こんにちは!C3D主催の いわい です!映像業界にはCGの波が来ているという話を小耳にはさんでおりますが、CGするならWindowsとMacどちらがよいのでしょうか?
Apple信者としてはMacを激推ししたいところですが、現状ではWindowsがお勧め。しか〜し!2021年は歴史的大転換が始まりそう。年末には「CGするならMac」になっているかもしれません。
CGにWindowsが向いている4つの理由
CGにWindowsが向いている主な理由は、次の4つです。
- パーツ構成を自由に決められる
- 導入・維持コストを抑えられる
- NVIDIAのグラフィックボード(GPU)が利用できる
- Windowsでしか使えないソフトがある
1つずつ確認していきましょう。
パーツ構成を自由に決められる
Macのパーツ構成は、ほとんどがAppleによって決められています。 例えばCPUだけもっと高性能にしたいと思っても、Appleが用意するお品書きの範囲内でしか変更できません。
Windowsにはそのような制限が無いので、好きなようにパーツを選んでパソコンを作れます。 ショップによってはパーツ選びの相談に乗ってくれたり、組立代行してくれたりするので、詳しくない人でも大丈夫です。
導入・維持コストを抑えられる
Macは増設・交換ができるパーツが少なく、購入後にスペックを上げたければ買い替えということが多く、コストを抑えるのが難しいです。 最初にある程度のスペックを選べば長く使えますが、初期導入コストが高くつきます。
Windowsはパーツ選択が自由なので、最初は限られた予算内で組んでおいて、後からパーツを増設・交換できるため、導入・維持コストを抑えられます。
NVIDIAのグラフィックボード(GPU)が利用できる
CGソフトにとってのグラフィックボード(GPU)の主な役割は「リアルタイムプレビュー」と「レンダリング」です。
リアルタイムプレビューを使うと、事前にレンダリング画像と同等の絵を確認できます。時間のかかるレンダリングを行わずに最終出力を確認できるため、より多く試行錯誤でき、CGの品質向上につながります。
レンダリングには従来はCPUが使われていましたが、現在はGPUの利用が増加。レンダリング速度にはコア数が大きく関係しますが、CPUのコア数が多くても数十であるのに対して、GPUは数千を超えています。
このようにCGにはグラフィックボード(GPU)の利用が欠かせませんが、主なCGソフトがNVIDIAのGPUに最適化されているのに対して、Macで利用できるのはAMD、またはAppleの独自GPUで、CG用にMacを使うのを難しくしているのです。
Windowsでしか使えないソフトがある
あまり多くはないですが、Windowsでしか使えないCGソフトがあります。
Macの標準機能であるBootcampやParallels Desktopのような仮想化ソフトを使えばMacでWindowsを使えますが、性能や安定感を考えるとWindowsマシンを使う方がよいです。
MacのGPU対応は進んでいる
CGするうえで要になっているGPUですが、もちろんAppleも無策なわけではありません。
2019年のWWDC(Appleが毎年開催している開発者向けカンファレンス)で、Appleは主要なDCCツールの開発元がMac Proの開発に協力してくれていると発表しています。
新しいMac ProとPro Display XDRへのプロアプリケーションのデベロッパからの反響 - Apple (日本)
MacにNVIDIAは搭載しないけど、ソフトウェアの開発元にMac対応してもらうよっていうAppleにしかできない豪腕対応(笑) GPU対応の進捗はソフトウェアごとに異なりますが、WWDCから1年半が経過しているので年内にはすべて対応して欲しいところですね。
WindowsはGPU対応を待つ必要もないし、やっぱりCGはWindowsでよくない?と思われるかもしれません。しかしM1 Macの驚異的な性能を知ると、その考えは一変するでしょう。
M1 MacはミッドレンジWindows並にCGソフトが動く!
先日、M1 MacBook Airで幾つかのCGソフトの動作を検証してみました。検証に使ったMacとWindowsのスペックは次のとおりです。
M1 MacBook Air
- OS: Big Sur
- CPU: 8コア
- メモリ: 16GB
- GPU: 8コア
- ストレージ: 1TB
Windowsデスクトップ
- OS: Windows 10
- CPU: Ryzen7 2700X(8コア)
- メモリ: 64GB
- GPU: RTX3070(8GB RAM)
- ストレージ: サムスン 970EVO(NVMe SSD)
M1 Macはエントリーモデル。対するWindowsデスクトップはミッドレンジで、After EffectsやPremiere Pro、Cinema 4Dを立ち上げたまま作業してもストレスはありません。M1 Macはベンチマークの結果はよくても、マシンスペックが要求されるCGソフトではもたつきもあるだろうと予想していました。
ところがネイティブ対応していないソフトの起動も速く、重めのデータも問題なく動き、Windowsマシンとの性能差を感じさせない軽快さ。M1 Macにネイティブ対応しているCinema 4Dでは、なんと僅差ながらWindowsを凌ぐレンダリング速度でした。
低発熱で省電力、従来よりも低価格なM1 MacBook AirがミッドレンジWindows並みに高性能となれば、パソコンの歴史を塗り替えたという評価はまったく大袈裟ではありません。
負荷の高い作業を続ければ性能差が出てくると思いますが、それにしても十分すぎる高性能さ。しかもMacBook Airはファンレスなので無音です。
詳しい検証内容やキャプチャーした動作画面などをご覧になりたい場合は、C3Dの記事をご覧ください。
M1 MacBook Airは予想を超える高性能でCGソフトも快適に動く | C3D
2021年「MacでCG」始まる!
Appleは、2年かけてすべてのMacをIntelからApple Siliconへと移行していくと発表しています。2021年には新たなApple Silicon Macが登場すると思いますが、エントリーモデルのM1が予想を超える高性能なので、上位モデルには期待せずにはいられません。
現時点でのWindowsの利点を4つ挙げましたが、M1の高性能さを考えると、Macの方が圧倒的にコスパがよくなりそうです。またMacはリセールバリューが高いので、中古でも結構な高値で売れたりします。
これまでの常識では、パソコンはカスタマイズできると利点が多いように思えていましたが、主要なパーツを1枚のチップにまとめることで高性能化したM1 Macに触れて、その考えが根底から覆されました。
主要CGソフトのGPU対応も進んでいるので「CGやるならMacだね!」となる日はそう遠くないでしょう。CG・映像業界でMacが大躍進する日が見える、見えるぞ!
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