ポスプロの流れ

3回に分けて翻訳・解説した、「ポスプロの流れ」の最終回です。

分かり易く解説してくれた、南アフリカでVFX映像制作会社Wiscus Labを経営するウィスカスさんと、彼のBlogサイト「Wiscus Lab Blog」に改めて感謝します。また、前回までのポスプロの流れ1&2は、以下のリンクから読むことが出来ますので、この記事を読む前に、まずご覧ください。


参照:Wiscus Lab

ポスプロの流れ (1) - 記事リンク

  • EDL, CDL, XML, AAFについて
  • DITについて(大雑把ですが)

ポスプロの流れ (2) - 記事リンク

  • オフラインとオンラインの編集について(デジタルシネマ)
  • NLE(ノンリニア編集)について

デジタル・インターミディエイトについて

「デジタル・インターミディエイト - Digital Intermediate」のことを基本的には略して「DI(ディーアイ)」と呼びます。これはポスプロの最終工程である、オンライン編集>グレーディング>マスタリングまでを差した言葉です。ここからは、説明を分かり易くするために、DIと呼びます。


DIステーション / 参照:Vikrant Studios

前回はオフライン編集が完成するまでの流れについてを説明しました。オフライン編集が終わると、オンライン編集という作業があります。

ポスプロステップ (3):DI

オンライン編集 - 再構築

ピクチャーロックされた編集を、プロキシでは無く、高画質のRAWやLOGデータに再接続して、納品データ書き出しを行うアプリケーション上で、タイムラインを再構築することをオンライン編集と言います。(ポスプロの流れ2より)オンライン編集は、最終的なテロップ乗せや、放送規格テスト、違うフレームレートの素材のコンフォームなどの作業もありますが、オフライン編集で意図して構築されたクリエイティブな編集を出来る限りネイティブに再現することが、オンライン編集です。

オフライン編集にVFXが組み込まれて、編集が完全にロックされると、その編集された動画はグレーディングを経て、納品形式に書き出されます (DI)。まずオフラインエディターは、ロックされたタイムライン全体の新しいEDLとXML(AAF)を書き出します。書き出されたファイルは、DIのオンラインエディターへ送られます。

この際、DIに送られたEDLやXML(AAF)は、動画ファイルを含んでいません。そのため、DITはプロキシでは無いオリジナルのRAW/LOG撮影されたメディアをDIへ送ります。VFXチームもまた、RAW素材とルックが同じになるように(CDLやLUTを反映させていない)フラットな状態で書き出された最高画質のVFXショットをDIへ送ります。


参照:Wicus Lab Blog


参照:Wicus Lab Blog

カラコレ&グレーディング

グレーディングアプリ(DaVinci Resolve 14など)で再構築されたタイムラインの色は、このままでは全てフラットな状態です。現場で作られたルックを、グレーディングする際のスタートラインにするために、DITはCDLやLUTのファイルをDIへ送ります。


参照:Wicus Lab Blog

オンライン編集はカラリストの仕事になる場合が多いです。この際カラリストは、オンラインで(DaVinci 14などのグレーディングソフトで)タイムラインを再構築し、グレーディングする前にカラーコレクション(色補正)の作業を行います。これは監督やプロデューサーがDIステーションに来る前に、カラリストがする作業の1つです。


カラコレ前 - RAW(上) / カラコレ後 (下)| 参照:Grade KC via No Film School

例えば1つのシーンで、二つの違うカメラが使われて撮影される場合、それぞれの素材クリップに、同じCDLやLUTを反映させてもルックは必ずしも同じになりません。そのために、コントラストやスキントーンなどが各シーンで統一された見た目を持てるように色を補正しておくことが、グレーディングを始める前の条件になります。


グレーディング(1番下が最終的なグレーディング) / 参照:Grade KC via No Film School

色の補正(カラコレ)が終わった状態で、クリエイティブにスタイルを決めながらグレーディングという作業が行われます。それが終わると、ミックスされた音声とグレーディングされた映像を合わせて書き出し、初めて納品となります。


参照:Wicus Lab Blog

DaVinci 14

今回この記事を書いた理由は、NAB 2017でお披露目になったblackmagicの目玉であるDaVinci Resolve 14を見たからです。実際にDaVinci 14を試すのはこれからですが、このソフトが持っているポテンシャルは凄いです。今回3回に分けて書いたポスプロの流れ(1) DIT、(2)オフライン編集、(3)DIの全ての流れを一つのアプリケーションがこなすことが出来ます


参照:DaVinci Resolve 14

NLEを取り入れた最初のバージョンであるDaVinci Resolve 12.5は、まだPremiereやAvidには及ばない機動性でしたが、今回のDaVinci Resolve 14はNLEの性能が抜群に向上したようです。さらに音編集の機能(Fairlight)をまるっと新しく搭載して、ミックスもDaVinci 14を使って出来る可能性があります。まだ使ってないのでサッパリです。これからWEB動画のクオリティを向上させようと思うと、音質が非常に肝心です。だから1つのソフトで音質までも管理出来るソフトとして、DaVinci 14はもっとも注目を集めるソフトになってくると思います。まさにポストプロダクションの統一です。

Avidも6月にはMedia Composerのフリー版をリリースして、新しいユーザー獲得をする目論見のようです。僕らは編集ソフトがタダになってくれると嬉しいので、大歓迎ですが。Adobe Premiereを今ではメインで使っていましたが、そろそろ世代交代の時期かもしれないですねー。

実際にどのような機能が追加されたかは、こちらのリンクから読むことが出来ます。ぜひDaVinci Resolve 14を使って、制作をされた方はノートを書いて共有してください。

Blackmagic Design DaVinci Resolve 14公式ページ

MotionWorks NAB 2017 - DaVinci Resolve 14 パブリックベータの新機能

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