はじめに
HPのENVY15クリエイターモデル。「クリエイターモデル」と呼ぶからにはその性能は映像制作者の満足いくレベルなのだろうか。Vook編集部では、ビデオグラファーの協力の元、映像制作者が本当に知りたい作業速度によるストレス度検証を行った。HP ENVY15は映像制作者が求めるようにサクサク動くのか!ぜひPC選びの参考にして欲しい。
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HP ENVY 15 クリエイターモデル
【スペック】
Windows 10 Pro(64bit)
インテル® Core™ i9-10885H プロセッサー
(2.40GHz-5.30GHz)
32GB (16GB×2)
2TB SSD(RAID 0, 1TB×2, PCIe NVMe M.2)
NVIDIA® GeForce RTX™ 2060
15.6インチワイド・UHD(4K)OLED・タッチディスプレイ
(3840×2160 / 最大1677万色 / 400nit / 282ppi)
重量約 2.15kg
【スペック詳細】
ストレスフリーの編集とは
編集のスムーズさ=シーケンス内のクリップを選択から映像表示までの時間とし、撮影フッテージの種類毎に時間を図り、それぞれテストを行った。
その理由としては、
編集時にシーケンス内で撮影クリップの選択後の映像表示が遅いと、撮影クリップの編集作業すべての動作において微妙な待機時間が発生してしまい、編集時に大きなストレスになってしまう為だ。
どれだけ編集後の映像の書き出し時間が早くても、
実作業が編集できなくては仕方がない。
尚、映像が表示されたのち
再生ボタンを押し、実際に再生するまでの動作は
どの映像素材も大きな差はなくスムーズだったが
エフェクトが入った映像については再生動作に時間が生じる場合があったので
その時間や動作状況を記載。
編集のスムーズさの指標
クリップ選択後の表示時間
0.0-0.5 体感0秒
0.0-1.0 映像のエフェクトによっては1秒ほど表示時間が発生するが、素材の表示時間はとてもスムーズ
0.3-1.5 映像のエフェクトによっては1.5秒ほど表示時間が発生する、
素材の表示時間は若干ブランクを感じるが編集可能。
0.5-2.0 編集可能だが、遅さを感じてくる
1.0-2.5 編集できるが、ストレスを感じる。
検証内容
4Kの様々なスペックのカメラ映像を編集した際に、
どれだけスムーズに動かせるか(編集しやすいか)をpremiere proにて検証。
【4つのカメラ素材を使用】
それぞれのカメラ素材を入れたタイムラインに以下の流れで編集作業を進めていき、動作を確認した。
①LUT(調整レイヤーにて)
②シネスコ(エッセンシャルグラフィックス)
③左上タイトル(エッセンシャルグラフィックス)
④タイトル(横書き文字ツール)
⑤転換系エフェクト (エッセンシャルグラフィックス)
⑥PinP(test中のカメラ素材と同じフッテージにて)
⑦ワープスタビライザー補正
⑧ズームエフェクト(エフェクトコントロールのモーションにて)
⑨クロスディゾルブ(test中のカメラ素材と同じフッテージ同士にて)
①から③まではシーケンス上部に常時配置し、常に表示される映像とし。
④から⑨まではシーケンスの一部に配置し、一時的に表示される映像とした。
検証結果
【4K 30fps プレビュー解像度 高画質】
【4K プレビュー解像度4分の1】
①4:2:0 8bit
言うまでもなく快調
既にこの段階から転換系のエッセンシャルグラフィックスがコマ落ちしてたが、
macbookpro2019(cpu corei9 メモリ32GB)でも同様であった。
再生画質を1/4にすればコマ落ちなし。
②4:2:0 10bit (H265)
基本スムーズ。ほんの少しレスポンスが遅い時もあるがほぼストレスなく編集可能。
下記の4:2:2 10bitよりも動作が重い。
恐らくコーデックがH265で有ることが関係しており。
macbookpro2019(cpu corei9 メモリ32GB)でも同様にこの素材の方がレスポンスに時間がかかった。
③4:2:2 10bit (H264)
②よりも軽い、ほぼノンストレス。
クロスディゾルブ時に、若干のコマ落ち
再生画質を1/4にすればコマ落ちなし。
④prores RAW 12bit
4:2:0 8bit同等の速さ。
意外に感じる方もいるかも知れないが、
prores RAW 12bitはこのPCに限らず非常にスムーズに動作しやすい。
グレーディング(Lumetriカラー)もかなり滑らかに動き
作業が楽しくなる。
ちなみに、MBP2017(core i7 16GB)のスペックでもprores RAW 12bitをtestしたが、ほぼ問題なく動作し快適に編集はできる。
しかし、グレーディング(Lumetriカラー)操作時に若干のレスポンスの遅さがあり、カラー微調整後の映像表示に数秒時間がかかる事があったのを追記しておく。
その他の機能
今回検証した内容の他に、映像編集者にとって嬉しい点をご紹介。
シンプルですっきりしたデザインの筐体
高級感あるシルバーメタリックボディ。指紋も付きにくいのは嬉しい。
豊富なインターフェイス
多機能なUSB Type-C™ (Thunderbolt™ 3 対応) は嬉しい!
HP QuickDrop
今回は試すことが出来なかったが、気になる機能が、ウィンドウズ界では初というHP QuickDrop。アプリをインストールすると写真や動画などのデータを簡単に送れるという。スマホに保存したファイルをPCと同期して、PCで制作したアウトプットをスマホ画面でどう表現されているか同時にチェックすることが出来るというから便利。やってみたい!
まとめ
今回実際編集して感じた事は、
「ノートPC=デスクトップより劣る」は、今や昔、、
色々なフッテージを試したが、総じてレスポンスが非常に良く、正直とても驚いた。
編集のしやすさという点では本当に満足のいく結果だった。
持ち運びなどを考えたらENVY15、モニター画面や音質に大きな利点があるENVY All-in-Oneは
自宅作業の充実に。自身の用途に合わせて選択する際、是非参考にしてほしい。
Vook編集部@Vook_editor
「映像クリエイターを無敵にする。」をビジョンとするVookの公式アカウント。映像制作のナレッジやTips、さまざまなクリエイターへのインタビューなどを発信しています。
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