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角度と基点を変える

映像の流れを作る3つの視点の最後は、「角度と基点を変える」です。

オブジェクトそのものを回転したり、カメラの位置を変えたりすることで、見え方が変わり、表現の幅が広がります。
他にも、どこを基点とするかでも、モノの見え方は大きく変わり、新たな動きを作るうえでのヒントとなります。

角度を変えて見る

実際にヒントを見ていきます。

▼平面的な四角形も…

角度を変えることで立方体となります。
3次元になると、奥行き(Z軸)が追加されることで動きの情報量を簡単に増やすことができます。
これだけでも、角度を変えるだけで表現の幅が広がるということがわかります。
他にも見ていきましょう。

▼ただの円形も…

回転させることで円柱になります。
パースをオフにして、側面だけを見せれば四角形にも見せることができそうです。

他にも、円形であれば質感を追加して球体に見せることもできます。
ひとつの方向から見るのではなく、様々な角度から見たり、回転させてみたりすることで、違った形状で捉えることができるようになり、選択肢を増やすことに繋がります。

基点を変えて見る

どこを基点とするか?」も重要です。
どこを床とするか?どこが天井なのか?など基点を自身で指定することでも見え方が変わってきます。

▼同じ形状でも、どこを基点とするかで色々な見方ができるようになります。

【左】普通の立方体

【中】ただの立方体と捉えることもできれば、180度回転させると床と壁がある部屋のようにも見えます。
分かりやすいように球体を置いてみました。

【右】塗りつぶしてシルエットだけにすれば、平面的な6角形とも捉えることができます。

今見えている形状をそのまま素直に受け取るだけでなく、角度や基点を変えてみることは、動きの引き出しを増やす手助けとなります。
〇〇に見えるかも?」「〇〇に似てるかも?」くらいの軽いノリでOKです。

捉え方を変えて次の流れを探る

ひとつの図形でも、角度や基点を変えて捉えることで違った形状に見えるようになることが分かりました。
では実際に、動いているものを、角度や基点を変えて見るとどうなるのか…ヒントを見ていきます。

次のモーションをどう見るでしょうか?
第2章の「どのような力が働き、生まれるかを考える」をご覧になった方は、縮小だけでなく色々な見方ができるようになっているはずです。

▼円形が縮小している動きですが…

見る人によっては、ただ縮小しているだけに見えますが、空間を意識して見ると他にも、ボールが奥に向かって飛んでいる、もしくはボールが落ちていると捉えることもできます。
同じ動きでも、角度や基点を変えて見ることで、次に繋がるモーションを生み出すヒントとなります。
形状や動きをどう捉えるかは、作り手次第ではありますが、効果を付け足すことで、見る側と情報を共有することもできます。

▼先ほどの動きに効果を付け加えてみます。

黄色い円形の動きは先ほどと同じモーションですが、水面に球体が落ちたようにも見えます。

▼さらに別の効果を付けて、見方を変えてみましょう。

空間を作ることで、カメラが引いたような絵を作り出すことができました。
それぞれ中心にある黄色の円形は同じモーションですが、見え方がひとつではないことが分かります。
頭の中でカメラを置いてみて、どう捉えるか?を頭に入れることで、動きや表現の幅を広げることができます。

これらの考え方は、3Dと2Dを組み合わせて、次元を行き来するような表現にも役立ちます。

▼作例

作例では、カメラを動かしたりオブジェクトそのものを回転させて、平面的な見え方から立体的な映像への切り替えを行っています。

今見えているモノを、一方向だけでなく違った角度から見た場合にどう見えるのか?
基点をどこに置いて見るか?シルエットだけで捉えるとどんな形状に見えるのか?

など、様々な見方をして動きのヒントにしてみると良いかもしれません。
ぜひ活用してみてください。

ひとつの動きや形状をどう捉えるか?や、最初に話した共通点や、力の方向、動きの流れというのは、一度見つけると、それらがどんどんストックされていきます。
良い作品を見て、それらにどんな繋がりがあるかを注意深くみていくだけでも良い勉強になると思います。

紹介しきれない手法や考え方もありますが、16日のウェビナーでいくつか取り上げてみたいと思います。

実践

「共通点を探す」
「どのような力が働き、生まれるかを考える」
「角度と基点を変える」

これらの考え方を利用して、作例を作ってみました。
特に意味はありません。
僕が自主制作でよくやる、動きの流れを追っていくことで映像が繋がるシェイプ遊びです。
動きの流れや、引き出しを増やすのに良い練習になります。
音ありでやることで、動きを音に合わせる練習にもなります。是非!

▼Connect

順番に見ていきます。

▼01

画面左端から球体が登場して停止。
画面右側にスペースを空けて、右に向かう、もしくは右側に何かあるかも?と示唆。

▼02

破裂の衝撃で、円形から四角形へ形状を切り替え、前へ進む推進力を与え、右へ移動させます。
図形を四角形に変更した理由は、右方向へ移動させるときに回転運動を加えたかったのですが、
円形だと回転していることを見る側と共有するには一手間かかるので、わかりやすい四角形にしました。
所謂ズボラです。

▼03

図形が加速していく様を、背景のスクロールの速度、右から左へ流れる効果線と、図形のモーションで表現します。
前へ進む図形を一瞬後ろに下げて、溜めた動きをつけることで、さらに加速することを示唆。
そのまま加速させて、画面右端まで一気に図形を移動させています。
次のカットは、右方向に動く共通点を利用し、同じ右方向に進ませています。

その後、記事でも紹介した、移動の軌跡を利用して絵を繋げていきます。
軌跡を基点に画面を二分し、奥の背景を登場させます。

▼04

左から右へ移動する印象の余韻はまだ残っていると考えて、再度球体を画面左から登場させます。
奥行きのある空間ができたことで、登場させた球体を奥へ移動させやすくなっているので、その流れで移動させていきます。

音に合わせながら球体をオブジェクトへ衝突させながら動かします。
2度の衝突で、勢いを失った球体を落下させます。
「落下」という事象の共通点で次のカットへと繋ぎます。
速度を調整して、落下から踏みとどまって上昇する動きへと切り替えます。
このとき、後ろで流れる音を拾って、図形が上下する速度を調整しています。

▼05

平面的な円形の角度を変えて、3Dオブジェクトの円柱に切り替えます。

記事にもあった、配置による形状の共通点でカットを繋いでいきます。
円柱を複製して円形を描き、同じ形状で繋ぎます。
複数の円柱が中心に集まった際の衝突の力も相まって、シームレスに繋がっていきます。
再度円柱の配置で四角形を作り、形状の共通点を持たせて、次の四角形モーションに繋げていきます。

▼06

円形図形の拡大に合わせて、角丸の長方形図形を三つ登場させます。
登場の際、円形から、角丸長方形にモーフィングさせて、違和感を和らげています。
図形が三つ並んだ際の形状を四角形に寄せて、次のカットに備えます。
回転、左方向への移動、配置による形状の共通点で、四角形図形に切り替えます。
左への移動と回転の速度を調整し、動きの溜めを作り、次に右へ移動することを、それとなく知らせます。
そのままの流れで右方向へ勢いよく移動。
右方向の流れを利用して、「Connect」のタイトルまで一気に駆け抜けます。

文字に起こすと、「なんのこっちゃ」な感じですが、それとなく受け取ってもらえると幸いです…
3つの記事のうち、ひとつでも皆様の制作のヒントとなれば幸いです。
ではまたどこかでお会いしましょう~

16日はいよいよウェビナー!これまでの記事を詳しく解説するとともに、質問などにも答えたいと思います。ぜひご参加ください。
ご予約は以下のURLから!

https://vook.vc/e/2671

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    コメント

    • Tyama

      TyamaTyama

      21.01.15
      とても参考になる記事でした。ありがとうございます!
      作例が作品としても素晴らしく、凄いな!って感じです!
      早速、作業中の仕事に学んだ要素を取り入れようと思います!