2020.12.08 (最終更新日: 2020.12.08)

α7SⅢ 4K 4:2:2 10bit撮影で知っておきたいこと まとめ

α7SⅢ 4K 4:2:2 10bit撮影で知っておきたいこと まとめ

こんにちは!おーとふぉーかす(@sonycameralove)です。

大阪で動画クリエイターとして活動しています。

2020年10月にSONY α7SⅢを手に入れました。

α7SⅢで4:2:2 10bitのカラーグレーディングを体験したことがある方は、毎日動画を撮りたい衝動に駆られているのではないでしょうか。

私の場合、BTOパソコンを複数台借りて自前の編集マシン(PC)を買い替えるまでの間をなんとかしのいでいるところです。

この記事ではα7SⅢを使っていくうえで分かった

✅α7SⅢの記録方式の違い
✅4K 10bit 4:2:2の編集で知っておきたいこと
✅α7SⅢ 4K60P 4:2:2 10bit編集で最適なパソコンスペック

について解説します。

ProRes や All Intra、LongGOPといった様々な映像圧縮フォーマットについて理解を深めておくと、カラーグレーディングをともなう動画編集がとても快適に行えるようになります。

記録方式の選び方次第で、パソコンに必要となるスペックも変わるのでα7SIIIで動画編集をする方はぜひ参考に読んでみてください。

情報源のリンクも全て紹介しているので、合わせて読むことで理解が深まるはずです。

それではいってみましょー!

本格的すぎるα7SⅢの記録方式

SONY α7SIIIは業務用カメラ並みの録画機能を持っており、様々なプロ仕様の映像圧縮フォーマットに対応しています。

私と同じようにα7ⅢやAPS-Cセンサーのα6XXXシリーズからステップアップした方の場合

「XAVC HS? XAVC S-I? どれ選べばいいのん?」

と迷ったのではないでしょうか。

よく分からないので、とりあえずお馴染みのXAVC Sを選んでいる方もおられると思います。

どんな編集を行うか?どんなパソコンで編集するかで選ぶ記録方式は変わるので後で詳しく解説しますね。

またα7SIIIはさらに記録方式の他にもbitや4:2:2、4:2:0の選択が可能です。

これがα7SIIIの大きな特長でαシリーズに初めて実装した機能です。

8bitと10bitの違いは大雑把に解説すると

8bit ⇒ 約1677万色
10bit ⇒ 約10億6433万色

たった2bitの違いで保有している色データの量が大きく異なります。

また4:2:2や4:2:0はサブサンプリングという映像圧縮の一種で、4:2:2よりも4:2:0の方が色を間引いて記録しています。

参考情報:クロマサブサンプリングを知る - いまさら聞けない 4:2:2って何?|CineD

これまでのSONY αシリーズは8bit 4:2:0の記録しかできなかったので、α7SⅢから色の階調幅が大きく広がりました。

またフレームレートの選択は4K解像度で24P・30P・60P・120Pと選べるようになっているので、クイック&スローモーションの映像表現を4Kで実現できるようになっています。

こんな感じでプロの方が求める多くの機能が備わっておりますが、その反面使いこなせるか不安になるかもしれませんね。

SONY α7SIIIの設定の手順とコツ

α7SIIIで編集することが前提で動画を撮影する場合、フレームレートをまず最初に決め、次にbit数(4:2:2 or 4:2:0)そして記録方式の順番で決めるほうが分かりやすいと思います。

①フレームレートの決め方

60Pや120Pといったフレームレートを選ぶメリットは、編集でスローモーションにするときにフレーム不足を解消できるので滑らかな映像になることです。


フレームレートとスローモーションの関係を簡単に動画で解説したので合わせて視聴してみてください。

4K120Pの映像とは毎秒120フレームの4K画像を記録することになるわけですから、ファイルサイズもその分大きくなります。

参考までにα7SⅢで4K120Pに設定した場合、64GBのメモリカードで最大何分撮影できるか調べたのでご覧ください。

  • XAVC S 4K120P 10bit 4:2:2 280M:27分
  • XAVC S 4K120P   8bit 4:2:0 200M:38分
  • XAVC HS 4K120P 10bit 4:2:2 280M:27分
  • XAVC HS 4K120P   8bit 4:2:0 200M:38分
  • XAVC S-I 4K120P:不可
  • XAVC S HD120P 8bit 4:2:0 100M:75分
  • XAVC S HD120P 8bit 4:2:0 60M:118分
  • XAVC S-I HD120P:不可


余談ですが、α7SIIIの4K120PはXAVC S-Iで撮影する場合、カメラの撮影モードをS&QモードにしてCFexpress Type Aカードで収録する必要があります。
(XAVC SおよびXAVC HSの4K120PはSF-G64Tで撮影出来ました。)

動画編集ソフトに取り込む際にフレームレートが高いほどパソコンに負荷がかかるので、むやみに高フレームレートで撮る必要はありませんよね。

映像表現にスローモーションを使わないなら、常に24Pまたは30Pにすると決めてしまっても良いと思います。

②10bit と8bitのどちらを選ぶ?

カラーグレーディングが前提の映像制作なら10bit 4:2:2を選ぶのをお勧めします。

ただし10bitのほうがパソコンに対する負荷が大きく、ある程度スペックの高いパソコンでないと対応できません。

自身のパソコンで対応できるかどうかは、テスト撮影したデータで実際に動画編集をやってみるのが良いです。

③SONY α7SIII 記録方式はどれを選んだらよい?

SONYでは4K動画記録を

  • XAVC S(MPEG-4 AVC/H.264)
  • XAVC HS(MPEG-H HEVC/H.265)
  • XAVC S-I(MPEG-4 AVC/H.264)

の三種類の記録方式から選べます。

いずれの記録方式でも4K 4:2:2 10bitで収録できるのですが、パソコンに対する負荷の大きさやファイルサイズが異なります。

それぞれの特徴は以下になります。

1.XAVC S
汎用性の高い従来の記録方式

2.XAVC HS
XAVC Sよりも高画質。高圧縮(H.265)でファイルサイズがXAVC S と同等か少し大きい程度。パソコンへの負荷が大きい。
SONY公式では無編集の視聴用として推奨

3.XAVC S-I
パソコンへの負荷が少なく動画編集向けの記録方式。
ただしファイルサイズが大きいため、大容量の保存ディスクが必要。

参考情報:SONY α7SⅢ(動画)各記録方式の特徴|SONY 公式HP

試しにそれぞれの記録方式で10秒の動画を撮影してみました。

画像拡大

  • XAVC S(4K60P 4:2:2 10bit 200M) ⇒ 288MB
  • XAVC HS(4K60P 4:2:2 10bit 280M)⇒288MB
  • XAVC S-I(4K60P 4:2:2 10bit 600M)⇒704MB

尺の長さが同じ場合、XAVC S-Iが最もファイルサイズが大きくなります。

XAVC S-Iの「I」はIntraの頭文字が由来で、映像の圧縮を1フレーム毎に行っています。

一方でXAVC SやXAVC HSは圧縮を複数フレームにまたがって行い(フレーム間圧縮)、ファイルサイズを小さくしています。

XAVC SやXAVC HSのようなフレーム間圧縮は編集ソフトのタイムラインに乗せたときにデコードの負荷が大きく、再生中にカクツキやコマ落ちが起こりやすくなります。

一方XAVC S-Iのような1フレーム毎に圧縮する記録方式はソフトウェアのデコード時の負荷が小さく、編集がやりやすいというメリットがあります。

編集時の軽さを重視したり、カラーグレーディングが前提となる映像制作では、圧縮率の低いXAVC S-Iの記録方式が好ましいです。

参考情報:どのような記録フォーマットが有り、違いは何ですか。|SONY公式HP

α7SⅢ 4K60P 4:2:2 10bit編集で最適なパソコンスペック


α7SⅢの4K60P 4:2:2 10bit 動画データで動画編集する場合に最適なパソコンスペックを見つけるために4台のパソコンで検証してみました。

編集ソフトはAdobe Premiere Proを使用しています。

A.
Core i7-10700K
32GB PC4-21300 メモリ
RTX2070 SUPER
M.2 SSD NVMe (Read 3500MB/s)1TB

B.
Ryzen 7 3800XT
32GB PC4-21300 メモリ
RTX2070 SUPER
M.2 SSD NVMe Gen4(Read 4500MB/s)1TB

C.
Corei7-10700
16GB PC4-21300 メモリ
GeForce RTX2070 SUPER
M.2 SSD(Read 1500MB/s)500GB

D.
Ryzen 9 3900X
16GB PC4-25600 メモリ
GeForce RTX2070 SUPER
M.2 SSD(Read 5000MB/s)1TB

検証の結果、A・Bはちょうどよい性能で、カラーグレーディングを重視するならD.のCPUがおすすめ。
Cは4K60P 10bit 4:2:2 に対してやや性能不足。ただし8bit 4:2:0なら4K120Pでも対応できます。

D.は4K60P 4:2:2 10bitに非常に快適に編集できますが、ややメモリ不足を感じました。

検証で使ったパソコンはすべてBTOパソコンショップの製品で、最上位のスペックでも20~25万円で購入できます。

まとめ

こんな感じです。

・フレームレート60P・120Pはファイルサイズがかなり大きい
・10bitと8bitでもPCへの負荷は違う
・編集はXAVC S-Iの記録方式を選ぶのが理想的。大容量の保存ディスクが必要
・予算20~25万のBTOパソコンがおススメ。メモリは32GB~で

以上となります。

おススメのパソコンは以下の記事で紹介していますので合わせて読んでみてください。

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