 6(現行機)で撮影した作品です。


8bitで収録、ほぼカメラ内で色調整を完結させており、8bit収録の実力を見る上でひとつのベンチマークになるかと思います。(個人的には8bitでもかなり綺麗だなと感じます)

Zシリーズそのものの魅力について


Z 7 + Z 50mm f/1.8 S

ここまで新機種について書いてきましたが、僕は新機種以前にZシリーズそのものの魅力が世間にまだ周知されていないと感じています。

ニコンのZシリーズを「知っている」人は多いと思いますが、果たして実際に触って、ファインダーを覗いて撮って、現像やグレーディングをした方はどのくらいいるでしょうか?

普通の新機種レビューであれば旧機種からの変化に注目するところですが、このレビューでお伝えしたいのは新機種の良さであると同時に、
Zシリーズそのものが実は選択肢として非常に魅力的であるということです。

僕も実はZシリーズが発表された当初は大変な酷評をしました。

しかし、いざ発売されて触ってみると、思いの外素晴らしいカメラで、意見を180°変えて訂正のレビューを出し、以来ずっと愛用しています。

そのくらい、スペックや見た目の印象と実際に使ったときのフィーリングに違いのあるカメラです。

一言でいうとニコンさんのブランディング・プロモーションが下手とも言えます。
Zシリーズの魅力の10%も伝わっていない。

じゃあなぜ伝わらないか?

スペックだけ見るとZシリーズのライバルになる機種はたくさんあるからです。
SONYのα7SIII、α7RⅣは素晴らしいスペックだし、CanonのR5もスペックを横並びで比較したらZシリーズに印象で勝るでしょう。

それでもなぜ僕が(もっと言うとbird and insectが)Zシリーズを使うかと言えば、分かりやすい1つの理由と分かりにくい本当の理由があります。

Z シリーズを使用する分かりやすい理由


Z 7+ Z 50mm f/1.8 S

レンズです。
カメラを語る上でまず大事なのがレンズです。

ZシリーズのZマウントシステムはいわゆる一眼レフのFマウントと異なり、全て新設計です。

一言でいうと大口径。マウントを正面から見た時の大きさがまず違います。
これによってどんな良いことがあるかというと、レンズをとにかく高性能に設計出来るのです。

ボディとレンズの重量のバランス

で、こうなると普通は「大口径のF1.2のレンズを最初に出そう!」というような方向性になるのですが、ニコンの最大の成功にして失敗は最初のラインナップをF1.8の単焦点レンズにしたことです。ほぼ同時発表のCanonはF1.2を最初に投入してきました。そこで「これCanonの方がいいな。。」となった人は多い筈です。

僕もそうなりました。「折角の新開発の大口径マウントなのにF1.8?何考えてんだ」と。
ただ実際に使うとこれがベストマッチだったのです。

そもそもミラーレスの長所は機動力の高さです。重いレンズをメインにするとかなりフロントヘビーになり握力が消耗します。それならむしろ本体が重い一眼レフの方がいい。

Z 35mm,Z 50mm,Z 85mmの三兄弟はその点ボディとの重量バランスがとても良いです。とにかく持っていて疲れない。

レンズが表現するボケ感

さらに実際にF1.8を使ってみると、それ以上ボカしたい場面はあまり訪れません。
よく考えてみるとそれはそうです。だって中判の標準レンズは明るくても80mmF3.5とか。でも中判でもっとボカしたいなあということはほぼ訪れません。

なぜか。人間がボケの量を判断するときは、実は単純なボケの大きさだけではなくどれだけ滑らかにボケていくかという「ボケの質」との総合判断なのです。なので実際にはボケ量が少ない中判カメラの80mm F3.5を、一眼の50mm F1.2よりもボケているように感じる(正確な表現で言うと「ボケていないように感じない」)。

という意味で、ZシリーズのZレンズは非常に自然なボケで、ある意味中判のような「もっとボケてほしいなと思わない」ボケ方をします。
ここは是非一度使ってみていただきたいです
。。!

使用できるレンズのラインナップが充足

そしてさらに、Zレンズのラインナップが大幅に拡充されて「本当にボケの大きいレンズ」も出てしまいました。かなりフロントヘビーにはなりますが、単純に他社に対抗出来る(というかミラーレスでは他社を明らかに凌駕する)レンズラインナップが揃ったことになります。

また、Zシリーズはフランジバックは16mmと短いため、世の中の多くのレンズが使用できます。
僕も普段はZ 50mmをメインにしつつ、MマウントのVoigtlander 40mm F1.2などを使ったりしています。
下記、40mm F1.2の写真です。

このレンズは非常にピント面の薄いレンズですが、ZシリーズはEVFが素晴らしいので開放でも余裕で合わせられます。


Z 50mmは非常にクリアなレンズですが、このVoigtlanderは良くも悪くもレンズの存在を感じさせるやや癖のある描写です。この記事上で見てもややふわっとしてますね。


Zシリーズはややアンダーが合うようなセンサー特性な気がします。
とはいえライカのようなアンダーじゃないと良いと感じないようなカメラではなく、ハイキーが難しいわけでは決してありません。

ボディ内手ぶれ補正

このときに地味に効いてくるのが ボディ内手ブレ補正です。
Zシリーズのボディ内手ブレ補正は素晴らしく、計5軸のブレを効果的に補正できるため、85mm程度までの「レンズ内手ブレ補正のない」レンズも手持ちで問題なく動画が撮れます

手ブレ補正は構図を決める時に、微妙に動いてなかなか決まらないというストレスを減らす効果もあり、そこは基本的に手ブレ補正のついていないシネマカメラにはない大きな利点だと思います。

さてここからは最後、僕が一番言いたかったZシリーズの本当の魅力についてお話します。

最後に、Zシリーズを選んだ本当の理由


Z 7+ Z 50mm f/1.8 S

Zシリーズのレンズの描写は一言でいうと「透明」。

この透明というワードは実はZシリーズのカメラ本体にも言える、実はこのレビューの核をなすワードです。スペックに優れたカメラは星の数ほどありますが、透明なカメラは少ない。

透明なカメラとは何かというと、「そこにカメラ(レンズ)の存在があることを感じさせないカメラ」です。
Zシリーズは僕の中で最もこの感覚に近いカメラで、だからZシリーズを使い続けています。

一般的にはライカが透明なカメラに近いと言われます。

僕もライカM10を買いましたが、少し自分の感覚とずれて余計なものを感じてしまいました。
レンジファインダーのピント合わせの瞬間に、どうしても少しのストレスを感じてしまったのです。その行為自体はものすごく楽しいものでしたが、その楽しさがカメラを「透明ではなく」しているのだと気づきました。

Zシリーズを持って撮影するとき、カメラの存在を感じるのは最初の7分程度です。
その後は「いいカメラだな・悪いカメラだな」「いいレンズだな・悪いレンズだな」という雑念から開放されて、カメラを無いものとして扱える感覚がZシリーズにはあります

スペックではソニーのα7SIIIやキヤノンのR5に目移りしても、結局最後のところで買い換えに至らない理由がこの透明さなのです。

この感覚は文章では伝えきれません。
写真や動画を撮影するというのは多分に身体的な行為です。

同レベルの人が一緒に同じ場面を撮影しても、必ず違った画になるのが写真や動画の面白いところ。これはまさにその人の身体構造が違うからです。

「いいカメラを持つと写真が上手くなる」というのも、その人の身体にしっくりきた「手足のように扱える」カメラを持ったときに起こる現象なのではないかと思っています。

それが起こるのが僕の中ではZシリーズでした。

それが皆さんに起こるかは分かりません。ある人はαシリーズで起こるかもしれないし、ライカで起こるかもしれません。名も知れないフィルムカメラがあなたにとって一番しっくりくるかもしれません。

ただその選択肢のひとつとして、Zシリーズに触れないまま他のカメラを使うのは勿体ないなと感じています。

是非Zシリーズの感触を確かめてみてください。
そしてご自身に最も合うカメラを自由に選んでいただくのが正解だと思います。

長いレビューになりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!


おつかれさまでした!

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