2020.12.11 (最終更新日: 2020.12.11)

【01】モーショングラフィックス-共通点を探す-

モーショングラフィックスとは?

『デザイン+モーション(動き)』
というのは、既によく知られたことだと思います。

その中で、デザインが重要ということは多くの素晴らしい方が発信し、まとめてくださっているおかげで広く認知されてきています。
そこで今回はデザインは重要ということは大前提とし、動きについてお話したいと思います。

『動きの仕組み』を言語化する必要性

一流のモーショングラフィックス作品を見た時に、流れるように綺麗な動きを「どのような考えのもと作られているのか?」と思ったことはありませんか?

もしそのような問いかけをしても、大抵の場合は、擬音ベースの説明になったり、センスと済まされてしまうケースが多いと思います。
僕自身、同じような問いかけをされたことがありますが「どう答えれば良いのか…?」と考えたことがあります。
自分の中ではしっかりしたロジックの元、動きを作ってはいるものの、それらを言語化することは行っていませんでした。

感覚で全てを作り切ってしまう天才も中にはいると思いますが、ごく一部の人間です。
僕自身は右右脳ですが感覚に頼らず、なんとかその動きのロジックを見つけ、考えることで自身の作品制作に活かそうとしてきました。

感覚で作っても良い作品が生まれることはあると思いますが、しっかりと仕組みを理解することで、良い動きを作る確率を上げることができると思っています。
自身の中に答えを用意しておけば、クライアントワークでの修正も減り、意味や意図を説明することができれば納得してもらいやすくなります。
さらに、基本的な考えがあるからこそ、あえて外した動きを作ることも可能になります。

では実際にヒントを見ながら、動きの流れを言語化し、理解を深めていきたいと思います。

動きの流れを作る3つの視点

スムーズな動きの流れや、次にどう動かすかを導き出すための考え方はいくつか存在します。
今回紹介するのは以下の通りです。

  • 共通点を探す
  • どのような力が働き、生まれるかを考える
  • 角度と基点を変える

です。

まずは共通点を探すについて見ていきます。

動かすことで共通点を作る

映像の繋がりに共通点がないケースも多く存在します。
前後の映像に共通点がない場合は、コントラストが強くなり、パッと切り替わった印象が強く残る為、スムーズな動きの流れに見えません。
特に形状に違いがあると、切り替わりの際の印象が強く残ります。
それだけシルエットというのは頭に焼き付くものです。

形状が違う場合や、共通点がない場合でも、動きを加えることで前後の共通点を作ることができます。

共通点の言葉の前には、「動きの」「形状の」「色の」など様々な言葉が入ります。
これらを複合的に組み合わせて次に繋がるモーションを考えていきます。

例を出します。次の画像を見てください。

▼左にある四角形と右にある円形。

これらの共通点はどこでしょうか?
パッと見たところ、色味や質感に共通点があります。
しかし形状を見ると、角のある四角形と、丸みの象徴である円形ではコントラストが強いと感じます。

▼動かして、共通点を増やしてみます。

四角形を回転させることで、円の軌跡が生まれ円形との形状の共通点が生まれます
GIF画像では分かりやすく、四角形が回転した際の軌跡を表示させていますが、実際にモーションを作成する際も動いた軌跡のエフェクトを足すのは効果的な手法となります。

では実際に、異なる図形を切り替えるモーションを作成してみます。
前後の動きや形状に共通点を持たせることで、図形の切り替わりをスムーズに見せます。

動きの共通点では、動きという言葉を様々なワードに分解していく必要があります。
動くことで生まれる「速度」や「方向」など、多くのワードを見つけ、共通点を作ることでより効果的に見せることができます。
速度と方向も、移動する速度なのか?回転する速度なのか?でも、細分化されます。

▼四角形から、円形に切り替えます。

このままだと、パッと切り替わった印象が強く残ってしまいます。

▼動きを加えて、前後の共通点を作ります。

左右へ移動する動きと、回転に合わせて図形を切り替えました。
今回の共通点は以下の通りです。

  • 移動する方向
  • 移動する速度
  • 回転する方向
  • 回転する速度
  • 形状
  • 色、質感

移動する方向と速度、回転する方向と速度を合わせます。
(円形は形状の問題で回転しているようには見えませんが…同じ回転値で動かしています)

この時、最高速度付近で切り替えるとより効果的に見せることができます。
他にも、回転による四角形の軌跡により形状にも共通点が生まれます。

モーフィングなどは行っていないため、実際にはパッと切り替わっている図形も「共通点」を持たせることで、切り替わり時の違和感を和らげることができます。

レイアウトによって生まれる形状の共通点

形状の共通点は、図形の形だけでなく、図形を複数配置することによっても生まれます。

▼次のGIF画像を見てみます。

図形が上昇したあと、円の軌道を描きながら、図形を複製しています。
複製によって配置された形は、円形と捉えることができます。
複数の図形配置によって作り出された円という形状の共通点と、縮小する動きの共通点も合わさり元の円形に戻るときの違和感を和らげています。

▼もうひとつ、配置による形状の共通点を見てみます。

円柱が飛び上がり、画面に張り付いたところで、他の円柱がひっくり返り、四角形の配置を作り出します。
配置によって四角形の形状が生まれたことで、四角形のモーションに繋げるための準備が整っています。

このように共通点は、動きを繋げていくために活用していくことができます。
形状や動きの方向だけでなく、飛び跳ねた落ちたなどの事象も共通点として成立します。
次の記事で、事象の共通点についても触れていきます。

共通点を一度でも発見することができれば、それらが蓄積されていくため、動かし方の幅が増えていきます。
良い作品を注意深く見て、映像の前後の共通点を探してみてはいかがでしょうか?

次回の記事は6日公開予定…!
16日には映像つきで解説するウェビナーも予定しています。
ぜひご参加ください。

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    コメント

    • 0116_martin
      すごく分かりやすく、説明に納得感がある記事でした。
      文字だけでもなんとなくは理解出来たと思いますが、
      実際にGIFで見てさらに納得が出来ます。

      四角形を回転させた時の円状の軌跡を出す方法はいくつかあると思いますが、
      Eisakuさんはどうやって表現していますか?
    • Surprise Eisaku
      0116_martinさん
      お読みいただきありがとうございます。
      円状の軌跡ですが僕の場合、Trailsという有償スクリプトを使用しています。