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Cinema4Dのススメ 〜モーショングラフィックス制作の幅を広げるために、またはよくあるご質問〜

2020.12.17 (最終更新日: 2020.12.17)

こんにちは、株式会社imagenic代表・映像ディレクターの三沢と申します。

主にモーショングラフィックスやインフォグラフィックスなどを用いて、訴求したいメッセージや情報を、目に楽しく、伝わりやすいビジュアルや動きで表現する広告映像制作を得意としております。

出典:三井不動産「豊洲スマートエネルギープロジェクト」プロモーション映像より

近頃、いまや私にとってAfterEffectsとともに欠かすことのできないツールとなっているCinema4Dについて、使ったことのないクリエイター仲間から「あれってどうなの?」と訊かれることが増えてきました。

そこで、まだ使ったことがなく、Cinema4D導入を検討されている方向けに、僭越ながら不肖私めの所感を『よくあるご質問』形式でお届け いたします。

Q.3DCGって難しいんじゃないの?

A.どう使うかによります、間口はめちゃくちゃ広いです。

Cinema4D(以下C4D)を使い始めたと話したとき、知人の映像ディレクターさんから「あー、そっちに行きましたか」と言われて、なんか道を踏み外したような気分になりました。笑

3DCGはとても職人的な世界なので、生半可な気持ちで踏み込めるものではないと思われたのでしょう。僕も制作会社に勤務していた頃に、CGクリエイターさんの仕事ぶりを見ていて同じことを感じていました。

ただ、使い始めて思ったことは、

「これは企画構成もデザインもディレクションもする映像クリエイターが、AfterEffectsで制作していたモーショングラフィックスに気軽に3Dのエッセンスを取り入れるのにめちゃくちゃ相性がいいぞ

ということ。ぶっちゃけこの記事で言いたいこと、これで以上です。

いきなりスパイスからインドカレー作るのはハードルが高いけど、いつものカレーにガラムマサラ振るだけでもひと味変わったりするもので。

・・・うん、わかるようなわからないような喩えだな。

もちろんゴリゴリフォトリアルなVFXを作ろうとしたら気の遠くなる勉強が必要ですが、このアイコンがクルッとY軸回転するといいのにとか、人物グラフィックを手前に歩かせる方法ないかななどというときに、手軽に導入でき、奥深く究めていけるツールと感じます。

たとえば実際私の初C4Dデビューでは、とあるコマ撮りアニメーション案件で触ったこともないのにコンテ提案・実戦導入し、コロンとした木目の質感のCGテキストが宙に浮いている様子をライティングやボケ味まで違和感なく実写合成できました。しかも無料のLite版で。

・・・今考えると無謀ですね、今さら背筋が冷えてきました。

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Q.なんでCinema4Dなの?

A.モーショングラフィックス制作ととても相性がいいんです

「C4Dはズルい」。他のツールで3Dを制作している方がそうおっしゃるのを何度か聞いたことがあります。

AfterEffects(以下AE)にバンドルされたLite版で簡単なテキストモーションなどは制作可能、完璧な撒き餌として機能しています。笑

AEからC4Dのプロジェクトファイルを読み込みレンダリング可能、C4Dで組んだカメラの動きやライト、ヌルの位置などを取り込んだり、逆にAEのカメラやシェイプをC4Dに送ったりと連携した制作フローが構築可能です。

デフォーマーやMoGraphといった、簡単に形状やレイアウト、動きなどを可逆的かつプロシージャルに調整できるツールがあり、細かなモデリングや設定を行わなくてもある程度のビジュアルやモーションが制作できます。

また、レンダリング工程においても、他の3Dアプリケーションが細かな数値を設定しないとマトモなビジュアルが描き出せないことが多いのに対して、C4Dはある程度お任せでもかなり「いい感じ」な絵がレンダリングされます。

そのあたりが「C4Dはズルい」と言われる由縁かもしれません。

Q.何から始めたらいいかわかりません

A.とりあえず押し出してみましょう

モーショングラフィックスをつくっていて、テキストやグラフィックのレイヤーに厚みをつけたいと思ったことありませんか?

「ずっと平べったいレイヤーをこねくりまわす映像制作人生を送りたくない!」
私はそんな思いから3DCGに手を出しはじめました。笑

なにはともあれ 「押し出し」ツールから使ってみてください。 任意のフォントのテキストや、Aiファイルから読み込んだパスレイヤーに簡単に厚みをつけることができます。

出典:国土交通省「羽田空港のこれから」プロモーション映像 より

フラットなイラストより、押し出すことでぐっと表情豊かに。

3DCGへと一歩を「押し出し」たとき、貴方の眼にはまだ見ぬ自由な表現の地平が広がって見えることでしょう(ドヤッ)。

ちなみに先述の通り、AE編集に戻る場合C4Dプロジェクトファイルを読み込んで書き出しも可能ですが、多くの場合C4D内で画像の連番書き出し(アルファ付きのpngなどでも書き出し可能)するフローがオススメです。

Q.始める際の注意点を教えてください

A.どんなことをしたいか明確にしましょう、あとホントは英語で使うといいですよ

C4Dはやれることがとても幅広く、AE以上に全ての機能を使いこなすのは大変なため、まずどの山を登るか定めることが重要かと思います。

あなたが映像クリエイターなら、まずは作風の中にどのように3DCGを入れ込みたいかをイメージしましょう。

フォトリアル、フラットデザイン、プロダクトモデリング、有機的な形状のモデリング、テキストモーション、キャラクターアニメーション、セクシィな服着たお姉さん…。
なにをつくりたいかで使い方を学ぶべきツールやプロセス、マシンに求められるスペックなどが大きく異なります。

加えて、日本語表示設定も可能なのですが、デフォルトの英語バージョンで使うといいとアドバイスを受けたことがあります。

理由は、世に出回っている日本語チュートリアルが少ないこと、ノードを用いるXpressoやプラグインなど日本語対応していない機能も多いため、突き詰めていくといずれ英語の壁が立ちはだかるからだというのです。

何より私が「それ早く聞きたかったわ…」と思ったことなのでここで忠告しておきます。泣

Q.相当マシンスペックが高くないと動かないんじゃないの?

A.作業はだいたいサクサクですが、レンダリングスピードで差が開きます

Cinema4Dは動作がとても安定している印象を受けます。

そして意外と重くない。よほどポリゴンの多い細密なシーンなどを制作しない限りは、AfterEffectsがストレスなく動くマシンならとりあえず作業に支障はないはずです。

ただしプレビューや最終のレンダリングはCPUやGPUの性能が如実に影響します(どちらが影響するかは使うツールレンダラーによって異なります)。

また、鏡面反射やライティングを用いたフォトリアルなビジュアルに仕上げたい場合。RedshiftやOctaneなどの外部レンダラープラグインを用いることでクオリティとレンダリングスピードが大幅にアップするのですが、これらはNVIDIA製のグラフィックボードのみの対応のため、現在Windowsマシンしか対応しておりません(近々Mac対応版がリリースされるという情報もあります)。

Q.三沢のようにフラットアニメーションがつくりたい場合どうすれば?

A.詳しくは長くなるので、とりあえず2つのキーワードだけ授けます

マテリアルの発光」と「Sketch and Toonのセル機能」。
今日のところはそのキーワードだけ覚えてお帰りください。

Q.なんでオススメするの?

A.上で書いた通り、日本語情報が少ないんです。みんなで学び合いましょう!

C4Dの使い方を学んでいて、「あ、そんなことできるんだ」「そうやればよかったんだ」って衝撃を受ける割合はAfterEffectsのおおよそ58倍くらいな印象です。

なのに日本語の情報やチュートリアルが少なすぎる!
VOOKさんがんばってよ!!

否、我ら才能溢れるクリエイターが、その類稀なるイマジネーションでCinema4Dと自らの無限の可能性を引き出すべく、日出ずる国の総力を結集する時が来た(注:主に「もっと使う人が増えて、素敵なチュートリアルを公開して下さる日本人増えるといいなぁ」という他力本願)と、かように思うわけであります。

よかったらこちらのチュートリアルもご覧ください。

【ログインで無料視聴可】Cinema4Dを使ってモーショングラフィックスに3DCGを取り入れてみよう! 全6講座

※本チュートリアル公開時(2020年時点)の画面UIでの解説となっています。ご了承ください。 ...

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